*さいはての西*

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『サウンド・オブ・サンダー』(2005)

レイ・ブラッドベリの短篇集、『太陽の黄金(きん)の林檎』に所収の「雷のとどろくような音」が原作。

と聞いて、けっこう楽しみにしていたのですが、よかった、映画館に見に行かなくて……。

以下、ネタバレです。↓



あちこちでもれ聞いていたことではありましたが、いやー、すごいですね、このCG!
本当に2005年の作品ですか?
でもドイツと合作だとわかって少し納得。(すまん)
あの、シカゴ(?)の街を歩くシーン、歩いてないですよね?(笑)足踏みしてるところに背景だけ流れてませんか?

それと、これは好みの問題かと思いますのでファンの方には申し訳ないのですが、主人公を演じた役者さんの声が、ワタシ、ダメでした。
ガラスをキーキーやられたときの気持ち悪さにちょっと近いものを感じてしまい。(すまん)

また、「知的な女性は気が強くてヒステリックでわめき散らさねばならない」という不文律でもあるのかハリウッドさんでは、と思うような、典型的な女性博士の役の方も今ひとつ共感できず…。
言いたいことはわかるのですが、頭が良いのならアプローチの仕方を考えてくれ思いました。主人公の役者さんの声と相まって、つらかったです。(すまん)(ほんとーにすまん)

良いところは、思い切った荒唐無稽っぷりですね、やっぱり!
原作でももちろん、蛾を踏み殺したことで未来が変わってしまうのですが、ここまで荒唐無稽ではなかったです。(確か)
ただ、起きてしまった問題が「もう解決できない」というような終わり方なので、この映画の方がいちおうハッピーエンドでしょうか。
最後の波が来て、ヒトが「進化」しちゃって、うわーもうやり直しきかない! というところも良かったです。
けど、あれ、「進化」かな??(笑) ほかの生き物も凶暴化していますよね?
「進化」=「凶暴化」ではないと思うんですけれどもまあ映画的にその方がおもしろいからですよねはいそうですね。
「進化」=「チョーかわいい」になったバージョンも見たいなあ。(本気)

ただ、SF好きの方はつっこむ気力も起こらないよという感じだと思われますが、なぜ、蛾を一匹殺してしまったことで、津波のような進化の波が来るのか? なぜ24時間ごとに来るのか? そもそも時間に物理的な質量があるのか?(ぶつかったらいろいろ壊れてますし)
そのあたりのエクスキューズはへりくつでもいいので用意しておいていただきたかったと思いました。
そして「間違った未来」からいくら過去へ戻っても「正しい過去」へは戻れない、という説明をするシーンがありましたが、いや、『バック・トゥ・ザ・フューチャーPt.2』でマーティンにドクがしてくれた説明の方が何十倍もわかりやすくてストンと来ましたよ。
頭のいい人の話ほど話がわかりやすいものですから、ご託をぐちゃぐちゃ並べたようなことを言ってると、話している人の底が浅く見えて逆効果だと思いました。

原作では「A sound of thunder」というタイトルは非常に重要な伏線になっておりまして、最後にぴりっと利くすばらしいタイトルなのですが、この映画ではあんまり意味なかったですね。

抒情詩人ブラッドベリの作品を映画化するのはたいへんむずかしい面もあるかと思われますが、過去に見た『何かが道をやってくる』なんて、悪くなかったですけれどもねえ。
今度『華氏451度』がリメイクされるそうなので、期待いたします。
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by n_umigame | 2009-01-27 01:57 | 映画・海外ドラマ | Trackback | Comments(2)
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Commented by まりお at 2009-01-27 23:42 x
タイムパラドックスを体験できるスゴイ?CGって本当なのですね。優れたSFの映画化は難しいです。「ブレードランナー」のように本・映画ともに傑作というのがあったら是非教えてください。
最近のパラレルワールドものでよかったのは、里見蘭「彼女の知らない彼女」。科学者やクルマなどバック・トゥ・ザ~的な小道具を使いつつ、読後感爽やか。
Commented by n_umigame at 2009-01-30 20:20
今現在のワタクシ的お気に入りナンバーワンは『銀河ヒッチハイク・ガイド』なのですが、これは人を選ぶかと思い、傑作!オススメ!と万人の方に言えないところが悲しいです。
ブラックなイギリス的笑いやアイロニーがおもしろいと思えないと厳しいかもしれませんが、お気が向かれましたらおひとつ。

『ブレードランナー』は良かったですよね。あれはルトガー・ハウアーがいなかったらどうなっていたのかと思う映画でもありました(笑)。
日本のSFはほとんどノーマークなのですが、また読んでみたいと思います。
日本ファンタジーノベル大賞受賞の作家さんなんですね。コンスタントに良い作家を輩出している文学賞ですよね。