地上波・吹き替え版でした。
映画についてはまったく下調べ(役者さんはだれとか)せずに見たのですが、見始めてまず、主人公のペペンシー4きょうだいがふつうの少年少女と言いますか、いかにもという美少女美少年じゃないのがいいなあと思いました。(ルーシーの前歯がかわいいよかわいいよvv)(どんなフェチですか)(いえフェチとかでなく)
原作は、最後のオチ以外は素直に好きだと言える作品ですし、明らかに子ども向けの作品ですので(大人の鑑賞に十分耐える作品ですが、それでもナルニアは子ども向けの作品であると思います)、あんまりマニアに変にいじられるのもなあと思ってちょっとかまえていましたが、いやいや、むしろ、
いじらなさすぎ。
拍子抜けするほど、原作をなぞっただけの薄味作品でした。
原作があるものを映画化した作品などを見るたびに思うのは、原作に対する愛と敬意があれば、多少自分のイメージと食い違おうが、プロットが破綻していようが、荒削りで不格好だろうが、許してしまう魅力があるということです。
(ただそこに非常にオタク心のストライクゾーンと言いますか、ある種の人たちを引きつける力が強すぎて一般人にはそれほど…ということも起こり得ますが)
この映画はきれいな作品には仕上がっていますが、それが欠けておりました。
また、このおはなしはとてもイギリス的なおはなしだと個人的には思っていて、ユーモアなどもイギリス流でやってほしかったのですが、アメリカ流だったのが残念でした。
とはいえ、これで良かったのかもしれないとも思いました。
(ファンの心理は複雑です・・・)
原作は、作者C.S.ルイスの女嫌いとか、VIVA!キリスト教精神などがじめっと蔓延していて、読んでいて息苦しいくらいの部分もあったので、これを映像で見せてしまうともういろいろと地雷踏みまくりでちっとも夢と希望のエンタテインメントには仕上がらないであろうことは容易に想像できます。
そうなると、批評に耐える作品にはなったでしょうが、本来開かれている子どもへの世界ではなくなってしまったでしょう。
原作も子どもの頃読めたらきっともっと違う好きになり方をしていたと思います。
衣装たんすの向こう側に異世界がある・・・・なんてわくわくすることか。子どもだったら絶対自分の家の衣装ダンスを開けたと思いますね。
そんなわけで見て時間返せとまでは思いませんでしたが、家で無料で見られるならば、という意味でちょうどいい映画でした。
最後のプロフェッサーのセリフ、いつかまたナルニアに行けるかもしれないが、それはきっと「思いもかけないとき」だろう、だから、いつも、目を開いていることだ、というメッセージは良かったです。
本当に、「思いもかけないとき」に、今まで見たこともない世界への扉は開かれるんですよ。
これは本当ですよね。
ただし、それには、「いつも目を開いていること」。
シンプルだけれども大切なメッセージだと思います。