*さいはての西*

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『ダース・ヴェイダーとプリンセス・レイア 』ジェフリー・ブラウン作/冨永晶子訳(辰巳出版)


『ダース・ヴェイダーとルーク(4才)』に続く暗黒卿の子育て絵本"待望の"第2弾。
父ダース・ヴェイダー&思春期のレイア姫。はるか銀河彼方で繰り広げられる親子の日常ストーリー
ティーパーティーの相手をしたり、TIEファイターの操縦を教えたり… 可愛くておてんばなレイア姫に振り回される! ?
(Amazon.jp)



息子のルークのときと違って、レイアとの関係は成長してからのことも描かれています。
今回もほのぼのニヤニヤの連続でした。

 やはり息子のときとは勝手が違うというか、自分が女性だからか、娘の行動パターンあるあるに頷きながら笑いながら読んでしまいました。
 例えば、宿題ほったらかしでずーっと友だちとしゃべっていたり(R2D2が家にいてくれたら絶対こうなるわ(笑))、恋愛相談?に乗ってくれるんだけどトンチンカンなアドバイスしかできないダース・ヴェイダーとか、マックス・レボのコンサート(コンサートだったのかアレ…)に行きたいという兄妹にレコードを見て心配そうなダース・ヴェイダーとか、学費のかかる娘にいろいろ悩むダース・ヴェイダーとか。
極めつけは「わたしにキスしようとしただけじゃない!」ですね(笑)。ハン・ソロ…(笑)。
岡田あーみん先生の『お父さんは心配性』みたいでこれも大笑いでした。

 ダース・ヴェイダーはこんな良い父親ではなく、こんな心温まる親子の時間を持ったはずはなかった、だから受け入れられないという感想も見かけましたが、わたくしは、二次創作は、それがいくら原作ではありえないシチュエーションでも、遡及させる力があれば成功だと思っています。
 つまり、その二次創作を見たり読んだりしたことで、原作をもう一度見てみたいと思わせるかどうか。(知らなかったけど見てみたい、というのもある種の理想ですが、ほんとうは二次創作は原典を見て/読んでからの方が良いと思います。どうしても先入観ができてしまうので)
 そういう意味では、このシリーズは成功していると思います。

 でも残念ながら子どもは二人なので、このシリーズはこれまででしょうか。
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by n_umigame | 2013-05-27 22:11 | | Trackback | Comments(0)

web拍手御礼

気づけばこの1ヶ月全然更新できていないではありませんか…!!

というわけで、たいへん申し訳ありませんでした。
にもかかわらず、ぽちぽちと拍手をくださった方々、ありがとうございました!

応援をいただいたからには更新を続けていかなければならないではないですか、ふふふふふふ。

PoM(The Penguins of Madagascar)にドはまりしたおかげで、Twitterの方でいろいろと盛り上がり、お若いのに人を乗せる天才としか思えない皆さんに乗せられて、ペンギンズ専用のブログを開設してしましましたよ我ながらどこまで行く気だ。

ペンギンズネタ専用ブログは主に二次創作置き場ですので、そんなものでもご了解いただける方のみどうぞ。
いちおうこちらに置いておきますね。

*farwest-memo*
(ブログ名は変更するかもしれません)

こちらのブログがもちろんメインで、二次創作ではないPoM情報や、従来どおり読み散らかした本や見た映画・ドラマの感想などはこちらにアップします。

今後ともよろしくお願いいたします。
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by n_umigame | 2013-05-27 21:09 | web拍手 | Trackback | Comments(0)

『字幕屋のニホンゴ渡世奮闘記』太田直子著(岩波書店)


字幕を読むのが面倒くさいだって? 嗚呼!
字幕制作をめぐる極意からニホンゴ問題まで、痛快な書き下ろしエッセイ

教養とか共通認識といったものも崩壊し始めた。第二次大戦もナチスもベトナム戦争も共産主義も官途もニーチェもヘーゲルもシェイクスピアもオフィーリアもドン・キホーテも漱石も太宰もパレスチナも聖書もコーランも……。めちゃくちゃな列挙の仕方だが、とにかくそれらすべてを「だれも知らない」という前提で字幕を作らなければならなくなった。これでは言葉が通じないのと同じである。-本文より

(帯より)



私は映画は字幕派です。俳優さんたちの声も含めて演技だと思っているので。
アニメでも吹き替えでなく、原語の俳優さんの声の演技を聞きたいので、チャンスがあれば字幕を観に行きます。(めったに行けないんですけれどもね…)


映画字幕翻訳者の太田直子さんのエッセイです。
ブログをやってらっしゃるとは存じ上げず、ですので長文を読むのは初めてです。

帯にあるように、映画の字幕はどんなふうに制作されるのかといったプロセスや字幕制作をめぐるあれこれについてのエッセイなのですが、仕事のプロフェッショナルのエッセイでもあります。
どんな仕事であれ、プロフェッショナルの仕事の仕方、考え方、ものの見方というのは、いつ読んでも/見ても勉強になることが多く、かつ、読んで/見ていてたいへん気持ちが良いです。
もちろんその業種、企業独特の文化はあるのですが、それ以前にきちんと仕事をする上で絶対に外せないところがあって、それはどんな仕事にも共通する部分があります。

また、長年一つの仕事をしてこられた方が皆さんおっしゃることも、やはり共通項があります。
「こんな仕事は自分の仕事じゃない、やりたかったことではない」と、やりもしない/できもしないうちから投げ出すのではなく、まず「やってごらん」と言われた仕事をきちんとやるということ。
一見(そのときの自分にとっては)くだらないと思うような仕事でも、きちんとやり通すこと、その積み重ねが信頼を築き、自分のキャリアになり、やがてプロフェッショナルとして認められるようになるということ。
この「きちんと」という部分が実は大事。これは自分の評価ではなく客観的に見てきちんとできあがっているというところが大事なんですね。

さて、内容ですが、文章がけっこう毒舌で気に入りました(笑)。
最近は文芸翻訳家の方の文章を拝見することも多いのですが、皆さん(不遜な言い方で失礼ですが)日本語の文章がまずとても巧いです。知識があることはもちろんのこと、ユーモアがあってセンスがあって、ものの考え方、見方が多角的で頭がやわらかい。
異なる文化の間を常に行き来されているので、ものの見方が複眼的になるのでしょう。

翻訳家の方もおっしゃっていましたが、字幕翻訳も外国語の読解力ももちろん必要だけれども、最終的に日本語の能力が問われるとのことです。
それはそうだろうと思います。
1秒4字という厳しい制約がある中で、作品や場面の雰囲気を壊さず、全体として物語を伝えなければならない。外国語の読解力だけではなく、映画を作品として理解できる感受性、知識・教養、それを的確に表現できる語彙力、すべて必要になってくるでしょうから、たいへんなお仕事です。

例えばここに自由に使って良い2,000円があったとして、当たりか外れかわからない作品が本と映画それぞれ1作ずつあるとします。その場合、私はたいてい本の方を選んでしまいます。
映画も本も、最初はどちらも作品として楽しむのですが、根っからのオタク気質なせいもあってか、次の作業としては(笑)行間を読んであれこれ妄想するということが好きだからです。より緻密な物語を構成することができるので、どうしてもアドバンテージは本の方にあります。

ただ映画の場合もそれは同じで、本で言えば行間…「遊び」の部分が多ければ多いほど、深読みすることができます。
「よくできた作品ほど物語は細部に宿る。」と著者はおっしゃっていますが、まったくそのとおりだと思います。
そういう映画には、脚本家や制作に携わった人たちが様々な理由で直截な表現を避けたのではないかという部分があります。あるいは、どうとでも解釈できるような目配せが混じっていたり、ものすごく作り込まれているのにある部分はわざと言い落とされている場合。
そういう「自分で想像して補ってください」という挑戦状をつきつけられると、受けずにはいられない作品は、なまじな本より多弁です。

これも著者がおっしゃっていますが、映画であろうが本であろうが、あるいは漫画でも演劇でも、クオリティの高い作品もあればそうでない作品もあります。

ちなみに「字幕屋」というのはあくまでも自称であって他の人にはそう呼びかけないように、とのことです(笑)。
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by n_umigame | 2013-05-08 21:10 | | Trackback | Comments(0)