*さいはての西*

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『グッバイ、レーニン』(2003)

BS2。

映画館で予告で見たときは、もっとコメディなのかと思っていましたが、ヒューマンドラマでした。
ドイツ映画らしい地味な印象は拭えないものの、非常に「ええ話」に仕上がっていました。

日本もちょうど昭和から平成へ移り変わる時期のお話で、ベルリンの壁崩壊はわたくしもリアルタイムの歴史の証人として、単純に「良いこと」としてとても感動した記憶があるのですが、その後(といってもけっこう昔)見たNHKのドキュメンタリーで、旧東ドイツに「合わせて」生きていた人にも深い心の傷を負わせたのだなあと、一面しか見ていなかった自分を反省したことでした。

そしてこのお話の主人公アレックスのやっていることは、作中のモノローグにもあるように、最初はお母さんのためだったのに次第に自分にとっての「理想の国」を演出するようになって、本当は西側へ行きたかったというお母さんの告白を聞いたあとも、その姿勢を変えようとはしませんでした。
「おや」と思ったのは、その視線が変わることです。

つまり、ずっとアレックスの視線でしか語られないのですが、実はお母さんは真相を知っているのだという場面をわざわざ観客にわかるように入れてしまっています。

おかげで、このあとアレックスは物語の主人公であるにも関わらず、屋根の上に上がらされて梯子をはずされた状態になっており、「お母さんが真相を知らないままで良かった」というモノローグがこっけいでアレックスの自己満足みたいに聞こえてしまい、違和感を覚えました。

そこがいまひとつ最後に素直に感動できなかった原因かなあと思いました。

これが日本の作品だったら、三人称的な語り(目線)で語り、「お母さんはきっと知ってたよ。心やさしい息子を持って幸せだったよ。たぶん。今となってはわからないけど」というあたりで寸止めにしていたと思うのですがいかがでしょうか。

もっとコメディに徹したら良かったのかも知れないですね。

ところで、映画館で予告を見た時点では知りませんでしたが、本作の主人公を演じるダニエル・ブリュールは『クラバート』でトンダ役を射止めました(という表現もどうか。)
うーん、そうか…。
この役者さんがトンダという時点で何だか『クラバート』がどういうコンセプトの映画になるのか見えたような気がするのですが、まあ化けることを祈って。
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by n_umigame | 2008-06-20 21:45 | 映画・海外ドラマ | Trackback | Comments(2)
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Commented by まりお at 2008-06-21 00:22 x
気になっていた映画、私もNHK BSで観ました。ジャーマン・テイストあふれる作品でしたね。地味&何かが足りない感じもご指摘とおり。
途中で、「もういいじゃん、アレックス。お母さんにホントのことを話したら?」って思いましたが、なかなかいい作品でした。


Commented by n_umigame at 2008-06-22 18:06
そうなんですよ、惜しい感じでした。
音楽がマイナー調というのも原因のひとつかなと思いました。
もっとはっちゃけた「うわははは!」と笑えて最後しんみり、みたいな映画を期待して見始めたのでしたが、違いましたー(それは吉本新喜劇。)