*さいはての西*

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『ミステリー映画を楽しむために 上―その歴史と代表作を学ぼう』 北島明弘著(SCREEN新書) 近代映画社

映画のなかでも大きなジャンルとして認められているミステリー映画。その歴史を映画の創成期にまでさかのぼり、以降サイレント、トーキーを経て現代まで、原作小説、監督、主演者、そしてトレンドを含めた流れを踏まえて詳しく教えてくれる、絶好の解説書です。上巻は創成期から1950年代までの作品を追って行きます。(Amazon.jp)


映画関係のコラムなどを書いてらっしゃるライターの方って、文章の上手い下手が「特上」か「中の下」で、真ん中平均点という人が少ないなあ…と思います。

それはさておき、ちょっと期待していたものと違いました。

もう少し主観的な内容なのかと思っていたら、作品名や制作年、スタッフやキャストについての羅列と、あいまあいまにはさまれるモノクロ写真の本でした。

映画の黎明期から1950年代までのミステリー映画作品を時系列で俯瞰できるのはたいへんありがたいのですが、だったら文章にしないで、いっそ、表にして、せめてその表に星の数ででもこの著者の方の寸評を載せていただいた方が、読者としては役にたったし、おもしろかったのではないかなあと思いました。

サブタイトルに「学ぼう」とあるので、「歴史の教科書」みたいな無味乾燥な方向を目指したのかもしれませんが、読んでいてわくわくしたり感想を楽しんだりする本ではないため、「これを読んで未見の作品を全部網羅するぜ!」という方以外には読み物として特におもしろい本ですとは言い難いです。

また、「ミステリー」という定義もむずかしいですよね。
何をどこまでミステリーと言うのか。
個人的にフィルム・ノワールはミステリーなのかな…と思いました。
逆に、「謎が提示され、それが解ける」というプロットを「ミステリー」としてくくるなら、この本に掲載されているような本数ではきかない気もしますし…。

ミステリー好きの方、映画好きの方のレファレンスブック(参考書誌)としてお手元に1冊あってもいいかもしれません、という本でした。
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by n_umigame | 2009-06-16 23:13 | | Trackback | Comments(0)
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