*さいはての西*

fwest.exblog.jp
ブログトップ

『ベオウルフ/呪われし勇者』(2007)

英語で書かれた最古の叙事詩『ベオウルフ』の映画化。(しかしフルCG。)

けっこうな豪華キャストなのですが、フルCGにする意味があったのか、謎です。
映画館では3Dでも観賞できたようなので、3Dで観るとまた違った味わいがあったのかも知れませんが、このまま観るとどうしてもCGの「ペタッ」とした感じと、重量感のない感じが致命的に出てしまっていて、実写でやったらだめだったのかなあと思いました。

しかし、わたくしのようなへなちょこにも、CGだったらスプラッタなシーンもリアリティがなくて平気でした。

原作のベオウルフは色気もそっけもない、ストイックなお話で、どちらかというとこのマインドを受け継いだ創作でダントツに出来が良く、個人的にオススメできるのは、ローズマリ・サトクリフの『ベオウルフ』かと思います。

この作品のベオウルフは、赤い血の流れる人間の業(ごう)を描く、という意味ではある程度成功していると思われます。
(アンジェリーナ・ジョリーじゃ、相手が悪かったとしか言いようがありませんな。(しかもほぼすっぽんぽんですよ。しかも金色に光ってますよ。)女でもそう思いますよ(笑)。飽きっぽいけど義理は立てるところがいいじゃないですか悪女として。サブタイトルの「呪われた勇者」って何だろうと思っていましたが、いや、表現するなら、そら「自業自得の勇者」にすべきでしょう。)
また、キリスト教以前の北ヨーロッパの荒々しさ、粗暴さ、野蛮さなどはよく表現できているのではないかと思いました。まあそれが性や暴力やアルコールに対するしきいの低すぎ感で表現されているので、何かスマートな英雄物語を期待して行くとがっくりきてしまうかと。

主役にこの役者さんを配したあたりで、制作者側の心意気みたいなものは感じます。(イギリスの役者さんなんですね)

始まってからほぼ全編冗漫な印象は拭えないのですが、クライマックスの竜との死闘のシーンは、竜が登場した瞬間から最後まで秀逸なできでした。ここだけでも見る価値があるかもです。
竜のシーンもどきどきしましたが、最後までベオウルフの忠臣…というより、誠実な友人という印象のウィグラーフが必死でベオウルフを馬で追うシーンもどきどきしました。
いいなあ、ウィグラーフ。地味だけど。
あと、自分の夫の愛人を身を挺してかばう王妃もいいですよね。作中も「聡明な王妃」と言われていますが。

『トリスタンとイズー』物語でイズーとの恋愛よりゴルヴナルとの友情にときめいたわ! という方や、『13ウォーリアーズ』がけっこう楽しめた方にはオススメいたします。

思いのほか(期待せずに見たせいか)楽しめました。(最後だけ)

そして全然気がつかなかったのですが、ドラマの『ゲド戦記』で愉快なカルガドの王を演じた役者さんが出ていました。時代物(?)好きですね。
[PR]
by n_umigame | 2008-08-23 19:44 | 映画・海外ドラマ | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://fwest.exblog.jp/tb/8493704
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。