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『CSI:ニューヨーク 死の冬』 スチュアート・カミンスキー著/鎌田 三平訳(角川文庫) 角川書店

マンハッタンの高級マンションのエレベーターの中で、中年男性の射殺体が見つかった。CSI主任マック・テイラーとエイデン・バーンが捜査にあたるが、銃弾もDNAを示す手掛かりも見つからない。数ブロック離れたホテルでは、警察官らの保護下にあった証人が殺害された。被害者は鍵の掛かったホテルの一室でその夜を過ごし、翌朝死体で発見されたという。NY市警CSIチームはこの2つの難事件を解決できるのか。(Amazon.jp)



ドラマ『CSI:NY』の小説版。
カミンスキーの手によるものなので、そこそこ期待して読みました。
ドラマの小説版にしてはしっかりしていて、推理小説としてもそこそこ楽しめる構造になっていました。
でもやっぱりドラマ向けかな、という印象は最後まで拭えませんでしたが、逆に言えば、視覚に訴えててくるように意識的に描かれているので、わかりやすいということでもあります。

ドラマの方は残念ながら全シリーズ未見なのですが、『NY』シリーズの主要キャラクター、マック・テイラーはゲイリー・シニーズが演じているのですよね。
なんかこー、ゲイリー・シニーズが警官の役、と聞くと、「ああ、カネに汚い悪徳警官ね?」と思ってしまうのはいけませんね(笑)。宇宙に行くんだよ、と聞くと「ああ、今度はふつうにいいやつの役なんだね」と思ってしまうのですが(笑)。

また、「科学捜査班」という邦題から近未来の警察ドラマなのかと思っていた時期があったのですが、そうではなく、つまりは鑑識班のことなんですね。
鑑識の警察官って捜査権、逮捕権あるの? 裁判所の令状を取ってくるのは殺人課の刑事の仕事じゃないの? とこの作品を読んでいて思ったのですが、実際にはやはり捜査・逮捕権などはないようで、Wikipediaのドラマのページにも
「また、現実の犯罪捜査で鑑識班が捜査班として、尋問や逮捕あるいは捜査などの刑事の仕事をすることは有り得ない。このようなことをすれば、鑑識の科学的中立性が疑われるからである。」
とありました。
そりゃそうですよね。

ドラマもそうなのかもしれませんが、この作品もいわゆるモジュラー型で、同時に二つ以上の事件が発生し、それが最終的には意外な関係があったことがわかり…というような展開です。
今時のドラマですからプロットも複雑なのでしょうが、小説だともっと複雑にできたはずなのですが、ドラマの小説版なのでこれでせいいっぱいという感じでしょうか。

バスルームの方の殺人は、申し訳ないですが、ミステリとしてけっこう使い古された手だと思います。
すぐ犯人がわかってしまいました。(最初は動機が不明でしたが)
消去法で行ったら、現実でも真っ先に疑われるのでは?
でもドラマで見ると、これは演出しだいでだまされそうですね。
目から入ってくる情報は非常にダイレクトで大きいので、字を追うように冷静に客観的になれるかどうか。

そんな意味でもやはりドラマ向きのお話だと思いました。
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by n_umigame | 2009-07-13 20:29 | ミステリ | Trackback | Comments(0)
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