カテゴリ:*ellery queen*( 114 )

E.クイーンのジュブナイル『見習い探偵ジュナの冒険』カヴァーイラスト、アップ!

d0075857_10554384.jpg
見習い探偵ジュナの冒険
幽霊屋敷と消えたオウム
エラリー・クイーン/作 マツリ/絵 中村佐千江/訳
ISBN 978-4-04-631588-5-C8297
定価(税込):734円
名探偵エラリー・クイーンの助手ジュナは、幽霊屋敷の調査を始めるが、女の子がいたり、オウムが消えたりと不可解な現象が続く。同じころ町で起こったにせ札事件も気になっていたが──!?
(画像・内容紹介とも、角川つばさ文庫公式サイトより)

誰、このイケメン。


というわけで、こちらの記事でもご紹介しましたように、クイーンが「エラリイ・クイーンJr」名義(貸し)で書いたジュブナイル、「ジュナの冒険シリーズ」が、角川つばさ文庫から刊行です。
同シリーズのほかの作品も出るのかどうかは、見ている限り、現時点では不明ですが、できれば全部出て欲しいですね。早川書房から出ていたものが今手に入りませんし。

いわゆる国名シリーズに登場しているジューナとは別のキャラクターですが、角川文庫から新訳で出た表紙がアレだし、角川さんだし(2回)、表紙、どうなる こと かしら…と そわそわ ドキドキしながら待っておりましたけれども、わりとおとなしいですね?(どうなってほしかったのか)

ジュナの冒険シリーズに出てくジューナって、昔のジュブナイルということもあって、いかにも当時の大人受けしそうな、折り目正しい、適度な冒険をする男の子、という感じなのですけれど、今回の表紙は、ええ感じにいちびり、じゃなくて、どちらかというと国名シリーズの頃のエラリイが子ども時代ってこんな感じ? っていう、小学生のとき下手したらいじめられませんでした? じゃなくて、やんちゃそうでいいですね。
(エラリイの青春時代は暗かったそうですけど、そらあんた国名シリーズのとき20代でもあのいちびりっぷりで、中2(物理)の頃どんなんだったか想像しただけでもう)

自分も小学校3~4年生のときには大人の文庫本読んでましたので、今でも早い子なら、一足飛びに大人の文庫本に手を出すと思いますが、まだまだそれは、という子どもたちにも、これをきっかけに 沼に クイーンを読む読者が一人でも増えてほしいですね。
クイーンのイベントやら拝見していると、そして人のことは言えませんが、失礼ながら、やはり読者やファンが高齢化してきているようですので、ここらでいっちょ、若さはじける読者層にも広がっていってほしいと思います。
あの国名シリーズのときのエラリイって、子どものころや、せいぜい中学生くらいまでにクイーンを読んだ人には「かっこいい」と見えたり、少なくともあんまりアレコレ気にならないようですので、若さゆえに何かが見えない状態での読書も、ある意味大事だと思います。
のめりこめる深さも全然違いますしね。








[PR]
by n_umigame | 2016-07-26 23:08 | *ellery queen* | Trackback | Comments(0)

エラリイ・クイーンのコミックス、もういっちょです


しばらくほんとうに鳴かず飛ばずだったエラリイ・クイーンのネタを続けてお届けできてうれしいです。

まだありました、アメコミのクイーン。
近年、ちょこちょこと復刊されていたのですね。ビバ、電子書籍。

(Amazon.jpのページに飛びます。以下、表紙画像もアマゾンより)

タイトルが鬼長いですが、これはいわゆるダイム・ノベルならぬダイム・コミック本、パルプ・フィクションですね。(ほんとに10セントなんだ)
いかにも読んだら頭悪くなれそうです。表紙もそんな感じです。楽しいなあ。

d0075857_19060295.png
1冊目が、金髪巨乳美女が危機一髪のところへエラリイが間一髪で飛び込んでくる表紙、
2冊目が、金髪巨乳美女が危機一髪のところへエラリイが間一髪で飛び込んでくる表紙です。

ちなみに、エラリイ・クイーンものは全部で4本収録されていますが、表紙の金髪巨乳美女出てきません。
むしろ危機一髪の目に遭ってるのエラリイです。エラリイ、安定のヒロインです。
さすがパルプ・フィクション。この看板に偽りあり度と言ったら。

ただし、電子書籍のおかげで、画質が悪くて、特に自分の持っているKindle Paperwhiteだと解像度が低くて、読みにくいったらありゃしませんよ。モノクロなのがさらにそれに拍車をかけていて、スマホのKindleアプリでカラーで拡大して読んでみたりしていたのですが、あまりの読みにくさにそれも挫折しました。

d0075857_19062685.jpg

d0075857_19063168.jpg
とても読みづらい。

Kindleは、マンガを読むつもりで購入したわけではなかったので、やっぱりとても向いていないと思います。(特に日本のコミックスでアナログで描かれたものは、見開きの効果を意識したページだったりするので、Kindleだと台無しになってしまいますしね)
できればもう少し大きめのタブレットで、フルカラーでご覧になることをオススメします。

原本が2冊だったものを合冊された形式のものを購入したのですが、単行本のものもありました。

とりあえずざっと読んだところだけご紹介すると、次のような感じです。
ちょっとネタバレになるかもしれませんので、お気になさる方はここで回れ右でお願いいたします。


○原本1冊目収録分
"Ellery Queen in The Corpse That Killed!"
墓場で幽霊が男性を絞め殺そうとしている現場で、それを実況しているクイーン警視とエラリイ。止めろ。てか幽霊見えるんですか霊感強いですね。そしてどうしても最後にうまいこと言いたいんですね。

"Ellery Queen in The Chain-Letter Murders"
温厚そうな老婦人がとある政治家の事務所にやってきて、彼の頭を銃でふっとばして殺害。老婦人は自分も死ぬ前に謎の言葉を残し、次に起きたホテルでの殺人事件でも犯人は同じ謎の言葉を…。というお話。クイーンだいすきダイイングメッセージ。けどこれどこまでクイーン噛んでたんでしょうか。
こんな昔からチェーンレターってあったんですねえ。あとエラリイの小芝居、よく成功したなこれ。どういうシチュエーションだよ。

○原本2冊目収録分
"Ellery Queen in The Death Parade"
未読なんですが、最初のコマが撃たれてゴム棒みたいなので殴られてブランコ?を頭に投げつけられてるエラリイ。これ死ぬでしょふつう。

"Ellery Queen in A Killer's Revenge"
未読なんですが、最初のコマが大木?にロープでぐるっぐる巻きにされてるエラリイ。んもう、ヒロインなんだから。



d0075857_19062175.png
左:クイーンパパ、右:エラリイ。
二人ともスーツの趣味を何とかしてください。クイーンパパはとても着こなしが良いおしゃれさんのはずだったのに……。
でも父子が似てるように描かれているところはうれしいです。

そんなかんじで楽しいですし、今、Kindleなら370円ですよ。




[PR]
by n_umigame | 2016-07-04 00:17 | *ellery queen* | Trackback | Comments(0)

角川つばさ文庫より、エラリイ・クイーンのジュヴナイル刊行(開始?)!


Twitterで知った情報ですが、エラリイ・クイーンのジュヴナイルシリーズ、「ジュナの冒険」が、角川つばさ文庫から刊行されるようです!
びっくり&狂喜乱舞。

タイトルは『見習い探偵ジュナの冒険 幽霊屋敷と消えたオウム』、翻訳は『ガフールの勇者たち』シリーズなどの中村佐千江さん。
刊行予定日は、2016年8月16日となっています。

とりあえずAmazonでは予約が始まっていましたので、音速でポチってまいりました。
名探偵エラリー・クイーンの助手ジュナは、幽霊屋敷の調査を始めるが、屋敷は1日おきに空き家になったり、オウムが消えたりと不可解な現象が続く。同じころ町で起こったにせ札事件も気になっていたが──!?(Amazon.jp)



この「ジュナの冒険」シリーズは、日本で刊行された文庫本は全8巻でした。単行本になっていない『紫の鳥の秘密』が「ミステリ・マガジン」で邦訳掲載されたことで、いちおう全9作品が邦訳が出たことになっています。

私物。
d0075857_18184425.jpg
d0075857_18183998.jpg
(今気がついたんですけれど、「ミステリ・マガジン」で連載されたとき上・中・下編の3部構成だったようで、下編どこいった?)

の、はずだったのですが、これは新しい作品が発見されたということなのでしょうか。
それとも、原題をまったく無視して中身からつけたタイトルなのでしょうか。
このシリーズ、全巻揃えたくせにいまだに未読のものがありまして、内容が全部わからないのです。申し訳ない。(『緑色の亀の秘密』辺りの新訳くさいですが)


このシリーズは翻訳者がとても豪華でしたが、作品(原著)そのものは、エラリイ・クイーンが、作家としての不調期に、ゴーストライターに「エラリイ・クイーンJr.」名義で書いてもらったものだったそうです。
クイーンの国名シリーズの頃に登場した「ジューナ」という名前の少年(と言っても19歳)のスピンオフなどではなく、かと言ってジューナの過去のお話というわけでもなく、まったく別のお話です。探偵エラリイも登場しません。
「アニー・エラリイおばさん」と暮らしているのですが、クイーン家と関係があるわけでもないです。いちおう世界は共有しているのかなと思わせる部分がないでもないですが、別の物語世界のお話とわりきった方が、それを期待して読む人にはいいかもしれません。

なので、上のAmazonの内容紹介は、だいじょうぶかいなと(笑)。
もしかしたら、この紹介の仕方では、小林少年のような活躍をジューナがするお話を期待される方もあるのではないかと思いますが、違いますよと。
JAROに訴えられないようにしてください(古)。

「ジュナの冒険」シリーズについては、こちらのサイト様で必要最低限の情報を概観できます。とても見やすいページになっていますので、このシリーズに興味のある方はどうぞ。





[PR]
by n_umigame | 2016-07-04 00:04 | *ellery queen* | Trackback | Comments(0)

<小ネタ>こんなところにエラリイ・クイーンが


『Comic S 早川書房創立70周年記念コミックアンソロジー』というコミックスが、今年の初めに出まして。

d0075857_22502801.jpg

早川書房らしく「SF篇」と「ミステリ篇」が出ていまして、こちらは「SF篇」になります。
「ミステリ篇」は坂田靖子さんにつられて、「SF篇」は題材につられて買ってはみたものの、感想はおおむねAmazonに掲載されている皆さまの感想と変わるところがありませんでした。(版元が版元なので、もう少し面白くできたんじゃないかと思うのですけれどもね…読者の期待もそれなりにあるでしょうし。いっそ、最近のイマドキ狙いのジャケットに合わせて、若手の漫画家さんや、これはと思われる新人さんで揃えても良かったんじゃないかなとか…って最近、ハヤカワさんの本はほぼノンフィクションしか買ってないのですが)
まあいいや、横山えいじさんのマンガ、好きだから。(何そのなぐさめ方)

そんなこんなでアンソロジー・コミックスとしては感想がこれといって出てこなかったのですが、あらま。という箇所を見つけまして。

ふくやまけいこさんの作品に、エラリイ・クイーンの本(原書名で)が並んでいて、ここでちょっとだけテンション上がったので(笑)、ご紹介させていただいておきます。

じゃん

d0075857_22503468.jpg
しかもけっこうマニアックなのが並んでいる。
クイーンでない本も並んでいますが。


…いや、だからどうしたと言われても困るのですけれどもね。

マンガを読んでてこんなところでひっかかる自分が気持ち悪いです(笑)。
ふくやまけいこさんはクイーン・ファンでいらっしゃるのですね、きっと。いや間違いなく。



[PR]
by n_umigame | 2016-05-26 00:13 | *ellery queen* | Trackback | Comments(0)

エラリイ・クイーンのコミックス & 奥さまによるフレデリック・ダネイさん伝記


昨今のハリウッドでのリブートやらリメイクブームに乗っかって、エラリイ・クイーンも再ドラマ化しないかなー何なら映画化でもええんやで…? と、ひっそり前のめりに日々を送っておりますにせうみがめです同じ思いをしていらっしゃる皆さまごきげんよう。


今回は、フレデリック・ダネイさんの奥さまによる伝記らしき本を発見したので、合わせて、先日出たクイーンのコミックスと合わせてご紹介いたします。

と言っても、どちらも全然手つかずで、伝記の方に至ってはほんとにチラ見した程度ですので、「こんなんありましたぜ」以上のご紹介はできませんが。また読み終わったら記事にできればと思います。
と言うか「ほわー! こんな本出とる!(歓喜の踊り)」以上のところに自分が行ってませんので、そんな感じでご覧いただければと。(そんな時点で記事にすんなレベル)

d0075857_21344052.jpg


1冊目はこちらです。
(リンクは日本Amazonへ飛びます↑)

d0075857_21295874.jpg
書影画像はAmazon.jpより。


ファンの間では垂涎(笑)(笑うな)のレア・アイテム(笑)(だから笑うな)だった、コミックス版のエラリイ・クイーンです。今で言うところのグラフィック・ノヴェルですね。

d0075857_21341403.jpg

ご覧いただければおわかりいただけるように、エラリイが古式ゆかしいアメコミデザインで、初めて見たとき思いましたね。

クラーク・ケント?

でもこういうレトロな絵柄、だいすきです。

毎回毎回無駄に美女がからんで荒唐無稽な大冒険になるのだけれども、いちおうエラリイが推理して事件は解決するという内容のようで、なんとなんと、「読者への挑戦」があるんですよ生意気な。

▼読者への挑戦
d0075857_21320402.jpg

もちろん、クイーン警視もヴェリー部長刑事も登場しますよ。

▼身も蓋もないことを言うクイーン警視。
d0075857_21322335.jpg

「エラリイ、時間を無駄にするな、犯人の名前を言え」

クイーン・パパ、それを言ったらたいていの本格ミステリの名探偵の見せ場なくなりますから。でもすごい気持ちよくわかる。わかるよ。
d0075857_21481853.jpg

クイーン警視も眼鏡男子。
父子が似てるように描かれているところが、いいねいいね!!!

雰囲気としては、1970年代のドラマ『エラリー・クイーン』に似ているかもしれません。最初のファラオの呪い的なお話とか、ドラマにもありましたし。

おおう、なんと、本国US Amazonの方でもすでに絶版に…(泣)。

今回の本は、今まで単品で出版されたものが合冊で復刊・刊行されたもので、プレミア化していた初版のものより、もちろんお値段もお得になっておりましたので、再版がかかりましたらすかさずポチられることをオススメいたします。

▼これだけ入ってます。お買い得❤
d0075857_21380309.jpg
いろいろ言いましたけれど、ほんとうにレア・アイテム(笑)でしたので、よくぞ復刊してくれましたよ、デル。ありがとう、デル。
ほしいけどそのお値段ではちょっと…というようなレアっぷりでしたからね。
にも関わらず、光の速さで品切れ・絶版になるところを見ると、そうとう部数しぼりおったなって感じで、どう「レア」だったか察するに余りあるかと思われますが、とにかくありがとう、ありがとう、デル。



2冊目は、こちら。
d0075857_21392219.jpg
書影画像はAmazon.jpより。


こちらは、エラリイ・クイーンの片割れであるフレデリック・ダネイさんの3番目の(そして最後の)奥さま、Rose Koppel Dannayさんによるダネイさんの伝記のようです。
目次によると、来日されたときのことについても触れられています。2度来日されていたようですが、2度ともについて記述があります。

フランシス・M・ネヴィンズによる序文もついています。ざっと斜め読みした限りでは、この序文はエラリイ・クイーンの作家としての活動の紹介がメインで、デビューに至る履歴や作品の紹介がほとんどを占めているようです。ラジオドラマやTVドラマについても触れられています。めっちゃ長い序文(笑)なので、クイーンについてひととおり知っている人は、この序文はすっ飛ばしてもいいんじゃないかと思います。細かく読み込んでいないので、もしかしたら小っさ~い新ネタも仕込んできているのかもしれませんが、ぱっと見わかりません。

表紙のラブラブ(死語)のお写真が、『クイーン警視自身の事件』でのクイーンパパとジェシイを思い起こすような、素敵なお写真ですよね~❤❤❤
なんやったら、ハリウッドは、これを映画化してもええんやで…ええんやで…。
d0075857_21474770.jpg

こちらは今、Kindle Fireを持っている方(でプレミア会員の方)は無料で読めるコンテンツなので、お持ちの方は取り急ぎダウンロードしておくのはいかがでしょうか。

こちらのブログにこの本の紹介がありました。

■SleuthSayers


今さらにご紹介いたしますと、エラリイ・クイーンとは、フレデリック・ダネイとマンフレッド・リーという、NY出身の二人の従兄弟同士のデュオ作家の筆名です。(そして二人が生み出した探偵の名前でもあります。後々、作家名=探偵名スタイルをまねっこする人もけっこういて、「まぎらわしいんじゃあ!」とキレているミステリファン多し(笑)。感想書くとき、ほんとそうなんですよね。)
その片割れのリーの方が先に亡くなりました。
こちらのブログによれば、リーさんが亡くなったあとのダネイさんの人生を埋めるように、ローズさんがやってきたようですね。
こちらも読み終わったら、また記事にしたいと思います。


ネヴィンズさんと言いますと、今年(2016年)は、国書刊行会から"Ellery Queen: The Art of Detection"の新訳が刊行される予定だそうです。

旧訳の増補改訂版で、エラリー・クイーン・ファンクラブ会長の飯城勇三さんの訳とのことですので、さぞかし暑い一冊になるかと思います。
日本ではどうしてもクイーン関連というと、こういった「研究書デス!」「評論デス!」といったマニアックで硬い雰囲気のものが多くて、末席を汚させていただいているEQFCの会誌『QUEENDOM』でもそんな感じです。それはそれであって欲しいのですが、マンガや、少し柔らかいものになると受け入れてもらえないとまではいかないまでも、軽く見られる雰囲気がいまだにあるように感じます。
それが理由で海外でもさっぱり映像化に恵まれないのでしょうかね~。だったとしたら残念ですね。




[PR]
by n_umigame | 2016-03-23 22:01 | *ellery queen* | Trackback | Comments(0)

「越前敏弥さんトークイベント エラリー・クイーン翻訳秘話」レポ

7月25日(土)に紀伊國屋書店グランフロント大阪店の主催で行われたイベントに伺ってまいりました。
越前敏弥氏のトークイベントに参加するのはこれが2回目。前回の感想はこんな感じでした。


今回もまた前回みたいな感じなのかなあと一抹の不安を覚えたものの、もういいや、だってお題がエラリイ・クイーンなんだもん。それ以上の理由はいらないよ? と飛び込んでまいりました、以下、レポ&感想です。

首都圏でも秋以降に同様のイベントが開催予定とのことで、今から参加予定の方にはいわゆる「ネタバレ」になるかもしれません。念のためもぐっておきますね。

越前先生のブログでもご案内があります。
『中途の家』刊行/「国名シリーズ プラスワン」完結

https://twitter.com/t_echizen/status/624956642153463810
当日は有栖川有栖先生もいらっしゃった模様です。ぜんっぜん気づきませんでした…。



ご了解済みの方は「more」からどうぞ。










More
[PR]
by n_umigame | 2015-07-29 21:22 | *ellery queen* | Trackback | Comments(0)

『九尾の猫』新訳版、刊行日決定



九尾の猫〔新訳版〕

巨匠の異色作が新訳で復活! 
次から次へと殺人を犯し、ニューヨークを震撼させた連続絞殺魔〈猫〉事件。すでに五人の犠牲者が出ているにもかかわらず、その正体は依然としてつかめずにいた。指紋も動機もなく、目撃者も容疑者もまったくいない。〈猫〉が風のように町を通りすぎた後に残るものはただ二つ――死体とその首に巻きついたタッサーシルクの紐だけだった。過去の呪縛に苦しみながらも、エラリイと〈猫〉の頭脳戦が展開される! 待望の新訳版 【解説/飯城勇三】
Hayakawa Onlineより)


 "Cat of Many Tails"の新訳の刊行日が決まっておりました。
 2015年8月21日とのこと。
 (Twitter上で6月という情報も見かけたのですが、8月21日で決定ということで)

 翻訳者は、角川の国名シリーズ新訳でもおなじみの、越前敏弥氏です。

 この『九尾の猫』は、わたくしがエラリイ・クイーンのファンになった、とてもとても思い入れのある作品です。旧訳は大庭忠男訳と村崎敏郎訳が出ていましたが、特に大庭忠男訳でいろいろもっていかれました。この大庭忠男訳の『九尾の猫』がなければ、わたくしはきっとクイーンのファンにはならなかったと思います。

 越前敏弥さんの訳は、国名シリーズでエラリイと父親のクイーン警視との関係をくつがえすような新しい解釈を入れて、胸がすくような思いをしておりました。複数いらっしゃった旧訳の翻訳者の中でも、ここだけはなぜか全員同じような訳をしていらっしゃったからです。「新訳」と言うからにはこうでなくっちゃと思ったものです。

 実は、上に引かせていただいた早川書房のあらすじからして、すでに新しい部分があります。
 被害者が絞殺されるときの凶器が、「タッサーシルク」の紐、と、一歩踏み込んだ表現に変わっています。

 新訳の、父子関係の雰囲気ががらりと変わってしまうような解釈は、もちろん「どうしてもなじめない」という古参のファンの方もお見かけしました。ですので、クイーン作品の中でいちばん思い入れのあるこの作品を新訳で読んだら、自分はどう感じるだろうというところも、楽しみにしているところです。

 少しだけ不安に感じていることもあります。
 自分も末席に加えていただいているエラリー・クイーン・ファンクラブ(EQFC)会長の飯城勇三氏が解説に入っておられるので、翻訳に際しても、今回も助言があったことだろうと思います。
 個人的に、クイーンをごりごりの推理小説として楽しんだことはほとんどない不良会員の自分としては、トリックだとかそういったミステリーのお約束ごとは、正直なところ些末な部分です。逆に、いくら驚天動地のすばらしい発想のトリックであっても、そこに描かれるキャラクターが人間として共感できなさすぎたり、単純に小説としてつまらないと、評価は下がります。ですので、率直に申し上げると、そこにこだわってエンタテインメント小説としての妙味が失われてしまうなら、マニアのツッコミは無用に願いたいという心配もなくはありません。
 なぜなら、この作品はやはり、謎解きが主眼の作品ではないと思うからです。(飯城勇三さんの解説は解説だけのために新訳を買ってもいいと思うほど充実したものなのですが、それは国名シリーズのときだったからということもあり。)

 モンスターペアレントならぬモンスターファンにならないように、心しておきたいと思います(笑)。

 「異色作」と紹介されていますが、わたくしはそうは思いません。
 エラリイ・クイーン=国名シリーズ、ということで、その物語の文法からはずれるから異色だというのであればわかります。
 ですが、クイーンは『クイーン警視自身の事件』でも、『九尾の猫』のモチーフを繰り返しています。クイーン自身が思い入れがなければ、あるいは『九尾の猫』で語り尽くしたと考えたら、モチーフを繰り返すことはしなかったのではないでしょうか。クイーンは1929年のデビューから1970年代までの長期に渡り、何とかして新しいエンタテインメントを生み出せないかと、試行錯誤と挑戦をし続けた作家でした。無駄に「焼き直し」で弾を撃つ作家ではないと思います。
 この、物語世界全体を覆う暗さ、母性の欠如、"父"との対決、和解、許し、再生、どれを取っても、クイーンの本質はここにあるのではないかと思っています。

 もし、これを機会に、今から『九尾の猫』を新訳版で初めて読もうと思っている方がありましたら、その前に『十日間の不思議』をお読みいただくことをおすすめいたします。個人的に『十日間の不思議』は、クイーン作品の中で再読するのが嫌な作品の五指に入っているのですが(笑)、これを読んでおくと『九尾の猫』がより深く味わえるのではないかと思われます。かく言う自分は先に『九尾の猫』を読んでもっていかれたので、関係ないと言えばないのですが(笑)。
[PR]
by n_umigame | 2015-07-10 23:48 | *ellery queen* | Trackback | Comments(0)

"The Egyptian Cross Mystery"(エジプト十字架の秘密/謎)コレクション

角川新訳版『エジプト十字架の秘密』が刊行されましたね。
まだ読んでいませんが、いつものごとくパラ読みしていて、これまでの訳と違うところがあったので、そこのご紹介と合わせてマイ・コレクションでございます。

…え。
『ギリシャ棺~』が飛んでませんかって。飛んでいますとも。
細かいことはお気になさらず、ここはスカッと飛ばしていいんじゃないでしょうかね。(よくない)(そのうちやります…)

d0075857_16272145.jpg


東京創元社版は、なぜ2冊あるのかですか?(再び)
右側の帯がついているものは「新版」です。
Twitterで「エラリイのとなりの人は誰だ?」というツイートをけっこう見かけたのですが、ヤードリー教授です。エラリイの大学時代の先生で、リーンカーン大統領似の醜男なんだそうです。クイーンを読んでいると「リーンカーン似の醜男」という表現が出てくるのですが、リーンカーン大統領って醜男ですかねえ…??

右上はハヤカワ版です。

東京創元社版の新旧の地図。地図があると親切ですよね。
d0075857_16332561.jpg


角川新訳版の地図。
d0075857_16334672.jpg



『エジプト十字架~』は猟奇的な殺人事件の発生や、エラリイが愛車デューセンバーグで長距離を疾走するというシチュエーションが日本でも人気があるためか、過去いろいろな版が出ていたようです。

中でも、昭和の小学生だった方にはきっとお馴染みの、右側のコレ。

d0075857_16274622.jpg


はい、あかね書房の「推理・探偵傑作シリーズ」です。
人物紹介と来たら、コレですよ。がーん(←効果音)。

d0075857_1628384.jpg


エラリイの熱血眉毛とか何とか、おっしゃりたいことがマグマのごとくのど元までこみ上げてくる女子も多いと思いますが、わたくしはそこはまあ、わりとどうでもよくて(おいおい)、むしろ、これが気になりました。
ヴォーン警視が詰め襟。
いかにも「オイコラ警官」て感じです。このヴォーン警視は薩摩藩出身だと言われても納得しますね。(しません)

ほかにも、クイーン警視(左)がずんぐりむっくりすぎるとか、
d0075857_16282213.jpg


どうして急に、挿絵が漫画(コマ割り、吹き出し付き)になるんだろうとか、
d0075857_16284051.jpg


ほかにも愉快な挿絵が満載で、ページをめくっているとツッコミ・マシーンとならざるをえない、とっても楽しい本です。
このシリーズはわたくしの通った小学校の図書室にもあったと記憶しています。この劇画タッチの絵が怖くて小学生のときは読みませんでした。
この本を買ったとき、小学生のときにクイーンを読んでいたら人生変わっていたかなあと考えたのですが、結局クイーンにたどり着いた現状を顧みるに、どの道を通っても自分はこの人生だったんだなって思いました…(遠い目)。

平成になってからの版を重ねていたんですね。
d0075857_1629068.jpg



左側は以前もご紹介した、少女漫画タッチのイラストがまぶしいポプラ社文庫版です。
表紙の左側、茶髪の気の弱そうな男性が、もしかしなくてもエラリイです。

この本はちゃんと「読者への挑戦」があるんですよ。
d0075857_16291755.jpg


ポケミス版。
1956年4月。青田勝氏訳なのでハヤカワ文庫版と内容は同じだと思われます。仮名遣いなどは改まっていますが。
d0075857_16294219.jpg


左:田中西二郎氏訳(新潮文庫)。1988年2月42刷。
右:石川年氏訳(角川文庫)。1978年8月16版。
d0075857_162958100.jpg


"The Egyptian Cross Mystery" A Signet Book from New American Libarry
c1932, 1960
めずらしく(笑)、ちゃんと内容と関係のあるカバーイラストです。
表紙に「Special 50th anniversary edition」とあります。
d0075857_16322679.jpg



訳文の比較については、長くなりましたので記事を改めます。
[PR]
by n_umigame | 2013-10-01 21:56 | *ellery queen* | Trackback | Comments(2)

角川文庫新訳版『エジプト十字架の秘密』カヴァー・イラスト、アップ!

角川文庫HPにてアップされておりました!

今回は!

なんと!

エラリイ + ヤードリー教授です!!

誰の趣味だ!!(いい笑顔で)

記憶にある限り、邦訳でヤードリー教授がカヴァーイラストを飾ったことはありませんでした。
Twitter上で「次、ヤードリー教授だったらいいけど誰宛の手紙だそれ」とかつぶやいておりましたら、冗談からコマ!!やばい!!ありがとうございます!!!(←)

発売予定は9月25日だそうです。
楽しみですね!

この後クイーンの新訳は1年くらいお休みになるそうですが、国名シリーズが全て新訳で刊行されることが決定したそうですし、まだまだお楽しみが続きそうでなによりです。

気の早い話ですが、次は『アメリカ銃~』ですね。
カヴァーイラストは、ヴェリーでお願いします!
[PR]
by n_umigame | 2013-08-31 22:07 | *ellery queen* | Trackback | Comments(2)

"The Dutch Shoe Mystery"(オランダ靴の秘密/謎)コレクション

角川新訳版『オランダ靴の秘密』、読み終わっております。
(最近全然感想をブログにアップできておらず、申し訳ありません。)


なんだかこんなに読みやすかったかなと思うくらい、さらっと読めてしまい、東京創元社版の新訳が出たときのように付箋を貼ってねちねち舐めるように読む、ということはやっておりませんが、それでも付箋貼っとるやないかい。
はい、それは、もう。えへへ。

d0075857_20463035.jpg


東京創元社版は、なぜ2冊あるのかですか?
右側の帯がついているものは「新版」です。
細かくは読み比べていないのですが、字が大きくなったことと、巻末に法月綸太郎さんの解説がついているところがまずはっきり違うところです。

右上は『オランダ靴~』初読だったのでどうかと思うほど付箋でびらびらになっているハヤカワ版。
翻訳は、宇野利泰氏。

d0075857_21345753.jpg


左:ハヤカワポケットミステリ。翻訳は二宮佳景氏。1957年刊。
右:新潮文庫版。翻訳は蕗沢忠枝氏。1961年刊。

d0075857_21352382.jpg


左:Pocket Books版。奥付によると1943年初版ですが底本は1931年の初版のようです。
わたくしの持っている↑ものは、1958年の11th printing。
カヴァーイラストは相変わらずの「こんなシーンはありません」シリーズ(笑)です。
昔のアメリカのペーパーバックのこのチープな感じはいつ見ても笑えます。
右は以前ご紹介した、ジュブナイル版。ポプラ社文庫。翻訳というよりジュブナイル向けにリライトされている作品です。1990年刊。
巻末のシリーズ案内を見ていると、S.S.ヴァン・ダインやアイリッシュ、カーにバークリー、ミルンから『赤い館の秘密』を持ってくるなど、かなりな海外古典ミステリファンが、当時ポプラ社文庫編集部におられたのだなあと思います。もちろんクリスティーも入っています。

d0075857_2135391.jpg


ポプラ社文庫版目次より、オランダ病院前景。こうやってイラストにしてもらえるとイメージしやすいですね。

d0075857_21355452.jpg


同じくポプラ社文庫より、クイーン父子。
エラリイの髪は黒いのですが、表紙のイラストだとなぜか赤毛(茶色)なんですよね…。
ブルネットに薄い目の色(グレーとかブルーとか)の人に弱いので、「外国人=金髪碧眼」つーのはやめていただきたいです。いくら子ども向けの…いえ、むしろ子ども向けの本だからこそ。
あと、クイーン警視はもっと小さく描いてください。小さくて強いのが萌えなんで(黙れ)。

d0075857_2136739.jpg


Pocket Booksの小口。なぜラズベリーピンク色なのか。

d0075857_21362851.jpg


Pocket Booksより、オランダ病院見取り図。

『オランダ靴』はクイーン家がアイルランド系であることが臭わされる作品です。(はっきりわかるように書かれるのは『シャム双子』まで待たなければなりませんが。)
この時代でNY市警の警察官でアイルランド系というのは、確かにとても説得力があるのですが、それにしてはクイーン警視の部下に北欧系の人が多いのが謎なのです。
[PR]
by n_umigame | 2013-06-02 21:41 | *ellery queen* | Trackback | Comments(0)

Welcome. 本と好きなものがたり。


by n_umigame
プロフィールを見る
画像一覧