*さいはての西*

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『この世でいちばん大事な「カネ」の話』 西原理恵子著(よりみちパン!セ) 理論社

今こそ「お金」の真実を真っ向から語ろう!
なぜわれわれは、子どもに「金」の教育ができないのだろう!? カネがなければ一家離散、カネがなければ一家心中。カネがなければ人生、貧しい。これは真実だ、ああそれなのに。経済学者やカネの地獄を見ないものにはけっして語れない、そんな、カネと労働のリアルをみつめ、人生の根本を哲学する書。
★西原理恵子さんによる、活字一本勝負の画期的な一冊!(出版社HPより)


理論社のよりみちパン!セシリーズは中学生くらいを対象にしたYAシリーズらしいのですが、著者のチョイスが秀逸で、こんなゼータクなもん子どもの読むもんじゃありません。きっぱり。

とか言いつつまだ買って読むのは2冊目なのですが。

非常にサイバラさんらしい1冊でした。

自分の生き方や人生が血肉になっているなあと思う「オトナの人」の言うことはどこかしら共通していることが多くて、この西原さんの本からも、そういう共通するメッセージを読みとりました。

一つは、
「自分の価値を決めるのは自分ではない」ということ。
「自分探し」なんて言ってないで、とにかく働けやということ。そうやって何かしてみて「何かができる」ことをある程度証明して初めて、世間は自分という人間を「何かがものになった人間」として認めてくれる。
自分の才能を見いだすのは自分ではない、ということ。

一つは、
「そうは言っても自立しているためには(西原さん流に言うならば「自由でいるためには」)、経済的自立が不可欠であること」。
経済的に他人に依存していると、結局、それ自分が稼いだお金じゃないじゃん、と言われちゃうじゃないか。

この2点でした。

西原さんの壮絶な自伝にもなっているこの本は、だからこそ上のメッセージが痛いほど突き刺さるということもあります。

けれども、西原さんはそんな、自分みたいな極端なハングリー人生を送れと言ってるわけではなくて、しごくまっとうなことをおっしゃっているのですよね。
例えば専業主婦の人が離婚して帰る実家もないとアパートも貸してもらえない、実際問題困りますよね、という、端的に言えばそういうことなのだろうと。

個人的には経済的な自立ができていなくとも、自立している人はしているし、どんなにお金があっても(悪い意味で)依存している人は依存していると思います。

また、お金がなくてもある程度は暮らしていけるような、セーフティ・ネットのある社会が本来は良い社会なのでしょうし、いざ、お金がない!どうしよう!というときに救いの手をさしのべてくれる人がいるような人的ネットワークという「財産」の方がよほど大事なんじゃないかとも思うこともあります。

お金で生活している以上お金だって大事ですが、要は「カネの切れ目が縁の切れ目」になるような人的ネットワークではなく、本当に困ったときに助けてくれるような「人的財産」を自分がどれだけ築けたか、そちらもないがしろにしないということが大事なんでしょうね。

だって、西原さんだって、こんなタイトルつけておきながら、巻末の谷川俊太郎さんの「何がいちばん大切ですか?」という質問の答えは「カネ」じゃないのですよ(笑)。
あたりまえですよね。

このシリーズでは谷川俊太郎さんの以下の質問に各巻の著者が答えることになっています。

「何がいちばん大切ですか?」
「誰がいちばん好きですか?」
「何がいちばんいやですか?」
「死んだらどこへ行きますか?」
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by n_umigame | 2009-01-16 01:21 | | Trackback | Comments(4)
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Commented by 通りすがりです at 2009-01-17 19:27 x
西原さんの本が気になって検索してこちらへ参りました。
どんな本なのか、良く分かるすてきなレビューでした。
ありがとうございます。早速読んでみたいと思います。
Commented by まりお at 2009-01-18 17:01 x
私が読んだのは、しりあがり寿「おやじ国憲法」と杉作J太郎「恋と股間」。
タモリ倶楽部で久しく見てないと思ったら、若者に人生指南していたのか、J太郎。「人は皆生まれた瞬間から沈む運命にあるタイタニック号に乗り合わせたようなもの。だからこそよりよく生きなきゃ」みたいなちょっといい言葉もありました。

Commented by n_umigame at 2009-01-18 22:00
通りすがりです さま
コメントありがとうございます。
サイバラファンには「おまえさん、ちっともわかっちゃいねえ」と言われそうなこんな感想でもお役に立てて幸いです。
Commented by n_umigame at 2009-01-18 22:02
まりお さま
「おやじ国憲法」も読みました、そう言えば!(忘れるな)
「恋と股間」も読んでみたいです。
このシリーズ、本当にどれも良いセンスで選ばれた著者とテーマでオトナのハートをわしづかみです。