*さいはての西*

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カテゴリ:映画・海外ドラマ( 566 )

『ユージュアル・サスペクツ』(1995)

何を書いてもネタバレになりそうなので、多くは語れませんが、非常によくできた映画です。

まず何より、ミステリ好きとしては、制作者の、パズル・ミステリ魂に敬礼!であります。
(パズル・ミステリのことをなぜ日本では「本格」と言うのでしょうね。まるでそれ以外は本物じゃないみたいで言いがかりくさいというか、独りよがりっぽくて、あまり好きな呼び方ではないですよ。)

閑話休題。

最近、あまり、こういう、一見地味だけれど制作者がきちんと頭を使って丁寧に作りこんだ映画というものにめったにお目にかかれない気がします。別の言い方をすれば、あえて売れるとわかっている方法は使わず(例えば、旬の美男美女俳優を使うとか)、自分がおもしろいと思っているものを丁寧にお客さんに伝えようという誠意を感じる作品が少ないと言いますか。
と言ってもこの映画も、わたくし、リアルタイムで見たわけでなく、ビデオになって何年も経ってから見ており、最近廉価版DVDが出たので今回見直したわけですが、改めてディティールの作りこみ、脚本のきめの細かさに感心いたしました。

パズル・ミステリが1行もとばし読みができないように、最初から、どんなに小さなしぐさ、どんなにさりげないセリフの一つ一つにも意味があるかもしれない、と思って見て覚えておかないと、おもしろさは半減します。丁寧に作られたものだから、見る方も丁寧に見ることを要求されますね。それがしんどい、めんどくさい、という向きにはオススメしません。わたしも、休みの日に、ヨシ、これ見直すぞ!と思って見直しましたので。

しかしこれは、自分はすべてを見渡せたと思った瞬間、つまり自分が神の視座にたったと思った瞬間に人間は操られる、という、あれ(注1) ですな。(どれだ)(いや詳しく言えないし)
しかも、あれ(注2)なんで、見る方も心してご覧下さい。

しかしコバヤシの事務所のガラスに書いてある「力」「財力」「成功」って……俗物丸出しでこれも何かのアイロニーですか?

(注1)(注2)↓ネタバレです。

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by n_umigame | 2006-09-30 15:18 | 映画・海外ドラマ | Trackback | Comments(0)

『MEMORIES』(1995)

大友克弘監督作の「彼女の想いで」「最臭兵器」「大砲の街」の3本のオムニバスからなるアニメーション。劇場へも見に行ったし、おそらくケーブルなどで合わせて3回くらい見ています。

個人的に一番好きなのは「彼女の想いで」。ストーリーはまあベタで、どのキャラクターがどうなるか予想がついてしまうのですが、見ている者をそらせません。こういう、”サイレンの魔女@宇宙のサルガッソー”というお話、好きです。(以下ネタバレ→)ラストのクライマックスで、ハインツが飛ばされそうになるシーンで、びゅんびゅん白骨死体が飛んでくるところ、ああ、今までも、そしてこれからも犠牲者が山盛り増えるのね…という感じでした。

「最臭兵器」は、星新一のようなと言うか筒井康隆のようなと申しますか、バカSFですね(笑)。劇場では「彼女の想いで」の宇宙から、いきなり山梨ローカル放送局のテーマ曲が流れる場面転換で笑えたのですが、TVだと間にCMが入ったりして台無しです。ラストは、これも予想どおりの大爆笑オチですが、劇場ではみんな笑わなかったなあ…という記憶が。いやある意味笑わない人の方が健康な精神と言えますが、そう生真面目に見るものではないので…。アードマン・コレクションの映画を見たときも、これ、絶対イギリス人だったら笑うよな、というシーンで誰も笑わないんですね。わたしは大笑いでしたが。洋画ファンの人が、日本では下ネタとブラック・ジョークで笑わせるのは難しいと言っていましたが、そうかもしれません…。(わたしも下ネタはあんまり…)

「大砲の街」は独特の絵柄で、絵を楽しむ作品かも知れませんが、ある意味、これが一番こわいお話かも。大砲を撃つためだけに存在する街、発育不良のような血色の悪い子どもと、その両親もとてもその年齢の子の両親と思えないくらい老け込んでいます。教育も日々の生活もすべて軍国主義一色。少年は父親に、父さんたちはどこの国と戦争をしてるの? と聞きますが、そんなことは大人になったらわかる、と答えた父親も、答えを知っているふうではありません。
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by n_umigame | 2006-09-18 19:54 | 映画・海外ドラマ | Trackback(1) | Comments(2)

『リプリー』(1999)

『太陽がいっぱい』のリメイク。なのだそうですが、『太陽がいっぱい』はちらっとしか見たことがなく、原作も未読です。

何気なく見始めたのですが、最後まで見てしまいました。でも、テレビでなくDVDとかだったら早送りで見てしまったかも、とちょっと思うくらい、2時間20分は少し長かったかな~という感じでした。
イタリアの風景が美しく、映像は良いのですが、肝心のお話の方。
前半はトム・リプリーのディッキーへの身勝手な愛憎渦巻くどろどろドラマ、後半はサスペンスなのですが、その前半と後半が何だかちぐはぐな印象でした。これはリプリーのキャラクターに一貫性がないというところからも来ていると思います。
目的のためには何でもやるというぎらぎらした野心があるわけでもなく、純粋にディッキーを愛したが故に悲劇が起きたというわけでもなく、なにもかもが行き当たりばったりで行動しているにもかかわらず、偶然だけに助けられてその都度ピンチから逃げおおせる姿は、悪党なりにやるじゃねえかとか、惚れちまったもんはしょうがねえやなと同情できるとかいう面が、ないです。マット・デイモンの演技がこれまたシャレにならないくらい気持ち悪くハマっており、リプリーの嫌~な感じが伝わってきます。

サスペンスとしては、イタリアの警察は無能だと言い切るニューヨークの私立探偵も無能でした、ということでしょうか。

ディッキーの父親も、放蕩息子に苦労した心中はお察しいたしますが、一人息子が殺されたかもしれないというのにこの感慨のなさ、「子は親を選べないと言うが、親も子を選べないのだ」 はい、そうですね。しかし作るかどうかの選択をしたという意味で製造者責任は親にしかないのではないですか。こういうことをあっさり言ってしまう父親がまずあった、という、順番で言えば、ディッキーが放蕩息子になった責任の一端がこの父親にもあったんじゃないんですかと思いました。「可愛い子だけが自分の子」という父性原理の象徴として見られなくもないですが。

余談ですが、アラン・ドロンは昔の婦女子たちのハートをワシづかみにした頃があったそうですが、実は「こんな男のどこがいいの」と思っていました。でも、この役者さん、目が良いのですね。同じ事をメル・ギブスンのときも思いましたです。
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by n_umigame | 2006-09-16 20:48 | 映画・海外ドラマ | Trackback(1) | Comments(2)

『リディック』(2004)

ジュディ・デンチが好きなので、あー出てるんだーとぼんやり見るともなしに見ました。(この人のセリフ回しにはいつもほれぼれ。)
ついでに、あーカール・アーバンも出てるんだーと途中で気が付きました。
『ピッチ・ブラック』(真っ暗)という作品の続編らしいです。

主人公は、5つの惑星から指名手配されているチョー凶悪な殺し屋ということになっているらしいのですが、何と申しますか、体は確かにむきむきですが、顔が人なっつっこそうな顔なので、あんまり凶悪そうに見えない上、けっこう情に脆いし動物好きだし、どこがアンチ・ヒーロー?という感じでした。
(ネタバレ→)流刑星の囚人たちをエサにしているケダモノを手名付けるところなんて、『風の谷のナウシカ』でも何か見たぞコレ。 という感じで。そう言えばむかーしのアニメ『コブラ』にも、(ネタバレ→)日が昇ると惑星の半分は灼熱地獄となり、即死。 というお話があったような。これもコブラが囚人を逃がす話じゃなかったかなあ。
悪役も、単純に悪役でした。「けっこう情にもろい殺し屋vs.単純な悪役」ではやはりお話としては限界が。どっちも「うわ、こいつ、アブねー……」というヤバさを感じさせてくれないのでした。

重量を感じる宇宙船とか、アクションシーンはそれなりに楽しめますが、物語は、オチが………。ええんかあんたらそれで。宇宙一邪悪な軍隊ならそこでぺこぺこしたらアカンがな根性見せたらんかい。という感じでした。(ネタバレ→)リディックの、偶然ボス椅子に座っちゃって、ふと気が付いたらみんな頭下げてて「え、何、俺? 俺次のボスっすか?」と言いたげな表情がますます、リディックのお人好しっぷりがだだ漏れでした。いやしかし、この人にサラリーマンは向かないだろう…。
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by n_umigame | 2006-09-09 23:49 | 映画・海外ドラマ | Trackback | Comments(0)

『パペットマペットのサイエンスでしょ!?』

tvkの人気番組「パペットマペットのサイエンスでしょ!?」がDVDになりました!

…というわけで、神奈川県民の皆さまがとてもとても羨ましかったこの番組がやっと見られる日が来ました。感涙。

おもしろかったです。おっつーこと尾辻舞アナウンサーのナチュラルハイ系キャラがとっても番組とマッチしていていいですよ。もちろんパペマペもカワイイ。カップラーメンの回とか自分でもこのカップ麺博物館に行ってみたかったし(今はない)、新幹線のお医者さんドクター・イエローに会いたくなりましたよ。

パペットマペットは実は動いているのを見たのはかなりあとで、コント集の本を例の’慧眼オヤジのいる書店その1’で見つけたのがご縁でした。その当時わたくしは仕事のことでかなりやけっぱちな気持ちで日々を過ごしており、その日も残業帰りの空きっ腹を抱えて11時近くまで開いている書店の明かりに、街灯に吸い寄せられる蛾のようにふらふらと入っていったのでございます。
新刊の平台に乗っていたその本は、別に買わなくても15分もあれば立ち読みできるような内容でした。しかし、カエルくんのもふもふした緑色と、使い込まれてかぴかぴになっていたウシくんがくりひろげる脱力系シュールギャグを読んでいるうちに、気づけばレジでお財布をカバンから出しておりました。

パペマペさん、これからもがんばってね。そして関西にも来て。それかわたしの出張に合わせてライブやって。お願い。
公式サイトはこちらv
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by n_umigame | 2006-09-02 18:02 | 映画・海外ドラマ | Trackback | Comments(0)

『華麗なるペテン師たち』 第6話(最終話)「庶民の敵」

おもしろかったー!!
時間枠でちょうどいいくらいの伏線の張り方、伏線の回収、そのオチのつけかた、節度をわきまえたどんでん返しに次ぐどんでん返し、キャラクターの使い方、見終わった後の爽快さ、すばらしいできばえでした。ブラボーBBC。さすがだBBC。えらいぞBBC。

以下、ネタバレ部分は反転しています。

第1話からメタフィクショナルな手法と「スティング」へのオマージュあふれる作品だなあ、と、にこにこ見ていましたが、今回は特にそれが前面に押し出された回でした。
マンガで言うと、コマ枠を越えて読者に説明するキャラですね。今回はシーズン最終話ということで、チーム全員で視聴者にごあいさつが。心憎いですね~。おそらくこういう手法は古い映画やドラマなので多用された時期があったのではないかと思うのですが、2004年の作品でやってみて少しも古びず、かえって新鮮というのがスゴイ。
それから、今回は「スティング」でも使われた”ワイヤー”という古典的な詐欺でカモをつろうというお話なのですが、これも単に手法が同じなだけでなく、2度目はレースが始まってから賭けさせてさらに高額の掛け金をあおるというのも「スティング」で使われていたと思います。このドラマの制作者がきっと「スティング」本当に大好きなんですね。(作中、アッシュが「”ワイヤー”? 100年前の手だ。」と言うところがありますが、「スティング」も1930年代のシカゴが舞台ということになっています。)
たった6回で終わってしまいましたが、1話からの物語世界全体を流れる「未熟な詐欺師を一人前に育てる」という部分もきちんといったん完結しています。
1話からずっと見ていると、ダニーに「おまえったらこんなに立派になって…」と涙ぐんでしまう近所のおばちゃんか故郷のママみたいな気持ちになりますね。

アルバートが「もうトシだし引退するわ」みたいなことを言っていますが、BBCのドラマHPによりますと、シーズン2は続投、今年放送予定らしいシーズン3でも続投ですよ。うれしいなあ。やっぱりこのチームでないとね。

とりあえず第2シーズンが待ち遠しいです。早めにおかわりお願いします、NHKさま!
(しかも次は「ドクター・フー」ですか!? NHKさんどうしたんですが、心を入れ替えたんですか、このスマッシュ・ヒットぶりはどうですかええ? ちゃんと受信料払ってますから今後もひとつこの調子でお願いします。)
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by n_umigame | 2006-09-02 15:17 | 映画・海外ドラマ | Trackback | Comments(0)

『ユージュアル・サスペクツ』の廉価盤が!

出るのですね! 知らなかったうわー!!

わたしはこの作品をリアルタイムでは見ていないので、レンタルで見たっきりなのですが、どんでん返しがどうとかマニア心をくすぐるギミックにあふれているとかケヴィン・スペイシーの怪演が文字通りまぶしいとかコバヤシが日系に見えないとか、そんなことはどうでもよろしい。

いやどうでもよくはないけれども、この、
お客さんに楽しんでもらいましょう!
というエンタテイナー魂と、映画を作成した人たちの、
おれたちゃこれが好きで好きでたまんねー!!
というキモチ、この2点が伝わってくれば、細かいことはもうオッケー!わたくしはエンタテインメントとしての映画が大好きです。そして、「エンタテインメントは、エネルギーになる」(@数年前のぴあマップ文庫大阪神戸京都版の裏表紙のキャッチコピー)(長)のであります!

「えー何それ、その映画知らないし。おもしろいの?」というアナタに幸あれ!

しかしこの手法は、ヒッチコックが「ウソツキ・フラッシュバック」と呼んで禁じ手としたとか。ま、いいじゃん? 最近の観客はスレてるし?(笑)
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by n_umigame | 2006-09-02 01:11 | 映画・海外ドラマ | Trackback | Comments(0)

『華麗なるペテン師たち』 第5話/苦い酒

全6話の予定で始まったせいか、ええ、もうこんな話? という回でした。
長いシリーズだったら、もう少し後の方にこういうエピソードが来るのではないかと思われます。

今回は、カモにカモられたお話で、エピソードタイトルからも予想が付きますが。
チーム全員、主に頭脳のミッキーがおセンチになっちゃった時点で、負け決定という感じでしたね。
来週もう最終回かあ…続きを早めにお願いします、NHKさま。
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by n_umigame | 2006-08-26 19:51 | 映画・海外ドラマ | Trackback | Comments(0)

フリッツ@グルメ探偵ネロ・ウルフ

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勉強中です。
やはりペイントと(以下同。)

よく見ていると、テレビシリーズの方は、何度も同じ役者さんが違う役で出ていますね。
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by n_umigame | 2006-08-18 22:14 | 映画・海外ドラマ | Trackback | Comments(0)

『グルメ探偵ネロ・ウルフ』

CATVで一挙放送があったので、録りためておいたものを少しずつ見ています。
原作はご存じ、レックス・スタウトであります。
ネロ・ウルフものは、海外古典ミステリ好きとしては、ぜひ、読んでおきたいシリーズなのですが、本屋さんに行っても置いているところがほとんどなく、あっても1冊とか、そんな感じで、古本屋さんで仕入れたものと合わせて3冊くらいしか読んだことがないと思います。(あとはパスティーシュを1作くらいです)

このドラマは、非常に音楽のノリがいいのと(こういう、ドラムの音が効いているジャズはスウィング・ジャズと言うのでしょうか。詳しくなくてごめんなさい。でも大好き。)、音楽にピッタリの、役者さんたちのリズム感あふれる演技(と言っても宝塚のように歌って踊るわけではなくて、動きが、何と言いますか、こう、良いのです)と、1930年代のニューヨークの雰囲気がとてもマッチしていて、見ていて気持ちのいい作品に仕上がっていると思います。

では、雰囲気重視のドラマかというとそんなことはなく、謎解きもしっかりしていて、ウルフの推理も冴えています。本格ミステリにはよくある、最後の「さて、みなさん」のシーンはわくわくしますね。こうでなくっちゃ!という感じです。

あと、役者さんたちが端役に至るまで、皆さん、すごくいい感じなのですよ。わたくし、芸能情報に疎くて、この俳優さんはアレに出てて奥さんはねお父さんはねお母さんはね、というようなことはほとんどわからないので、もしかしたら有名な人も多いのかも知れませんが、とりあえず、アーチー役のティモシー・ハットンしか知りませんでした。
ウルフ役の役者さんは、原作のように「一度座ったら立ち上がるのが大変」というほどの感じでもないのですが、なかなかイメージどおりです。クレイマー警視正役の人も似合っています。いかにも「ヤな警官」というオーラが出ていて(笑)、いいですね。それから、フリッツ!この役者さん、いいです~!!ステキだ!!いったいどこからこんないい味のおじいさんを!!

しかし「シングルマザーのパーティ」(しかも慈善)というところが時代を感じさせますねえ…。あと、ウルフに隠し子(未婚)が?という回では、アーチーがウルフに、「田舎の母が、そんなとこ辞めて帰ってきなさいって。*」と言うところなど大笑いしました。アーチー、遊び人というイメージがありましたが、しつけの厳しいきちんとしたおうちで育ったんですね(笑)。
アーチーとウルフの関係も、べたべたしたところがないのにお互いに信頼している様子が伝わってきて、いい感じです。
(*訂正→「暇をください。結婚もしていないのに娘がいるなんて、田舎の母がなんて言うか!」…でした。)

余談ですが、東京創元社から最近出ている本に「安楽椅子探偵アーチー」というシリーズがあるようなのですが、ふと、「…あのアーチーが、ウルフみたいに巨漢というか百貫というかになっちゃて椅子から動けなくなっちゃったシリーズ!?」という想像を。(絶対、違いますから。)「西のエラリイ、東のアーチーって言われてる(どこで。)のになんてこと言うのよ、きい!」?…すみません。
しかし、同じ頃、ウエストサイドにはクイーン父子が住んでいたのですよね。出会ったらどうだったろうなあとか、そういう想像をするのも、楽しいです。(クレイマーとクイーンパパはとりあえず同僚ですねえ…気が合わなそうだなあ…わくわくvv)
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by n_umigame | 2006-08-18 15:58 | 映画・海外ドラマ | Trackback | Comments(0)