*さいはての西*

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カテゴリ:コミックス( 176 )

『はたらく細胞』1~4巻 清水茜著(シリウスKC)講談社

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(画像はAmazon.jpより)

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白血球、赤血球、血小板、マクロファージ、記憶細胞、キラーT細胞、NK細胞、B細胞、マスト細胞…etc.人間の細胞の数、およそ60兆個! 彼らは皆、体の中で休むことなく働いている! 体内に入ってきた細菌・ウィルス・異物には徹底抗戦! そこには細胞たちの知られざるドラマがあった!シリウス新人賞出身の清水茜が描く、細胞擬人化ファンタジー!
(公式サイトより・画像も)
■公式サイト(試し読みできます)→



4巻が出たので1巻から読み直していたら、しみじみハマり直しました。

ハマり直したのでネットで著者のインタビューを読んだりしました。

お若いのに(まだ22歳でいらっしゃるそうです)今どきめずらしくカラーもモノクロも全部アナログで描いてらっしゃると知り、Kindleで買ったのですが紙の本で買い直そうかとまで思っている始末です。アナログで描かれた原稿は見開きの効果などが電子書籍だと台無しになってしまうのですよね。あと書き込みが細かいので、Kindleだと文字がよく見えないところもありまして。
アナログの人のペンタッチって、やっぱり好きだなあいいなあと思いました。描き直しがきかないし、何というか、その漫画家さんの独特の色気みたいなものが伝わってくるように感じます。この漫画家さんも、ペンタッチがエロい。(絶賛してます)エロいぞ。(絶賛してますよ)

1巻から通しで読むと、3巻辺りからちょっとネタ的にも息切れぎみで、絵もやや描き込みが浅くなってきていて、このまま5巻に行くのはちょっと心配な面もなくはないですが、ずっとおもしろいです。
思わず爆笑してしまうところはやはり1~2巻に集中しているのですけれども。
「あーーーーーーーサッパリした」は何度読んでも笑ってしまいます。

著者の清水茜さんは、インタビュー記事などによると医療系がご専門だったわけではなく、元々高校生の妹さんが「生物」の授業がもっとわかりやすくておもしろいといいのに、と言ってアイデアを出されたところから始まったのだとか。それをマンガの専門学校の卒業制作(?)に出したところ、連載が決まったそうです。
読み切りバージョンでは話の展開上、白血球(好中球)さんが死んでしまうオチだったそうで(まあそうでしょうね…白血球の寿命は通常半日くらいだそうですし)、それを編集担当さんが、この白血球さんがいいのでメインキャラにしましょうと言ったので、メインになったそうです。
編集さん、GJ。
わたしもメインの白血球(好中球)U-1146さんが大好きですよ。仕事熱心すぎて回りからちょっと引かれてるけど、だがそこがいい。「1146」という番号は「良い白」との語呂合わせなのかな? クールで熱く、かっこいいですね。
免疫系ではキラーT細胞がまんま海兵隊で、それも笑いました。うん、軍隊似合う(笑)。

話の展開とか画面の見せ方が、かなり映画を見ている人なんじゃないかなと思わせるので、ハリウッド映画とギャグ漫画が好きな方には迷わずオススメいたします。

お若いのに『八甲田山』もお好きだそうで(わたしですらちゃんと見たことないよ)、4巻の「出血性ショック」回は、これ、そうかも…と思いました。寒いのがリアル(笑)。
…と笑っていますけれど、わたしこの「出血性ショック」回の赤血球ちゃんに不覚にも涙が出そうになりました。

特に医療の専門ではないということもあって(途中から医学監修がつくようになったようですが)、知識として間違っている部分もわりとあるようです。
素人目にも、うーん、これは一般の人に誤解を与えるような表現なので、もう少しこうだったらよかったのになと思う回もありました。
ですが、もしこれを読んで、笑って、人体や生物に興味を持つ小中学生がいたら、それで結果オーライなんじゃないかと思います。マンガに描かれていることを鵜呑みに信じる人はすでに科学者ではないですし、科学者にも向いていません。
理系の人材の前途が危ぶまれている日本で、マンガという日本らしいメディアがきっかけで、将来の有望な人材が育つきっかけになれば、それはもう大手柄なんじゃないでしょうか。こまけーことをぐちぐちと文句を言う前に、一歩踏み出すきっかけを作ってくれていると考えれば、功罪を考えれば「功」の方が大きければ、それでいいと思います。
と言っている自分はもう自他とも認める右脳派ですけれども。すまん。


しかし、改めて、自分の体を大事にしてあげようと思いました(笑)。
24時間365日休むことなく働いたり戦ってくれているのですものね。
赤血球ちゃんと好中球さんについ思い入れが強くなってしまうのは、ここ2年でもともとあった貧血が悪化していろいろと自分でも調べたりしたことと、治療の影響で好中球が健康な人の3分の1から9分の1以下になってしまった時期があり、体内で起きていることを考えるとほんとにやばかったんだなと、個人的な体験も通して思うことでありました。
これ、病院の待合室に置くといいですよ、ほんと(笑)。

しかし、4巻ではとうとう頭部に大けがをしてしまったこの細胞たちの世界=体の持ち主である人は、いったいふだんどういう生活を送っている人なんでしょうね(笑)。だいじにしてください。

5巻も楽しみです。
楽しみすぎて本誌のサイトを見に行ったら、今連載を再開する準備中みたいです。
待ってますー!!







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by n_umigame | 2016-12-26 00:02 | コミックス | Trackback | Comments(0)

『ねこたん。』3 大橋つよし著(講談社コミックス マガジン)講談社

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(画像はAmazon.jpより)




「完」。

ってことで、終わってしまいましたあああああ(号泣)。

まさかこんなに早くに終わってしまうとは思っていなかったので、夏からねこたん。ロスでしばらく感想書けませんでしたよ。
大橋つよし先生の新作も数年ぶりで、それもとてもうれしかったので、数年ぶりの連載がこんなにあっけなく終わってしまうなんてえええええええ。(ノД`)おおおおおん。

はーーーー。

あとがきに「フタを開けてみたら少年誌の読者は青年と大人でした。」とあり、このあとがきが敗北宣言のようになっているのが、さらに悲しかったです。
担当者も4人も変わって、たった3巻でしたが途中いろいろと工夫というか迷走というかされているのが目に見えて、それもちょっと心配ではありました。

大橋先生ご自身は「子ども向けにマンガを描いてみたい」ということで、今回このお仕事を受けられたようなのですが、1巻目から「いや、先生、それ、きっと今の子どもさん、わからないです」というネタも満載でしたので(笑)、わかっててやってらっしゃっるのだなと思っていたのですけれどね。

わたくしは大橋先生の、こういう、4コママンガやマンガに対する真摯な姿勢が大好きです。

それだけに、とにかく残念なのですが、また大橋つよし先生の新作を心待ちにしております!




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by n_umigame | 2016-11-21 00:10 | コミックス | Trackback | Comments(0)

惣領冬実さんの「マリー・アントワネット」本・2冊

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『マリー・アントワネット』惣領冬実著(モーニングKCDX)講談社
史上初、ヴェルサイユ宮殿が衣装、建築、そして王宮儀礼のすべてを監修。壮麗なロココを紙上に再現した惣領冬実の最高傑作!はじまりはヴェルサイユ宮殿の離宮プチ・トリアノン。絢爛豪華な宮殿の喧噪を離れたその場所は、王妃が求めた家族の理想郷だった。21世紀に発表された衝撃の事実をもとに描かれる、全く新しいフランス王妃マリー・アントワネットと国王ルイ16世の物語。この漫画は、歴史に革命を起こす。
(Amazon.jpより・画像も)

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『マリー・アントワネットの嘘』惣領冬実,塚田有那著(講談社)
夫はチビでデブの気弱な国王、不能の夫に欲求不満でフェルセンと密通、「パンがなければ、お菓子を食べればいいじゃない」発言、離宮は王妃の淫らな社交場だった…etc.その歴史、ぜんぶ嘘でした。ヴェルサイユ宮殿、そしてマリー・アントワネット協会が監修した史上初の漫画企画『マリー・アントワネット』。その作者である惣領冬実が「真実のマリー・アントワネット」に出会うまでの製作秘話のすべてがこの一冊に。
(Amazon.jpより・画像も)





『マリー・アントワネット』はヴェルサイユ宮殿からの依頼を受けて描かれたマンガ、『~の嘘』(もうちょっと何とかならなかったのかな、このタイトル)は、マンガの方が描かれるに至った経緯と、惣領冬実さんがいかにこのマンガを制作されたかという苦労話・裏話がメインの本です。前の方に少しだけ(第一章のページにして50ページ弱分)歴史秘話的なテーマで描かれている部分があります。

どちらの本もおもしろかったです。
「ベルばら」の影響が根深い日本においては特に、この惣領冬実さんの『マリー・アントワネット』は、文字どおり画期的な作品だと思います。
残念なのは1巻で完結してしまっていることですが、なぜコミックス1巻分しか描かれなかったのかについては『~の嘘』を読むとわかるようになっています。
(なっていますが、やっぱりとても残念。いつかぜひ続きが読みたいです。『チェーザレ』の続刊見ないなと思っていたら、そういうことだったのか……。)

ルイ16世については、こちらの本(→)の感想でも当ブログで記事にしましたが、最近ではルイ16世とマリー・アントワネットの実像については再考証が進んでいて、かつての二人の姿は見直されてきているとのことです。
ですので、「ベルばら」で描かれたような、小太りでさえない愚鈍な王というルイ16世のイメージは、フランス革命当時、革命派が悪意をもって広めたゴシップなどから派生した歪んだ姿で、世が世なれば賢君として歴史に名を残したであろうということがわかってきています。
歴史はいつでも勝てば官軍ですから、勝者の声の方が大きく、自分たちにとって都合の悪いことは書き変えてしまいます。後世の人間はいつもそこに嘘がないかどうかを見極め、よくよく熟慮する必要があります。
タチが悪いのは、書き変えられた歴史が全部が全部嘘ではなく、そこに一部事実が混じっていることで、嘘がよりいっそう真実みを帯びて見えるということですね。


「ベルばら」はツヴァイクの伝記の影響が大きく、もちろんそこへ池田理代子さんの創作が加わっています。
好きでもないのに嫁がされた夫が愚かで男性的な魅力に乏しく、それでほかの男性と恋に落ちたが、その恋は悲恋に終わった、という展開は、少女漫画としては燃えるシチュエーションだと思いますが、史実から見ると、それはあまりにルイ16世に対して公正な見方でなかったばかりか、マリー・アントワネットに対しても失礼だったのではないですか、というのが、最近の見方になってきているようです。
これは以前からわかっていたことですが、フェルゼンは確かに一生独身を通しましたが、マリー・アントワネット以外にもヨーロッパ各地に何人も恋人がいて、股がいくつあるんだと思うような男性だったようです。フェルゼンはそんな感じで恋愛巧者ですから、マリー・アントワネットとの関係がそんなに純粋で単純なものだったかと考えると、かなり疑問です。二人ともいい大人ですし、正式な結婚以外に愛人をもつのが当たり前だった当時の宮廷や貴族の文化を考えても、そうだろうと思います。

そのために、必要以上に滑稽に描かれた「ベルばら」のルイ16世は、やはり気の毒だったと思います。人間は視覚から得る情報が大きいですから、「絵」で見せられてしまうとそれが強いイメージとしてすり込まれてしまうのですよね。
惣領冬実さんの描かれるルイ16世は、その分の揺り返しが来たみたいなデザインになっていて、『~の嘘』でもフランス側の担当の方に「ここまでルイ16世がハンサムだったかどうかはわかりませんけれどね(笑)」と言われていますが(笑)。

ただ、マンガ作品(フィクション)としてどちらが単純に「おもしろい」かと問われると、依然「ベルばら」に軍配を挙げざるをえないと思います、というのが正直な感想です。
惣領さんの作品は「ベルばら」に比べると時代考証などが非常に緻密で、何倍も正確であるであろうということはわかります。キャラクターどうしの繊細な心の交流なども、惣領さんの作品はすばらしいです。
ただやはりとても短いということもあって、優れた歴史同人誌を読んでいるような印象が、どうしてもぬぐえませんでした。
惣領さんは聡明で理知的で、まじめな方なのでしょうね。絵にもそれが強く表れていますが、逆に言うと隙がなくて崩れないのです。いいかげんなところがない。勉強したことが画面の隅々まで行き渡っていて、ちょっとお行儀が良すぎるという印象も受けてしまいます。
「嘘」が混ざっていても、フィクションはそもそも「作り話」なんだから、華麗に風呂敷を広げて楽しんだもの勝ちよ!と、ある意味、バカになって舞台の上で踊った「ベルばら」が、大勢の人を惹きつけるのは、よくわかります。「ベルばら」の方はオスカルという男装のキャラクターが、あの時代に女性にとって生きるとはどういうことかというテーマも内包していることが大きかったと思いますが。

だから、両作品は競合しません(笑)。
エンタメに徹した「ベルばら」の方は、確かに史実という点では正確さに欠けるところが多かったかもしれませんが、純粋にあの時代に描かれたマンガとしておもしろいです。
惣領さんの『マリー・アントワネット』は、「ベルばら」しか知らなかったと言ってもいい(本当は『イノサン』とかいろいろ出てるんですけれどもね、最近も)イメージを「そろそろ見直した方がいいんじゃないですか?」という問いかけになっている作品として、すばらしいです。
もちろん、正確で緻密な時代考証で描かれた作品世界は、言うまでもなくすばらしいです。

「ベルばら」原理主義者みたいな熱心なファンの方にも、食わず嫌いや脊髄反射的に否定してしまうのはあまりにももったいない作品です。
この画期的で意義深い作品も新鮮な目で楽しめるのではないかと思います。おすすめします。


…ところで『チェーザレ』って、結局どうなったのでしょうね…?
もう再開されないのかしら。コミックス派で飛び飛びに読んでて、長い間があいてしまったので、すっかりお話忘れてしまいました。(それでなくてもあの辺りの歴史に素養がない身の上ですのに…)




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by n_umigame | 2016-11-21 00:03 | コミックス | Trackback | Comments(0)

『ケルン市警オド』青池保子著(プリンセスコミックス)秋田書店

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活気あふれる中世の大都市・ケルンの治安を守る市警たち。その若きエース・オドは、後輩のフリートも憧れる仕事のデキる男だ。しかしお偉方から厄介払いで命じられた人探しが大事件に発展し…!?
「修道士ファルコ」の人気キャラ「兄弟オド」の治安役人時代の物語。
(出版社HP・画像はAmazon.jpより)



『修道士ファルコ』のスピンオフです。

「ファルコ」が『エルカサル-王城-』のスピンオフなのに、さらにスピンオフ。海外ドラマみたいなことになってきましたが、面白かったです。
青池保子さんの作品は安心して読めますね。
ほかの漫画家の方の絵を見ていると、やっぱり絵を描くって体力なんだよなあと思うこともあり、ファンとしては寂しい気持ちになることもあるのですが、青池さんは安定しているように思います。
と言ってもわたくし全然長年のファンではないので、20年、30年と読んでらっしゃるファンから見たらやっぱりさみしいよ~と感じてらっしゃるのかもしれませんけれど。

主人公は、リリエンタール修道院でのファルコの先輩に当たる、兄弟オド。
俗世では屈強の騎士だったファルコと組んで、腕っ節の強さと、謎があるとついつい推理してしまい、正義感の強いところを見せては「未熟者をおゆるしください」と懺悔しつつ、それを繰り返して読者を楽しませてくれていました。
今回は、そのオドがまだ出家する前にケルン市で警吏をしていたころのお話です。

なのですが、今回の疑惑の舞台は修道院。
なんだかんだ言って平和で、良き秩序が保たれているリリエンタール修道院とは違い、本当にまずい修道院でした。「汝、殺すなかれ」ガン無視です。怖いにもほどがある。閉鎖的で陰謀うずまく修道院と言うと、ちょっと『薔薇の名前』の修道院を連想してしまいます。
オドはリリエンタールでも医療を担当していますが、薬草の勉強をするきっかけになったのがこの事件なんだろうというエピソードもあって、この先、オドが出家するまでどうつながっていくのか、それも楽しみです。
ペトルス修道士はちゃんと罪をつぐなったら、またオドと再会してほしいです。
青池さんのマンガは犬がかわいいのもうれしい。

ところで、最近読んだドイツのミステリー『ミルク殺人と夏の憂鬱』を読んで、この本を青池保子さんがコミカライズしたら何倍も笑えるだろうなあと妄想していました。
いつか叶うといいなあ。




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by n_umigame | 2016-09-21 00:07 | コミックス | Trackback | Comments(0)

『OZ』(完全収録版・全5巻)樹なつみ著(白泉社)


大戦で核ミサイルが爆発して世界と人類が壊滅状態となってから31年後、未だ戦乱と混迷、食糧不足、エネルギー不足、環境破壊による砂漠化など、人類の先行きに希望が持てない世界の裏側でささやかれる1つの伝説があった。それは、大戦前に科学者(頭脳)集団が創った巨大シェルターの存在だった。飢えも戦争もない最先端の科学都市、その名を「OZ」(オズ)という。
(Wikipediaより)


映画『エクス・マキナ』を見て思いだしたマンガです。
昔1巻だけ読んだことがあったような記憶がありまして、Kindle1巻無料キャンペーン期間中だったので、この機会に全部読んでみることにしました。



以下、ネタバレしています。






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by n_umigame | 2016-07-06 00:22 | コミックス | Trackback | Comments(0)

『薔薇王の葬列』(1~6巻)菅野文著(プリンセスコミックス)秋田書店


中世イングランド。白薔薇のヨークと赤薔薇のランカスターの両家が王位争奪を繰り返す薔薇戦争時代。ヨーク家の三男・リチャードにはある秘密があった。己を呪うリチャードは残酷な運命に導かれ、悪にも手を染めていくが……! ? ウィリアム・シェイクスピアの史劇「リチャード三世」を原案に描かれる禁断のダークファンタジー!
(Amazon.jpより)


シェイクスピアの『ヘンリー六世』と『リチャード三世』を原案に、『オトメン』の菅野文さんが描くリチャード三世です。
うおおおおおもしれえええええ。
最初から面白いですが、どんどん面白くなります。

シェイクスピアの『リチャード三世』が大好きなもので、それがこうなるのか! うおおおこうなるのか! と読んでいてわくわくしますし、自分が感じていたシェイクスピアのリチャード三世の解釈をさらに深く熱く掘り下げてくださっていて、読んでいてほんとうに楽しいです。

『プリンセス』は、かの『王家の紋章』を連載している雑誌のせいか(今もまだ連載が続いていてびっくりです)、昔から歴史物の題材を取り入れた作品を積極的に紹介してくれていました。しかも日本人でもあまりなじみのないような日本古代史とか、戦国時代でも以前はもっと歴史好きのおじさんとか『歴史読本』や『歴史と旅』の読者くらいしか熱心に追いかけていなかったような武将とか、今から思うとすごいなあと思います。

そして今回はリチャード三世ですよ。歴史オタクやシェイクスピアのファン以外、誰が興味あったんだって話です。(暴言)

ビバ、プリンセス。ありがとう、プリンセス。
そしてもちろんありがとうございます、菅野文先生!
あとついでに『ホロウ・クラウン』見て久しぶりにリチャード3世関係の本、新しいの出てないかなと検索したら、この作品をしつこく激推ししてくれたあまぞんさん!
6巻が出るまで気づかなくてごめんなさいでしたが、これは完結してから一気に読みたかったです。続きが気になってそわそわします!



以下、少しネタバレです。







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by n_umigame | 2016-07-05 23:48 | コミックス | Trackback | Comments(0)

『ABC殺人事件 名探偵・英玖保嘉門の推理手帖』(全4巻)星野泰視著/アガサ・クリスティー原作(ビッグコミックス)小学館


新解釈のポアロ、昭和11年の横浜に登場!
あの名探偵・エルキューロ・ポアロが、昭和11年の横浜に甦る!
相対するは、ABCと名乗る連続殺人犯!!
アガサ・クリスティーの名作「ABC殺人事件」を、
全くの新解釈で完全漫画化!!
昭和11年2月----226事件が勃発し、戒厳令が敷かれた
帝都・東京の浅草で、一人の惨殺死体が発見された。
その前日には、横浜で名探偵と名高い英玖保嘉門の元に
犯罪予告状が届いていた……!!(出版社HP) 


出版社のHPで試し読みができるようです。⇒


以下、ネタバレなのでもぐります。






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by n_umigame | 2016-06-22 00:20 | コミックス | Trackback | Comments(0)

『レディ&オールドマン』1 オノ・ナツメ著(ヤングジャンプコミックスウルトラ)集英社

1963年、ロサンゼルス郊外。好奇心旺盛なダイナーの娘・シェリーは、ある日、100年の刑を終えて出所したという老人と出会う。旧収容棟の「最後の住人」と噂される彼の正体とは……。
時に事件に巻き込まれ、時に事件を解決しながら、街から街へと渡り歩く二人組──彼らの通り名は“レディ&オールドマン”!
(出版社HP・表紙画像も)
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出版社のHPで試し読みができるようです。⇒



久しぶりにオノ・ナツメさんのコミックスです。

おもしろかった! 
1巻なのでまだほんのさわりですが、早く続きが読みたいです。
絵だけ見ていると、なんでオールドマンなの?と思うのですが、実は…ということで、ぜひ本編をお読みください。

1960年代のロサンゼルスが舞台で、ムショ帰りとかわけありの人の面倒ばかり見ているダイナー経営の父親とその娘のところに、100年の刑期を終えて、あるいは置けなくなって出てきたという男が転がり込んできて…という幕開けなのですが、このわけありはただのわけありではなさそうで。

ダイナーを経営している親と、その子、というと、マイクル・Z・リューインのアルバート・サムスンのシリーズを思い出してしまいますが、サムスンのシリーズが好きな人にもオススメです。
ダイナーって、もうそれだけでいいですよね。
そこへ父子もので、ジェントルマンが絡み、舞台は半世紀前のアメリカ西海岸、SFなのかミステリーなのか、混在とした軽快なエンタテインメントになりそうです。ていうか、なってほしい!
帯ではやたらバディもので推していますけれど、この先どういうバディになるのやら。傑作になるかどうかは、そこにかかっているような気がします。
1巻にしてすでに、男女バディ以外に、父子、別れた恋人、兄弟、いろいろなフラグが立ちそうではあるのですが。

『ACCA』は2巻で挫折したので、こちらは続けられますように。



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by n_umigame | 2016-06-21 23:07 | コミックス | Trackback | Comments(0)

『山岸凉子『日出処の天子』古代飛鳥への旅』(別冊太陽 太陽の地図帖 38)(平凡社)


少女漫画史に燦然と輝く不朽の名作『日出処の天子』。30年余の時を越えて読み継がれるこの作品の魅力を徹底紹介する。舞台となった飛鳥や河内へのルポ、登場人物ゆかりの史跡・寺社のガイドのほか、著者・山岸凉子本人へのインタビューでは、創作秘話や後日談、主人公・廐戸王子への思いなどが語られるほか、貴重な仕事場の写真も公開。巻頭にはファン垂涎のカラー原画を計22枚大判で掲載、うち1枚はなんと本書が初登場の未公開作品!!すべての『日出処の天子』ファン、少女漫画ファンに捧ぐ永久保存版
(出版社HP・書影も)

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目次なども出版社HPで見ることができます。
 


冒頭の荒俣宏さん×山岸涼子さんの対談を始め、『日出処の天子』の製作の原点となった著作は梅原猛氏の『隠された十字架』とほか2冊しかなかった、という驚きの事実や、キャラクター紹介、史実と伝説、歴史紀行(調子丸古墳などかなりマニア向けなのも嬉しい(笑))、山岸涼子先生の美麗カラー原稿やお仕事部屋の様子などが、すべて美しいフルカラーで紹介されています。
(中公文庫の『日本の歴史』2巻には、わたくしも本当にお世話になりました。今、新装版が出ているようですが、私が持っているのは山岸先生と同じ、この仏像のカバーのものです。)

全国の大工さんは太子信仰で、それは寺院のゼネコンの創業者が聖徳太子だと言われているから。その四天王寺のゼネコン・(株)金剛組は世界で最古の会社だろうと思う、その金剛組がなぜ1,400年前から続いてきて、法隆寺にもあったゼネコンがなぜ続かなかったかと言うと…といったおもしろいお話も伺えます。

あと、山岸先生のお写真をあまり拝見する機会が無かったのですが、お美しい方だったのですね。あの自画像は詐欺ですよ(笑)、かわいいけれど。(このロング丈のチェスターコートを見ていると、この頃青春時代だった人が今の流行をまた作ってるんだーと、そこも感慨深かったです(笑)。山岸先生のお召しになっているコートは、肩はバブル期のかほりがしますが(笑)、肩さえお直ししたら今でも十分着られそうです)

100p足らずの薄い本(ムック)なので、書店で手に取るとお値段の割りには物足りないと感じるかもしれませんが、目で見て美しいということ以上に、読み応えのある対談や、山岸先生のインタビュー、古代史研究者による歴史的な背景の考察など、文字の部分も非常に読み応えがあって、1,200円+税でもじゅうぶんおつりが来ると思います。
『日出処の天子』のファンならもちろんお手元にあるといいですし、まだ『日出処の天子』を読んだことがないのだけれど、どういう世界なのだろうと好奇心を持たれている方が作品世界を概観するのにもおすすめの1冊です。(原作を読んでから読まれる方が楽しめることはもちろんですが)

山岸涼子先生のインタビューでは、とても心打たれるところがあったのですが、『日出処の天子』を読み直しましたので、その感想のところで触れたいと思います。

山岸先生は今年(2016年)には69歳を迎えられるとのことで、どうぞお体をおいといくださって、まだまだご活躍していただけることをお祈りしています。『レベレーションー啓示ー』も買いましたので!






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by n_umigame | 2016-05-10 00:38 | コミックス | Trackback | Comments(0)

『聖徳太子』(全5巻) 池田理代子著(中公文庫コミック版)中央公論社



「別冊太陽」の『山岸凉子『日出処の天子』古代飛鳥への旅』を読んでから、また久しぶりに日本古代史祭りが地味に再燃して、関連本をあれこれ読んでいます。(聖徳太子にはさして興味がなかったもので、良い機会だと思いまして。)
せっかくなので、山岸涼子先生の『日出処の天子』も再読しました。
そのあと、池田理代子先生も聖徳太子のマンガを描いてらっしゃったと知って、こちらも読んでみました。

以下、ネタバレです。

読まれる前に、いちおうのご注意ですが、わたくしは山岸さんの作品にも池田さんの作品にも、特別に深い思い入れはありません。
作品としてすばらしいと思うときでも、個別のキャラクターにそんなに思い入れが生じないことも多いです。作品世界に惚れると言いますか。ですので、キャラクターに様付けしたりもしませんので、そのおつもりでお願いいたします。



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by n_umigame | 2016-05-08 01:30 | コミックス | Trackback | Comments(0)