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『ロシア★マフィアが世界を支配するとき』 寺谷弘壬著(アスキーコミュニケーションズ)

マフィアの4文字がロシアの新聞におどらない日はない。世界のブラックマーケットとロシア政財界を牛耳る闇世界の住人たち「ロシア・マフィア」に迫る。(Amazon.jpより)


また新しい好奇心への窓を開けてくれてありがとうウサビッチ。
しかしこれに関してはちょっと覗きたかっただけなので「窓」でけっこうです。ドアはけっこうです。本当にけっこうです、けっこうですってばイヤー!!

…という本でございました。(笑)

ロシア・マフィアにもどちらかというと情緒的で日本の東映ヤクザ映画に出てきそうな古風なタイプもいれば、はっきりビジネスマンタイプのクールな、言うなれば経済ヤクザもいる、けれども最近はやはり後者が多くなってきているということのようでした。
「ようでした」と言うのは残念ながらあまり達者な文章とは言えず、時系列が飛んで前後関係や論旨がはっきりしない部分があるように思うからです。わたくしの素養が足りない部分も大きいであろうし、けっして難しい言葉を使っているわけではないのですが、読んでいて少し疲れました。リズムの問題かなあ。できればロシア語とそのアルファベット翻字で表記してほしい語もありました。

ウサビッチのご縁で手に取った本なので、ウサビッチファンの方がおもしろいと思われるだろう部分を以下ピックアップいたしますね(笑)。

まず、ロシア・マフィアのボスにはランクがあるそうです。
レーニンやスターリンは暗黒街で「パハン(親分)」と呼ばれていたそうですが、1930年代半ば頃から「ヴォール・フ・ザコーネ(以下ヴォール)」と呼ばれる親分が台頭する。
アフトリチェート(権威者)と呼ばれるボスもいるが、こちらは「自称ボス」。
ヴォールになるには最低でも他のヴォール2人から推薦を受け、18箇条の条件を満たしていると認められたボスだけが選ばれる、ボスの中のボス、いわば大親分ということだそうです。
その18箇条というのは、「親兄弟と縁を切る」「妻子を持たない(愛人は可)」「正業にはつかない」「取り調べの際、他人の罪もかぶる」というストイック(?)なもの、「酒は飲んでも飲まれるな」「払えないような負けがこんだカード(賭事)をやるな」という父親の忠告かと思うようなものもあれば、「かけ出しの若い衆に任侠道をたたきこめ」「若頭や舎弟を持て」「親分総会に出ろ」というその筋の人どうしのおつきあい、「政治権力と関わり合いを持つな」「官憲から武器を奪うな、兵役につくな」という当局に対する筋目のつけかたなどなど。けっこうたいへんです(笑)。
ですから、ボスのランクとしては、もちろん(?)「ヴォール>>アフトリチェート」。

そしてヴォールは刑務所の中にいても自分のシマを中心にロシア全土に手を回すことができ、大金を稼ぎ、マフィアどうしの抗争を治め、けっこうお出入り自由だった面もあるようで、それ全然刑務所の意味ないですよ(笑)。刑務所内ではもちろん、牢名主状態でVIP待遇だったそうです。
旧ソ連内務省の調べによると、ヴォールの数は1988年に512人、1990年には660人だったが、ソ連崩壊後の1990年代に急増したそうです。いくら広大な国土の国とは言え、急増する以前からもう十分多いように思うのですが…。

また、著書の中の引用の孫引きになりますが以下のような描写も。
「ソ連のこうした社会に生息する囚人の中に三つの型があった。義侠的風格をもつ男を主体としたヴォールと呼ばれるグループ(一般的には単に泥棒と呼ばれているが、監獄やラーゲリでの”ヴォール”は一種の義侠的風格を持っていて、弱い者をいじめない)、つぎにスーカと呼ばれるグループだ。スーカとはさかりの付いた雌犬のことをいい、権力にこびへつらい、仲間を売り、ラーゲリでは遊んでいられる位置につき、権力者の手先となって一般囚人の労働の上にあぐらをかいていると、憎しみをもって見られている。つぎは徹底した残忍型だ。凶悪無類。あらゆる行為が悪ならざるはない、といわれた。彼らが悪事を働かないときといえば、それは寝ているときだ、とあるラーゲリ長が嘆息した」


あと、刑務所の1日のタイムテーブルも紹介されていました。
起床は6時、間に点呼や昼食をはさんで7時から15時まで労働の時間、あとは散歩して夕食を食べて自由時間、就寝は22時です。今時の日本の小学生よりずっと健康的な生活です。(プーチンが刑務所の生活に不満はないというのも、わからないでもないかもしれない(笑)。)
元民警の警官でマフィアに転職(?)して頭角をあらわした人もいたらしいとか、ウサビッチファンには本当にいろいろと楽しい本でした。(笑)



→以下ウサビッチネタです。
キレネンコは元マフィアのボスということですが、ヴォールかアフトリチェートかどちらなんでしょうね(笑)。
何でも手づかみでぱくぱく食べちゃうプーチンと違って、キレネンコはがっつかないでフォークとナイフを使って食事をしているし、読み書きはできるようだしで、生まれてから衣食住に困ったことはなく教育を受けているらしいというところから、どこかの組の二代目か三代目という印象を受けます。
だからといってヴォールかと問われると、うーーん。(笑)
シーズン1の面会の時間のとき、「誰かな誰かな?」とわくわくしていたプーチンと違って、面会に来てくれる人全然いなさそうだったので(笑)親兄弟も妻子もいない感じです。スニーカーとの間柄があんなにロマンティックな音楽で語られているところを見ると愛人がいるとも思えません(笑)。正業にはもちろん就いてないでしょうし、酒どころか毒ガスにも猛毒原液にも飲まれないし、カードで負けたこともなさそうです。
官憲を敵に回していることはもう間違いないですが(笑)、あっさり軍事機密(ミグのエンジン)をパクりましたからねえ…。あ、これで軍部も敵に回したからいいのか(笑)。(けど軍部を敵に回したら兵器の横流しを組の収入源にできませんぜ、ボス(笑)。そんなことをするやつはスーカですか。すんませんボス。)
でも、シーズン3を見ていると、その筋の人どうしのつきあいをうまくやってきたとはとても思えないしですね…(笑)。
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by n_umigame | 2009-04-11 21:56 | | Trackback | Comments(0)

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