『八点鐘』がおもしろかったのですが、次はどれを読んだらいいのか?? と迷いに迷って、Yuseumさんからもオススメをいただいていたこれを。
『八点鐘』がオルタンスというセミ・シリーズ・キャラクターの存在のおかげもあって非常におもしろかったせいか、ちょっと期待したのと違いました。
が、これもこれでおもしろかったです。
もう、何度も大笑い。(そういう「おもしろい」なのか!!)
えーと、がつっとひっくるめて表現すると、ルパン、なんて女といると似合う男なんだ。(逆の表現:横に女がいないとイマイチ光らない気が)
「ふふふ、困っちゃうなー、俺ってモテモテだし?」って、自分でも言ってますしね!まったく、なんてやっちゃ(笑)。
『地獄罠』……。あのーこれー、本当に相手が男性だったらルパンシリーズこれにて閉幕ですよ? (笑)
いや、これが、例えばイギリスやドイツ、あるいは日本の、あるいはもしかしたらアメリカの作家さんだったら「(同性であっても)相手の心意気や人となりに惚れる」という難の逃れ方も考えたと思うんです。
なのにね(笑)。
「男惚れ」などという概念はフランス人にはない、男子がモテると言えばもちろんご婦人にだ!! と言わんばかりですねルブラン御大(笑)。いやいいですけれどもそれで(笑)。
そして最終話も、いやいや、バチカンに昵懇にしている人がいるから解決さ☆という問題じゃないだろうルパンくん。と思いましたが、これも非常に
ルパンに都合よくキレイにまとまっています。
それを言い出すと、万事ルパンに都合良くことが運ぶお話が多いのですが(笑)。
収録作品の中では「麦がらのストロー」には個人的にバカミス大賞をさしあげてもいいのではないかと思いました。
ほかに、冷静に考えると盗人の獲物を横取りしたり、かなり極道なこともやっているのですが、それがなんだかあまり気にならないところがルパンの魅力なのでしょうね。
あと、今回はガニマール警部とのやりとりもおもしろかったです。
堀口大学訳がかわいいのなんの。