*さいはての西*

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『クラシック・ミステリのススメ』 part.1 (ヴィンテージ・ミステリ・クラブ)

某所で入手した同人誌です。

最近、今では文字通り「クラシック」となっている時代もののミステリが、どういうわけだかどっと出版されて、海外古典ミステリ好きにとってはウレシイお話だったのですが、あまりにも雨後の竹の子的にわーーっと出版されて、どれから読んだらいいのか迷っていました。
(1冊のお値段もいいお値段なので、失敗したらしばらく次に行けないし…)

そこへ、この本が。
とても参考になりましたし、みなさん達者な文章で、レビューもとてもおもしろかったです。
内容は、こんなに「雨後の竹の子」になったいきさつや裏話、そして出版社別に収められたレビューがぎっしりとつまっていて、読み応えがありました。

レビューは1作品につき2人ずつ、というのがいいですね。(そうでない作品もありますが)

前から順番に読んでいったのですが、あるところまでくると「? 何だか急にみなさんのテンションががっと下がったなあ…」と思うところがかたまりであって、なんだろなんだろと思っていたら、某H書房のシリーズのところ。 

うーん、わかる(笑)。

平素から自分の本の中でも毒を吐いておりますが、ローズマリ・サトクリフの翻訳を売らんかな根性としか思えないくらいばかすか出してくださっている某H書房です。
いえ、「売らんかな」でも、これでサトクリフがもっともっと大勢の人に愛されればそれでいいんじゃなくって? アタシったら、ちょっと翻訳がアレだからって、心の狭いこと言っちゃいけないわいけないわ。
そう思っていましたが、半面、翻訳がアレなことを大幅に差し引いたとしても、岩波書店から出ている作品は、本当に、目利きが選んだ粒ぞろいだったんだなあということが、改めて感じられたサトクリフでした。

で、同じくわたくしの好きなチーム作家エラリイ・クイーン名義で出された『青の殺人』。
これはホックの代作なのですが、この作品も同H書房から出ております。

エラリイ・クイーン名義の作品は、実はペーパーバック・オリジナルで出版されたものがまだ大量に出回っていたらしいのですが、日本でのクイーンのイメージをよほど損なうものだったのか、現在に至るまで未翻訳です。

で、なぜそのように思い至ったかというと、『青の殺人』を読んだからでございます(泣)。

エラリイ・クイーンは性格的にとてもまじめな、と申しますか、優等生だったんだろうなあという印象を受けるので、不良っぽいというか極道っぽいというか、そのスジの方向へ行こうとすると、読んでいる方が気恥ずかしいのですよ。(あー言っちゃった) こと女性関係ひとつとっても、小学生かせいぜい中学生くらいの印象の初々しい感じが、現在読むとかえって新鮮で、むしろ生き生きしているので、やはり自分のリングで勝負するというのが良いのではないかと思われるのです。

で、何を言いたいかと言いますと、愛すればこそ知らない方が幸せなこともあるということです。(ああ身も蓋も)

何でも翻訳して(おそらくネームバリューでファンは買うでしょうが)ばらまけばいいというものでもないな、と、改めて思った次第でございます…。

ほかの作品はやはりおもしろそうですので、例えば国書刊行会さんなんかは、不遜ながらいい仕事してるなあーと思いますので、追々チャレンジしていきたいと思います。
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by n_umigame | 2008-09-08 23:43 | ミステリ | Trackback | Comments(0)
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