*さいはての西*

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『名探偵モンク』 小説版、2冊

『名探偵モンク モンク、消防署に行く』 リー・ゴールドバーグ著/高橋知子訳(ソフトバンク文庫)ソフトバンククリエイティブ
人気TVドラマの小説版、初登場!
サンフランシスコ警察の元刑事エイドリアン・モンク。妄想、強迫観念に捉われ、休職を余儀なくされても捜査の腕は超一流。消防署で発見された犬の死体、同じ晩に起きた殺人。あらゆる妄想と闘いながら、モンクはふたつの謎を見事な推理で解き明かします。(Amazon.jp)


ドラマのノベライズなんて内容が薄くてつまんないに決まってる、と、出てしばらく手を着けなかったのですが、最近あたりをつけた本が次々とはずれたので、試しに自分のカンをはずすものを読んでみました。

ドラマのキャラクターそのままですので、読んでいてすっと作品世界に入っていけるのと、ドラマのイメージをまったく壊さず、ミステリに仕上がっている良品でした。
著者がドラマの脚本も手がけている方であるという部分も大きいかも。

とは言え、やはり最初から小説で書かれた作品のような濃さや緻密さはなく、読みやすいけれどもミステリや本を読みつけている人にとっては、どうしても薄味であることは否めません。

ドラマのファンとして読みどころがあるとすれば、謎解きの部分よりは、キャラクターの小ネタが披露されるところでしょうか。
この巻は、モンクがバーンズ・アンド・ノーブルのメンバーズカードを持っている、というところ。
いつも1割引で本が買える書店のカードなんて、日本にはないですよね。 うらやましーい!!
(2000円の本を3冊買ったら、安めの文庫が1冊買えるだけ浮くんですよー!!)


『名探偵モンク モンクと警官ストライキ 』 リー・ゴールドバーグ著/高橋知子訳(ソフトバンク文庫)ソフトバンククリエイティブ

人気TVドラマのオリジナル小説第2弾
連続絞殺事件に震撼するサンフランシスコで、大規模警官ストが発生。困りはてた市長は、元刑事のモンクに復職して捜査の指揮をとるよう依頼するが……孤立無援のなか、モンクが殺人犯と無秩序な警察と闘うシリーズ第2弾。(Amazon.jp)


ニューヨークではFDNY(消防)の消防士たちはNew York's bravest、NYPD(警察)の警察官たちはNew York's finestと呼ばれているそうですが、元警官を主人公にしているドラマなせいか、基本的にこのドラマも、消防士や警察官は「善きもの」という原則と理想どおりに描かれています。

で、小説第2弾は、警官ストライキのお話。
第1弾よりはおもしろかったかも。
ですが、プロットがどうというよりは、好みの問題のような気もしますが。

警察官は法律でストライキが禁じられているので、SFPDの警官たちは「一斉にインフルエンザにかかった」ことにしてストライキに突入します。
もちろん、ストットルマイヤー警部やディッシャーたちも。

困り果てた市長はモンクを警官(なんと、ストットルマイヤーの代打の警部の階級で!)に復帰させ、問題を起こして警官を続けていくことができなくなった問題児ばかり3人を、モンクの部下としてやはり復帰させます。

警官に復帰できたモンクはもちろん、うれしくてたまらないのですが、ストットルマイヤー始め警官たちは、スト破りのモンクに対して怒りを隠しません。
まだ仲間だと思っているから、モンクに裏切られたと思うのでしょうね。
とんでもない問題児を部下にかかえて、殺人事件を解決しなければならなくなったモンクは困り果て、ストットルマイヤーに相談を持ちかけるのですが、
「おれの人生で何よりも大切なのは女房と仕事だ。おれはそのどちらも失ったんだよ。それがどういうことか、おまえなら痛いほどわかると思うが」
と、モンクにとって「平手打ちを食らった」ような厳しいことを言われてしまいます。

とかなんとか言いつつもストットルマイヤーはモンクに貴重な助言をしてくれます。(小説でも警部はいい人です!)

ストットルマイヤー警部は、(ドラマでも原語ではそうだと思いますがディッシャーを「ランディ」と愛称で呼んでいます)ランディ・ディッシャーのことを、モンクが、仕事熱心で勤勉だと思いこそすれ刑事として尊敬していない、と言います。
モンクは口では「そんなこと一度も言ったことありません」と否定しますが、心の中ではそう思っているだろうし、またこの小説はナタリーの一人称で語られるのですが、ナタリーも実は彼が警部補になれたのに首をかしげる、とうち明けます。(ついで言うとわたしもそうでした。すまん、ディッシャー。)
ですが警部はこう言います。

「ランディは思いやりがあって人好きがする。威圧的でもないし、礼儀もわきまえている。人は自然とランディに心を許す。たとえガードを固めておくべやつでもな」
「それがランディの生まれもった才能だよ」と言う警部に、ナタリーは彼は事件を解決したことがあるのか?と聞きます。(ナタリー、さらっと、ひでえ…)
警部は、「ないとしたら、おれがランディをそばにおいて右腕にすると思うか? あいつの事件解決率や有罪判決を勝ち取った確率はみごとなもんだ」
「知らなかったわ」
「知るはずがない。きみは警官じゃないんだから」と警部は続け、ディッシャーの解決した事件は世間の注目を集めたり、派手さはないけれども、確実に事件を解決に持ち込んでいる、と説明します。
そして、モンクに、「部下ひとりひとりの才能に合わせて事件をまかせてる」と助言して、適材適所人を使えない人間に管理職はつとまらないことを、諭します。

こういう部分はドラマでは見られないですね。

ドラマでもお馴染みのユーモアはどちらの作品にも健在で、笑えますし、謎解きの部分はいちおうしっかりしていますので、軽いミステリーを読みたいときにはオススメです。


*追記*
blue flu って何だろうと思っていたら、警官や消防士などの仮病ストのことだそうです。
fluはインフルエンザ、はわかりますが、blueはやはり、警官や消防士の制服の色からでしょうか。
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by n_umigame | 2009-07-02 22:35 | ミステリ | Trackback | Comments(0)
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