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ごあいさつ

今年も残すところあと数分となりました。

このような過疎のブログへおいでくださった方、毎日のようにぽちぽちと拍手を押してくださった皆様方、本当にありがとうございました。
今年は仕事の異動でなかなかリズムがつかめず、趣味とブログの更新がままなかったことが心残りですが、来年はもう少し慣れて、コンスタントに更新できればと思っております。

それでは来年もどうぞよろしくお願いいたします。

2009年が良い一年でありますように。
どうぞよいお年をお迎えください。
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by n_umigame | 2008-12-31 23:52 | 日々。 | Trackback | Comments(0)

『COPPERS(カッパーズ)』 1 オノ・ナツメ著(モーニングKC) 講談社

警察の群像劇と言えば、これ。
というわけでコミックスになるのを待ちわびておりました。

NYPD(ニューヨーク市警)の警察官たちの群像劇を描いた同人誌、『I've a rich understanding of my finest defenses』の続編?に当たるのでしょうか。
オノさんご自身もどこかで書いてらっしゃいましたが、同人誌の方はまだやっぱり同人誌で、ストーリーや世界観などは完成度が高いものの、登場人物の見分けがつきにくいという問題がありました。
この『COPPERS』ではさすがに改善されていて、だいじょうぶです。

1980年代までの、あるいは日本はいまだにそんな印象を受けるのですが、警察ドラマというと私服刑事が活躍するお話がほとんどだったように思います。
けれども、ドラマ『サード・ウォッチ』やオノさんの作品を読んで初めて、制服の警官もいいなあと、その良さがわかりはじめました。

どの物語も一話完結の形で、センチメンタルに流れず、淡々と進むのですが、どのお話にも「人間」がいて、悩み事をかかえている人間には少し救いが見えたり、逆に助けられなかった人がたり、こうだと思いこんでいたことに「こんなふうに見てみたらどうだい?」と、押しつけがましくなく語りかけてくる口調は相変わらず絶品です。

まだ1巻なため、主要登場人物の紹介で終わっているような向きもありますが、2巻以降も期待いたします。

あと、装幀がカッコイイ!
そして、ドーナツが食べたくなる!(笑)


ちなみに…警官のことを米俗語でcopper(cop)と呼ぶのは、昔警官の制服のボタンが銅(copper)だったから、という説があり、それがほぼ定説のようになっていますが、実はそれも俗説らしいという話を聞きました。
本当のところどうなんでしょうかー。
copper(cop)は日本語のニュアンスで言うと「おまわり」という程度の軽い侮蔑を含んだ呼び方でもあるようなので、ふつうは(police) officerと言うべきなようです。
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by n_umigame | 2008-12-31 23:19 | コミックス | Trackback | Comments(0)

ヘニング・マンケル4作

『リガの犬たち』
『白い雌ライオン』
『笑う男』
『目くらましの道』 上下
         以上、柳沢由実子訳(創元推理文庫)東京創元社

ヴァランダーシリーズ一気読み。
冬の新刊が落ちたらこれのせいでした……。(人のせいにするなー!)

マルティン・ベックシリーズに触発されて書き始められたというこのシリーズですが、マルティン・ベックシリーズがスウェーデン国内から出ないのに比して、このヴァランダーシリーズはかなりインターナショナルな展開でお話がぐいぐい進みます。

…といっても某十○川警部のように管轄外の地域や外国にまで押し掛けては勝手に捜査しちゃうとかそういうわけではなく。
マンネリズムを避けるために無理矢理外へ出るというよりは、著者の純粋な興味によってヴァランダーが冒険するはめに陥るというのがパターンです。

まず、『リガの犬たち』。
1990年代初頭で、まだ冷戦の傷跡が生々しく残るヨーロッパ(といっても舞台はスウェーデンとリガ)が舞台です。
そんなわけで(?)スパイ小説のような活躍を余儀なくされるヴァランダーですが、いや、ふつう、死んでてもおかしくないでしょというようなたいへんな目に遭います。
そしてそこはそれ惚れっぽいヴァランダーさんのことですから、事件の関係でリガからやってきた警察官の妻・バイバに惚れてしまいます。
1作目の女性検事と違っていちおうシリーズを通してヴァランダーの心の恋人であり続けるのですが、この2作目を読んでいるときはまだそうなると知らなかったため、ほんまに惚れっぽい男やな自分。とツッこんでしまいました。

『白い雌ライオン』。
今度はなぜか南アフリカが深くからんできます。
スウェーデンと南アフリカとどう関係があるの? と思うのですが、非常に巧みに双方を絡めて物語は進行します。
ヴァランダーは仲間の警官たちに時々おかしくなったんじゃないかと思われるような行動をとるのですが、今回も南アからやってきた殺し屋のマバシャとの間に奇妙な友情のようなものが芽生えて、こっそり南アに帰してやろうとします。
確かに、警官としてはダメな行動なのですが、そしてかえって問題を大きくたあげく自分の身までも危険にさらすことになるのですが、人として共感できるというか、都会では生きていけない危険な野生生物をサバンナに帰してやろうとするような、そんなヴァランダーがいい味でした。
プライベートでは80歳近くになる父親が30歳近く年下の女性と結婚すると言い出して、ヴァランダーさんびっくり仰天です。
それから平素は決して親しくはない職場の仲間がプレゼントをくれるシーンがとても良かった。
親しくはないとか周囲の愛には値しない人間だ思っているのはヴァランダーだけなんじゃないか、と思うシーンでした。

『笑う男』
さて、一匹狼の警官が主人公の警察小説というと巨悪と戦うと相場が決まっていますが、出ました、巨悪。さあ、思う存分戦ってくれたまえ! といやが上にも期待が高まるところですが、肝心の主人公ヴァランダーさんがうつ病になってしまいました。
夏が来たときの登場人物たちのうれしそうな愛おしそうな様子は、心がこもった描写でした。この一事をとっても、北欧の夏の愛おしさがその地にすんでいる人たちにとっていかほどかわかる気がいたしますが、年間を通じて日照時間が短く、寒いスウェーデンでは冬場だけうつ病にかかる人が非常に多いとか。ヴァランダーさんの場合はそこへ慢性的な過労と睡眠不足で、なるべくしてなったという感じです。
そして、前々から、アメリカや大都市でしか見られなかったような凶悪な事件が、自分の町イースタ(田舎らしい)でも起こることについて、オレはもう今時の事件についてけません、警官辞めます、と思って署長にもそう言っていたのですが、友人が殺されたことで「辞めてる場合かあああああ!!」と、復帰します。
単純だ…。
しかしそうでなくては「ヴァランダーシリーズ、主人公がうつ病で辞職につき、完。」てなことになってしまうんで、そこはまあ。
そして巨悪さんとの戦いがまた一匹狼の面目躍如たる戦いでした。
やっぱりこのシリーズ、警察小説じゃないっすね。
群像劇になってないです。
いや、突っ走る警官がいてフォローに振り回される仲間たちという構造でもいいのですが、ヴァランダーシリーズの場合「突っ走る警官、しかもいつもいつも約一名」しかいませんので。(きっぱり)
この作品は、終わり方がとても好きです。

『目くらましの道』 上下
ついに上下巻。しかも1冊960えん……最近うっかり早川さんや創元さんの文庫を油断して買うとえらいことに。
えーさて、ネタバレになりますが、このお話はアンファン・テリブルものです。そしてこの犯人と警察の丁々発止のやりとりだけを描いたのであれば、アメリカで量産されたような作品になっていたと思うのですが、そこはマンケル、きちっと社会問題も織り交ぜてきます。
最後の方の”菜の花畑の少女”の父親の描写と、ヴァランダーと父親の、お互いに対する不器用な愛情のやりとりが身にしみる1作でした。おかげで(?)バイバとはちょっぴり(?)危機(?)な気がしますが(笑)(いや笑い事では)。

とりあえず以上でヴァランダーシリーズの翻訳が出ているもの全部なのですが、まだ未訳の作品が何点かあり、完結しているようです。
なんでもリンダが父親と同じ警官の道を選んだとかで、BBCがドラマ化したのはこの父と娘の「親子デカ」の部分らしいですね。日本でもミステリチャネルあたりで放送してくれるといいなあ。
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by n_umigame | 2008-12-31 23:13 | ミステリ | Trackback | Comments(0)

『風邪はひかぬにこしたことはない』 林望著(ちくま文庫)筑摩書房

たかが風邪と侮るなかれ!若き日々は「林の慢性風邪」といわれ、無理をしたら慢性気管支喘息になり、その発作で肋骨を骨折。そのためにうけた損失はどれだけあることか。生来の体質から風邪に弱かった著者がつらい経験から編み出した徹底的風邪予防法。いわく「不義理のすすめ」「林流鼻洗道」「暖房の極意、冷房の達人」…風邪予防は万病予防に通ず。積極的に健康で愉しい生活を送るためのリンボウ先生「風邪」講義。



たいへんお久しぶりのリンボウ先生です。

お体が弱いせいか風邪にはとても気をつけてらっしゃるということを、エッセイなどで読んで存じ上げてはいたのですが、いやはやここまでとは。
自分も免疫も呼吸器も弱いので風邪には気を付けているつもりでしたが、とてもリンボウ先生にはかないません。

ここまでくると、もう、単なる「風邪予防」という感じではなくザ☆ファイトでございます。

電車には乗らない、タクシーにも乗らない、風邪ひきさんの自分の研究室への入室禁止など、一般人にはむずかしい「対策」もあるのですが、鼻うがいとか正しい手の洗い方とか、すぐ実践できそうなこともたくさん書かれていて参考になりました。

2008年は日本人のノーベル賞受賞者が4人も出て、よろこばしいことでございましたが、どなたか風邪を撲滅してください。
切実な願いでございます。
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by n_umigame | 2008-12-31 21:51 | | Trackback | Comments(0)

お疲れさまでした!

帰ってまいりました。

年末のお忙しい中、スペースまでおこしくださった方、お買い上げくださった方、本当にありがとうございました!
(^O^)/

そして参加された皆さまお疲れさまでした!

取り急ぎお礼まで。明日以降また更新の予定です。
今日はもう買った本読んで寝ますー
(´∀`)。
おやすみなさい。
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by n_umigame | 2008-12-29 22:08 | サークル | Trackback | Comments(0)

部屋とYシャツとカツ丼とわたし

皆さま年の瀬も押し迫ってまいりました大掃除はお済みでいらっしゃいますでしょうかわたくしはもちろんこれからですにせうみがめですこんばんは。
わたくしも本日で仕事納めでした。


少し早めに出られたので、新幹線に乗る前に駅のレストラン(なんでもある和風レストラン)で食事をすることができました。
座ってしばらくすると隣に20代くらいのカップルが座り、カツ丼とざるそばを注文しました。
二人ともたいへんスレンダーですが、男性は細くてもその食欲はあなどれやしねえので、カツ丼なんかペロリね。と横で心の中で微笑んでおりましたが、よくカフェなどでパフェとコーヒーを交換しているカップルみたいに、彼女の方がカツ丼だったらおもしろいのにーと思っていましたら、本当に彼女の方がカツ丼で、しかも先に食べ終わっていました。


二人のパワーバランスを見た気がしました。

お二人に幸あれ!
(*゜▽゜ノノ゛☆

そんなわけで今東京へ向かっております。
明日某会場でお会いしましょう~。
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by n_umigame | 2008-12-28 20:10 | 日々。 | Trackback | Comments(0)

Happy Christmas!

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冬の舞踏会までにいろいろと記事をアップしたかったのですが、タイムリミットのようです。

今日は休日でしたが洗濯と掃除と、美容院へ行ってお買い物をしたら終わってしまいました…。

しかし最近あちこちでイルミネーション大流行ですねえ。
これは今年からスタートしたらしい天使だそうです。
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by n_umigame | 2008-12-25 22:24 | 日々。 | Trackback | Comments(0)

デヴィッド・ジェイソン、フロスト警部を降板

ミステリチャンネルで吹き替え版が放送されましたね。
感想は追ってアップいたしますが、BBCのニュースによると、1992年から40エピソードを張ったデヴィッド・ジェイソンさんがとうとうフロスト警部を降りたそうです…。

Sir David quitting Touch of Frost

うん。
お疲れさまでした。
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by n_umigame | 2008-12-22 23:53 | ミステリ | Trackback | Comments(0)

エラリー・クイーン『見えない証拠』@劇団P・T企画

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西中島「さあ、やってまいりました。
     司会はわたくし、西中島です。解説は南方さんです。
     よろしくお願いいたします。」
南方「よろしくお願いします。ところでこの名前はどうなんですか。」
西「どーなんですかって…」
南「関西人でも北摂に詳しくて、
  しかも昔の『ぴあ』関西版知ってる人にしか通じませんよ。」
西「まあそこはスルーしてください。
  さー劇団P・T企画による『見えない証拠』、いかがでしたか、南方さん。」
南「そうですねえ、とりあえず、ここ、ニューヨークじゃないですし。」
西「いや、そこは舞台なんですから。」
南「駅からずーっとラーメン屋さんが並んでて
  餃子屋のお兄ちゃんお姉ちゃんが呼び込みしてるような町で
  ”ニューヨークの名門ホテルDIIIにようこそ!”言われましてもねえ。」
西「そこはだから、ここはNYということで。」
南「まあ100万歩譲ってそういうことにしときましょうか。」
西「100歩くらいにしておいてください。
  話が進みませんよ!
  それではですね、今回は舞台はいかがでしたか。」
南「クイーンの『アフリカ旅商人の冒険』でしたね。」
西「はいそうですね。『エラリー・クイーンの冒険』に収録されている佳作です。」
南「エラリーが1910年代にハーバードの学生だったと書いてあって
  作家クイーンさんのエラリーの年齢設定のちゃらんぽらんさが
  だだ漏れになっている…」
西「わああああ!! ええ、JETさんも漫画化されている、
  初心者にもとっつきやすい作品ですよねっ」
南「そうですね。
  そう言えばこの舞台の衣装とかどっかで見たことががあるなあと思っていたら、
  そうかJETさんのマンガのパ……」
西「わあああああああああ!!
  ところで、役者さんたち、熱演でしたね!!」
南「そうですね。わたしは女優さんたちの演技に圧倒されました。」
西「そうですよねー! 正妻vs愛人の戦いのシーンは原作以上にいい感じでした!」
南「まったく、自分はいったい何の芝居を見に来たのかと思うくらいでした。」
西「主役を食ってましたね。」
南「毒を吐くのはわたしの役目ですよ、西中島さん。」
西「はっ、これは失礼しました。
  ミステリー劇場と言うことで今まで数々の作品をいろいろな場所を舞台として
  活動してらっしゃる小劇団のようですが、クイーンはアンコール編ということでした。
  観客参加型の推理劇とうことで、今回はむずかしかったという感想もちらほらと
  あったようです。」
南「正解者にはプレゼントも出ましたね。」
西「そうですね、劇団の方の心づくしというか、こういうのって良いですよね。」
南「原作どおりなんで原作読んでる人なら誰でも解けますが…」
西「わああああああああああああああああ!!
  しかしまあ、とても楽しい舞台でしたね!」
南「そうですね、とても楽しい舞台でした。いろいろな意味で。」
西「またあったらぜひ観に行きたいです。
  それでは、さいはてだったり西シアター、
  司会は西中島、解説は南方さんでお送りしました。」


ど修羅場中★にそんな時間がいったいどこにという状態だったのですが、観てまいりました。
12月6日(土) 21:30~の回です。
場所はライブハウス"LiveBar D. III"。小さなバーがある小さなライブハウスです。
ライブハウスに行くのすらものすごく久しぶりで、もーわくわくしておりました!

楽しかったですよ!
本当に久しぶりに。
また公演があったらぜひぜひ見に行きたいと思っております。

役者さんたちがそれぞれブログを持ってらっしゃって当日の様子なども書いてらっしゃいますので、よろしければぜひに~。

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by n_umigame | 2008-12-22 22:57 | *ellery queen* | Trackback | Comments(0)

『サリー・ロックハートの冒険』@ミステリチャンネル

「ライラの冒険」著者フィリップ・プルマン原作の人気シリーズ ヴィクトリア朝ロンドンを舞台に、変わり者の美少女が謎に挑む!


第1話「マハラジャのルビー」
第2話「仮面の大富豪」


サリー・ロックハート役は、『ドクター・フー』のローズことビリー・パイパー。
ものすごい美少女(第一話では16歳)ということになっているようなのですが、ビリー・パイパー…かわいい。けど美女かな。かな。
あと、ヴィクトリア朝が舞台なので、こー、なんてゆうんですか、「細いウエスト至上主義」な時代にビリー・パイパー…。いやもっちりしていてかわいいと思うんですが。でもヴィクトリア朝。

そしてサリーと恋仲になるフレッド役のJJ・フィールド、ちょっとジュード・ロウ似です。おでこが心配です。(そこかー!!)

そんなどーでもいい話は本当にどうでもよろしい。
ドラマですが、BBCが製作しただけあって、シナリオもしっかりしているし時代考証や雰囲気などについてはすばらしい。

けれども、原作はフィリップ・プルマンです。あのフィリップ・プルマンです。

天涯孤独になった少女が明るくたくましく、すてきな仲間にかこまれて順風満帆で成長し、物語が終わったあとにはすがすがしい感動があなたを包むわけがありませんよ。

『ライラの冒険』を初めて読んだときも、なんて寒くて冷たくて暗い魅力に満ちた物語なんだろうと思ったものでしたが、この「サリー・ロックハート」の方も、原作の雰囲気を正確に伝えているとしたら、そしておそらくそうなのではないかと思ったのですが、やっぱりプルマン節全開★でした。

例えば、第一話。
「マハラジャのルビー」なんて、わーこれから冒険だー! と一見わくわくするような明るさを感じさせるタイトルですが、いーや、もう。
ヴィクトリア朝の女性…アッパー・ミドル以上の階級の女性に求められる教養とはまったく縁のないサリーは、引き取られた伯母さんに面と向かって軽蔑の言葉を投げつけられるのですが、この伯母さんの嫌さと言ったら。も、絶品★です。
この伯母さんの家のメイドも主人である伯母さんに一見忠実そうなのですが、お金に弱くて、それでいて「アタシは寄らば大樹の陰っすよ、おほほほほ」という感じで、サリーをいじめる気満々。プルマンの思う”人に使われる階級のさもしさとしたたかさ”がこれでもかとリアルににじみ出ていました。
これは例えばアガサ・クリスティの作品に出てくる愛すべきお屋敷の使用人たちなどとは一線を画しております。おそらくどちらも真実の姿を映しているのでしょうね。そしてどの真実を真実として採用するかがその作家の作家たるゆえんを決めるのだと思いました。

いわゆる「教養」(liberal arts)は身につけなかったけれども、サリーは非常に聡明で、今で言えば経済や経営、株式、登記などの実学を身につけました。これは日本人にはぴんとこないのですが、イギリスや清朝以前の中国では実学は上流階級の人間ではなく、「働いて食う」必要のある階級の人間の学問だと見なされていました。
サリーが「変わり者」と言われるのは、階級にそぐわない知識を身につけているからということもあるのでしょうね。

第一話から6年後、第二話では22歳になったサリーはばりばりと働いているのですが、フレッドからのプロポーズを断り続け、やっと結ばれたと思ったら…。
この展開に、わたくし、しみじみと「ああ、プルマンだなあ」と思いを深くしたことでございました。

とはいえ、基本的にジュブナイルのようで、ベタながらハッピー(?)エンド(?)です。

プルマン好き、ヴィクトリア朝好きの方にはオススメいたします。

けれども、第一話で行方不明になった女の子はどーなったとか、ミセス・ホランドはカムバックしてくれとか、ヴィクトリア朝で未婚の母になったのにフレッドの叔父さんとジムの懐の深さったら涙もんだよとか、いろいろとありますが、できればまた続きが見たいです。
(このあたりに、ヴィクトリア朝の道徳観念とかキリスト教の観念とかに正面からつっこんでいくプルマンの面目躍如たるものがある、と、その男前っぷりに新たに感動したものでございますが。)(しかしたいへんだよ、サリー…)

原作は20年以上前に発表された作品のようですね。
今から読みます!
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by n_umigame | 2008-12-22 20:34 | 映画・海外ドラマ | Trackback | Comments(0)

Welcome. 本と好きなものがたり。


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