ネヴィル・シュート『渚にて』の新訳

ネヴィル・シュート 『渚にて』
核戦争が勃発した。ここ南半球は今はまだ無事だったが、人類絶滅の時は容赦なく迫る。一縷の希望はあるか。時代を超えて迫真の感動をもたらす屈指の名作を完全新訳で贈る。佐藤龍雄訳。
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「本棚の中の骸骨」様より。4月予定だそうです。

新訳が出るのですね。
訳者の方はほかにはフィリップ・K・ディックの作品の翻訳もてがけておられるようです。

ネヴィル・シュートは手軽に読める翻訳がこれと『パイド・パイパー』くらいしかなかったので、未読の方はぜひに。(『渚にて』の旧訳は井上勇さんです。井上勇さん訳でも全然オッケーでした。クイーン訳ではなんだかんだと言われていますが、いや、クイーンの場合は一概に翻訳の責任だけではないと思われますよ、原書を読むと・・・)

『渚にて』は核戦争による人類の終末を描いたSF、『パイド・パイパー』はもしカテゴライズするならば冒険小説の類に入るのかも知れませんが、どちらも絶対オススメの傑作です。

『パイド・パイパー』は「子どもと老人」という反則最強タッグによる大脱出行を描いた作品ですが、物語がどうというよりひとつひとつの場面の描写、途上人物の描写が秀逸で、あたたかくなるのに少し悲しくなるような、そんなお話です。

どちらも抑えた静かな筆致とストイックさがかえって胸に迫ります。

ネヴィル・シュートはわたくし、『渚にて』の舞台のためか、一時期オーストラリアの作家だと思っていたのですが、イギリス出身の人です。Wikipediaによると航空エンジニアだったそうで、第二次大戦後オーストラリアに移住したとのこと。
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Commented by まりお at 2009-03-02 22:50 x
不朽の名作の新訳! 楽しみです。
「パイド・パイパー」、いいですよね。WWⅡの冒険モノといっても、銃撃戦もカーアクションもない静かな“老人小説”。 ホントに優しさと哀しさの塩梅が絶妙です(イギリスの藤沢周平?)。 ラスト近くの桟橋での別れの抱擁のとこ、何度読んでも泣いてしまいます。
Commented by n_umigame at 2009-03-03 22:42
何度も書店に平積みになるのを見かけるので、やはり人気があるんだなーと、うれしくなってしまいます。
表紙絵が杉田比呂美さんのイラストなので、ちょっと軽いイメージで手に取らない人もいらっしゃるのかもしれませんが、あの表紙にだまされちゃいけませんよね(笑)。
by n_umigame | 2009-03-02 14:25 | | Trackback | Comments(2)

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