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『ケルン市警オド』青池保子著(プリンセスコミックス)秋田書店

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活気あふれる中世の大都市・ケルンの治安を守る市警たち。その若きエース・オドは、後輩のフリートも憧れる仕事のデキる男だ。しかしお偉方から厄介払いで命じられた人探しが大事件に発展し…!?
「修道士ファルコ」の人気キャラ「兄弟オド」の治安役人時代の物語。
(出版社HP・画像はAmazon.jpより)



『修道士ファルコ』のスピンオフです。

「ファルコ」が『エルカサル-王城-』のスピンオフなのに、さらにスピンオフ。海外ドラマみたいなことになってきましたが、面白かったです。
青池保子さんの作品は安心して読めますね。
ほかの漫画家の方の絵を見ていると、やっぱり絵を描くって体力なんだよなあと思うこともあり、ファンとしては寂しい気持ちになることもあるのですが、青池さんは安定しているように思います。
と言ってもわたくし全然長年のファンではないので、20年、30年と読んでらっしゃるファンから見たらやっぱりさみしいよ~と感じてらっしゃるのかもしれませんけれど。

主人公は、リリエンタール修道院でのファルコの先輩に当たる、兄弟オド。
俗世では屈強の騎士だったファルコと組んで、腕っ節の強さと、謎があるとついつい推理してしまい、正義感の強いところを見せては「未熟者をおゆるしください」と懺悔しつつ、それを繰り返して読者を楽しませてくれていました。
今回は、そのオドがまだ出家する前にケルン市で警吏をしていたころのお話です。

なのですが、今回の疑惑の舞台は修道院。
なんだかんだ言って平和で、良き秩序が保たれているリリエンタール修道院とは違い、本当にまずい修道院でした。「汝、殺すなかれ」ガン無視です。怖いにもほどがある。閉鎖的で陰謀うずまく修道院と言うと、ちょっと『薔薇の名前』の修道院を連想してしまいます。
オドはリリエンタールでも医療を担当していますが、薬草の勉強をするきっかけになったのがこの事件なんだろうというエピソードもあって、この先、オドが出家するまでどうつながっていくのか、それも楽しみです。
ペトルス修道士はちゃんと罪をつぐなったら、またオドと再会してほしいです。
青池さんのマンガは犬がかわいいのもうれしい。

ところで、最近読んだドイツのミステリー『ミルク殺人と夏の憂鬱』を読んで、この本を青池保子さんがコミカライズしたら何倍も笑えるだろうなあと妄想していました。
いつか叶うといいなあ。




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by n_umigame | 2016-09-21 00:07 | コミックス | Trackback | Comments(0)

『ささやく真実』ヘレン・マクロイ著/駒月雅子訳(創元推理文庫)東京創元社

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奇抜な言動と悪趣味ないたずらで、周囲に騒動をもたらす美女クローディア。彼女が知人の研究室から持ち出した新薬には、強力な自白作用があった。クローディアはその薬を自宅のパーティーで飲みものに混ぜ、宴を悲惨な暴露大会に変容させてしまう。その報いか、深夜、彼女は何者かに殺害された……! 死体の発見者となった精神科医ウィリング博士が、意外な手がかりをもとに指摘する真犯人とは? マクロイ屈指の謎解き純度を誇る、傑作本格ミステリ。
(Amazon.jpより・画像も)


安心安定のヘレン・マクロイでした。

『小鬼の市』があまりピンと来ず、以降コンスタントに翻訳が出て、そのたびにそれなりにおいしくいただいていたのですが、やはりマクロイの翻訳が再度出始めたころの『幽霊の2/3』や『家蠅とカナリヤ』『殺す者と殺される者』辺りの傑作と比べると、クオリティが高いとは言いがたいなあというのが正直な感想でした。
ですが、今回は久しぶりに端正な謎解きをわくわくしながら楽しみました。

マクロイがよく使うような、オカルト的なところはなく、探偵役のウィリング博士が心理学者であるという設定を上手に使って犯人に迫る、非常に端正なミステリでした。
翻訳の文章ももちろんいいのでしょうが、マクロイの文章は読んでいて気持ちがいいです。
「ささやく真実」という邦題もすばらしいですよね。

ウィリング博士のシリーズではギゼラさんが好きで、ギゼラが出てくるとそれだけでうれしくなるのですが、いらいらするほど進展がなくてですね(笑)、で、時系列でうしろの方の作品だともう結婚してるんですよ。
ウィリングとギゼラさんの出会いを描いた作品もあるようなので、邦訳が待たれます。そしてなによりどのお話で結婚することになったのかも楽しみにしています。
今回の作品ではウィリングとギゼラさんとのデートに関する描写が重要な伏線になっていて、さすがだなあとうっとりしました。
ただののろけじゃないから、油断も隙もあったもんじゃありません。

東京創元社から出ているマクロイの本は、デザインも大好きです。



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by n_umigame | 2016-09-21 00:04 | ミステリ | Trackback | Comments(0)

『ミルク殺人と憂鬱な夏 中年警部クルフティンガー』フォルカー・クルプフル, ミハイル・コブル著/岡本朋子訳(ハヤカワ・ミステリ文庫)早川書房

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ふだんは平和なドイツの田舎町で、殺人事件発生。だが殺された食品開発技術者の周囲からは、動機も容疑者も浮かばない。それでもクルフティンガー警部率いる捜査陣は、懸命に捜査を進めてゆく……不器用にして恐妻家、要領は悪いが愛すべき中年警部の獅子奮迅の活躍を描き、ドイツで圧倒的な支持を受けた話題作
(出版社HP・書影はAmazon.jpより)




さらっと読めて、とても楽しかったです。
ヘレン・マクロイに続いて、久しぶりにミステリを読んで楽しいと感じました。(この感覚を大事にしたい)

カヴァーイラストがかわいらしくて(このイラスト、好きです)、タイトルからもコージーミステリーかと思われそうですが、一応きちんとした謎解き形式のミステリーでした。(“一応”て何という話はあとで)ちょっと真面目にミステリーしすぎていると感じるくらい。偏見覚悟で言うと、ドイツの人らしい生真面目さを感じました。いいなあ。

最近、ゲルマン諸語系と言いますか、鳴り物入りで日本に紹介されるドイツや北欧のミステリーというと、陰惨で気の滅入るような描写がこれでもかと続いて、それが露悪的であまりにも悪趣味にすぎるため、いいかげんげんなりして、最近は書店でもミステリーの棚にあまり近づかなくなっていました。そういうものもたまにはいいのですが、一つ何かがヒットしたらそればっかりになるというのは困りものだと思います。(ゆるゆるプリンが流行ったときの、ふつうのカスタードプリンを渇望するあの気持ちったらもう。)

そんな中でTwitterに流れてくる情報などで、あっ、これは私好きかもと手を出してみましたら正解でした。


さて、本書。
原書は2003年、今から13年も前に刊行されていたものです。すでにドイツでは大人気のシリーズで、ドラマ化もされているそうです。映像化作品もぜひ見たいと思わせる小説でした。
ドイツ語圏のミステリーを読み慣れていないせいか、最初はこの独特の雰囲気とノリになじむのに少し時間がかかりました。
でもそれに慣れてくると本当ににやにや顔が笑ってしまうし、ツッコミマシンにならざるをえないし、それをミステリーとしても大団円にまとめてくる 豪腕 手腕はすばらしいと思います(笑いながら)。いや本当に。「よくまとめたな!」って、こう、元気になると言いますか。真犯人がわかるシーンで顔笑ってましたもんね。(それもどうか)

この警察のゆるゆるな感じは、警察犬レックスがちょうかわいいドラマ『REX』を思い出しました。『REX』(はウイーンを舞台にしたドラマですが)も独特の雰囲気で、ミステリーとか警察ドラマとしてはどうなのかと思うエピソードも多く、それなのに見ていると何がおもしろいのかわからないんだけどとにかくおもしろいという、非常に頭悪そうな感想になってしまうところも似ているかもしれません。(※個人の感想です)


以下、少しネタバレですので、真っ白な状態で読みたい方は読了後にまたおいでください。


それで何が“「一応」謎解きミステリー”なのかと申しますと、本当に謎が解けるのは“一応”なのです。
別に探偵役のクルフティンガー警部や、警察の人たちの捜査や推理がすばらしいから犯人がわかるわけではないのです。(言い切った。)
そもそも推理が行き当たりばったりで、しかも推理は全部はずれます。
てゆうか推理してねえ。

それでどうやって事件を解決するんだと思われると思いますが、実際に読んでみたら、本当によくこれで解決まで持ち込んだなと、著者の 豪腕 手腕に惜しみない一人スタンディングオベーション状態でした。
クルフティンガー警部が主人公で主な探偵役ですが、私生活はダメだけど仕事は有能というタイプでもなくて、めちゃくちゃどんくさく、言ってしまうと公私ともにドジっ子です。(いいかげん太鼓は車から下ろせよと何度思ったことか)しかも部下に引かれるくらいケチ。本人は倹約家だと言い張ってますが、客観的にはケチ。(2回)
こんなどんくさくてケチな上司をもった部下に同情してしまいそうですが、部下もたいがいナチュラルボーン天然なのでバランス取れてます。
こんな警察でこの地域の治安とは。と考えてしまいますが、殺人事件がめったに起きないそうなので、結果オーライです。

中年の警察官が主人公だと家族関係が冷え切っているというのが多いですが、クルフティンガー警部は美人の奥さんともうまくいってるのかどうなのかよくわからないところだけがリアリティがあると言いますか、家族関係は概ね良好なようで、そこはほっとします。(クルフティンガー警部のお母さんは作家のエーリヒ・ケストナーのお母さんを思い出しました。)

以上、悪口しか言ってねえじゃねえかと思われるかもしれませんが、ほめてます。
だってこれでおもしろいって奇跡みたいじゃないですか。
クライマックス(?)の空港のシーンなんて、絵柄を想像して笑いが止まりませんでした。コントかよ。

内容はけっこう真面目に警察小説の形式を取った謎解きミステリーなのに、カヴァーイラストがコージーっぽくて、読者を選別してしまうかもしれないと思いましたが、登場するドイツの食べ物の描写がとても美味しそうで、うっかりコージーだと思って釣られた人もそうつかまされた気持ちにならずに済むんじゃないかと思います。そう考えたら秀逸なカヴァーですね。(ケーゼンシュペッツレというドイツ版チーズマカロニみたいなお料理があるそうで、これがとても美味しそう。)

こちらにレシピが載っています。→★「ケーゼ・シュペッツレ」



フロスト警部が好きな人は好きそうという感想を見かけました。当たらずと言えどもやっぱり少し遠いと言いますか、フロスト警部のキャラの方がよほど読んでいてしみるような人情に富み、私生活は哀愁にあふれ、おふざけはとことん悪趣味にふざけ、小説としてはいしいひさいち先生に「短篇集じゃないの」と言わしめた超絶技巧モジュラー型。あんな華麗なる職人芸では決してないです。あんなに下品でもないですし。
この根本的にゆるい雰囲気、まじめにやれと言いたいけれどどう見てもまじめにやっていることから来るおかしさ、フロスト警部のブリティッシュネスに比して、どこまでもこれがドイツなんだろうなと思う、ちょっぴり垢抜けないところも含めて、そんな楽しい小説でした。
続きが楽しみです。

シリーズのHPがありました。→
著者のお二人、お若いですね~。Twitterもされているようなので、ドイツ語OKな方は覗いてみられても楽しいんじゃないでしょうか。


ドラマの画像をちょこっとググったところ、こんな雰囲気のようです。
うわーちょう見てえええ(笑)。
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画像はこちらのサイトより。




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by n_umigame | 2016-09-20 22:31 | ミステリ | Trackback | Comments(0)

E.クイーンのジュブナイル『見習い探偵ジュナの冒険』カヴァーイラスト、アップ!

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見習い探偵ジュナの冒険
幽霊屋敷と消えたオウム
エラリー・クイーン/作 マツリ/絵 中村佐千江/訳
ISBN 978-4-04-631588-5-C8297
定価(税込):734円
名探偵エラリー・クイーンの助手ジュナは、幽霊屋敷の調査を始めるが、女の子がいたり、オウムが消えたりと不可解な現象が続く。同じころ町で起こったにせ札事件も気になっていたが──!?
(画像・内容紹介とも、角川つばさ文庫公式サイトより)

誰、このイケメン。


というわけで、こちらの記事でもご紹介しましたように、クイーンが「エラリイ・クイーンJr」名義(貸し)で書いたジュブナイル、「ジュナの冒険シリーズ」が、角川つばさ文庫から刊行です。
同シリーズのほかの作品も出るのかどうかは、見ている限り、現時点では不明ですが、できれば全部出て欲しいですね。早川書房から出ていたものが今手に入りませんし。

いわゆる国名シリーズに登場しているジューナとは別のキャラクターですが、角川文庫から新訳で出た表紙がアレだし、角川さんだし(2回)、表紙、どうなる こと かしら…と そわそわ ドキドキしながら待っておりましたけれども、わりとおとなしいですね?(どうなってほしかったのか)

ジュナの冒険シリーズに出てくジューナって、昔のジュブナイルということもあって、いかにも当時の大人受けしそうな、折り目正しい、適度な冒険をする男の子、という感じなのですけれど、今回の表紙は、ええ感じにいちびり、じゃなくて、どちらかというと国名シリーズの頃のエラリイが子ども時代ってこんな感じ? っていう、小学生のとき下手したらいじめられませんでした? じゃなくて、やんちゃそうでいいですね。
(エラリイの青春時代は暗かったそうですけど、そらあんた国名シリーズのとき20代でもあのいちびりっぷりで、中2(物理)の頃どんなんだったか想像しただけでもう)

自分も小学校3~4年生のときには大人の文庫本読んでましたので、今でも早い子なら、一足飛びに大人の文庫本に手を出すと思いますが、まだまだそれは、という子どもたちにも、これをきっかけに 沼に クイーンを読む読者が一人でも増えてほしいですね。
クイーンのイベントやら拝見していると、そして人のことは言えませんが、失礼ながら、やはり読者やファンが高齢化してきているようですので、ここらでいっちょ、若さはじける読者層にも広がっていってほしいと思います。
あの国名シリーズのときのエラリイって、子どものころや、せいぜい中学生くらいまでにクイーンを読んだ人には「かっこいい」と見えたり、少なくともあんまりアレコレ気にならないようですので、若さゆえに何かが見えない状態での読書も、ある意味大事だと思います。
のめりこめる深さも全然違いますしね。








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by n_umigame | 2016-07-26 23:08 | *ellery queen* | Trackback | Comments(0)

エラリイ・クイーンのコミックス、もういっちょです


しばらくほんとうに鳴かず飛ばずだったエラリイ・クイーンのネタを続けてお届けできてうれしいです。

まだありました、アメコミのクイーン。
近年、ちょこちょこと復刊されていたのですね。ビバ、電子書籍。

(Amazon.jpのページに飛びます。以下、表紙画像もアマゾンより)

タイトルが鬼長いですが、これはいわゆるダイム・ノベルならぬダイム・コミック本、パルプ・フィクションですね。(ほんとに10セントなんだ)
いかにも読んだら頭悪くなれそうです。表紙もそんな感じです。楽しいなあ。

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1冊目が、金髪巨乳美女が危機一髪のところへエラリイが間一髪で飛び込んでくる表紙、
2冊目が、金髪巨乳美女が危機一髪のところへエラリイが間一髪で飛び込んでくる表紙です。

ちなみに、エラリイ・クイーンものは全部で4本収録されていますが、表紙の金髪巨乳美女出てきません。
むしろ危機一髪の目に遭ってるのエラリイです。エラリイ、安定のヒロインです。
さすがパルプ・フィクション。この看板に偽りあり度と言ったら。

ただし、電子書籍のおかげで、画質が悪くて、特に自分の持っているKindle Paperwhiteだと解像度が低くて、読みにくいったらありゃしませんよ。モノクロなのがさらにそれに拍車をかけていて、スマホのKindleアプリでカラーで拡大して読んでみたりしていたのですが、あまりの読みにくさにそれも挫折しました。

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とても読みづらい。

Kindleは、マンガを読むつもりで購入したわけではなかったので、やっぱりとても向いていないと思います。(特に日本のコミックスでアナログで描かれたものは、見開きの効果を意識したページだったりするので、Kindleだと台無しになってしまいますしね)
できればもう少し大きめのタブレットで、フルカラーでご覧になることをオススメします。

原本が2冊だったものを合冊された形式のものを購入したのですが、単行本のものもありました。

とりあえずざっと読んだところだけご紹介すると、次のような感じです。
ちょっとネタバレになるかもしれませんので、お気になさる方はここで回れ右でお願いいたします。


○原本1冊目収録分
"Ellery Queen in The Corpse That Killed!"
墓場で幽霊が男性を絞め殺そうとしている現場で、それを実況しているクイーン警視とエラリイ。止めろ。てか幽霊見えるんですか霊感強いですね。そしてどうしても最後にうまいこと言いたいんですね。

"Ellery Queen in The Chain-Letter Murders"
温厚そうな老婦人がとある政治家の事務所にやってきて、彼の頭を銃でふっとばして殺害。老婦人は自分も死ぬ前に謎の言葉を残し、次に起きたホテルでの殺人事件でも犯人は同じ謎の言葉を…。というお話。クイーンだいすきダイイングメッセージ。けどこれどこまでクイーン噛んでたんでしょうか。
こんな昔からチェーンレターってあったんですねえ。あとエラリイの小芝居、よく成功したなこれ。どういうシチュエーションだよ。

○原本2冊目収録分
"Ellery Queen in The Death Parade"
未読なんですが、最初のコマが撃たれてゴム棒みたいなので殴られてブランコ?を頭に投げつけられてるエラリイ。これ死ぬでしょふつう。

"Ellery Queen in A Killer's Revenge"
未読なんですが、最初のコマが大木?にロープでぐるっぐる巻きにされてるエラリイ。んもう、ヒロインなんだから。



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左:クイーンパパ、右:エラリイ。
二人ともスーツの趣味を何とかしてください。クイーンパパはとても着こなしが良いおしゃれさんのはずだったのに……。
でも父子が似てるように描かれているところはうれしいです。

そんなかんじで楽しいですし、今、Kindleなら370円ですよ。




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by n_umigame | 2016-07-04 00:17 | *ellery queen* | Trackback | Comments(0)

角川つばさ文庫より、エラリイ・クイーンのジュヴナイル刊行(開始?)!


Twitterで知った情報ですが、エラリイ・クイーンのジュヴナイルシリーズ、「ジュナの冒険」が、角川つばさ文庫から刊行されるようです!
びっくり&狂喜乱舞。

タイトルは『見習い探偵ジュナの冒険 幽霊屋敷と消えたオウム』、翻訳は『ガフールの勇者たち』シリーズなどの中村佐千江さん。
刊行予定日は、2016年8月16日となっています。

とりあえずAmazonでは予約が始まっていましたので、音速でポチってまいりました。
Amazonのページへ
名探偵エラリー・クイーンの助手ジュナは、幽霊屋敷の調査を始めるが、屋敷は1日おきに空き家になったり、オウムが消えたりと不可解な現象が続く。同じころ町で起こったにせ札事件も気になっていたが──!?(Amazon.jp)



この「ジュナの冒険」シリーズは、日本で刊行された文庫本は全8巻でした。単行本になっていない『紫の鳥の秘密』が「ミステリ・マガジン」で邦訳掲載されたことで、いちおう全9作品が邦訳が出たことになっています。

私物。
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(今気がついたんですけれど、「ミステリ・マガジン」で連載されたとき上・中・下編の3部構成だったようで、下編どこいった?)

の、はずだったのですが、これは新しい作品が発見されたということなのでしょうか。
それとも、原題をまったく無視して中身からつけたタイトルなのでしょうか。
このシリーズ、全巻揃えたくせにいまだに未読のものがありまして、内容が全部わからないのです。申し訳ない。(『緑色の亀の秘密』辺りの新訳くさいですが)


このシリーズは翻訳者がとても豪華でしたが、作品(原著)そのものは、エラリイ・クイーンが、作家としての不調期に、ゴーストライターに「エラリイ・クイーンJr.」名義で書いてもらったものだったそうです。
クイーンの国名シリーズの頃に登場した「ジューナ」という名前の少年(と言っても19歳)のスピンオフなどではなく、かと言ってジューナの過去のお話というわけでもなく、まったく別のお話です。探偵エラリイも登場しません。
「アニー・エラリイおばさん」と暮らしているのですが、クイーン家と関係があるわけでもないです。いちおう世界は共有しているのかなと思わせる部分がないでもないですが、別の物語世界のお話とわりきった方が、それを期待して読む人にはいいかもしれません。

なので、上のAmazonの内容紹介は、だいじょうぶかいなと(笑)。
もしかしたら、この紹介の仕方では、小林少年のような活躍をジューナがするお話を期待される方もあるのではないかと思いますが、違いますよと。
JAROに訴えられないようにしてください(古)。

「ジュナの冒険」シリーズについては、こちらのサイト様で必要最低限の情報を概観できます。とても見やすいページになっていますので、このシリーズに興味のある方はどうぞ。





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by n_umigame | 2016-07-04 00:04 | *ellery queen* | Trackback | Comments(0)

『ABC殺人事件 名探偵・英玖保嘉門の推理手帖』(全4巻)星野泰視著/アガサ・クリスティー原作(ビッグコミックス)小学館


新解釈のポアロ、昭和11年の横浜に登場!
あの名探偵・エルキューロ・ポアロが、昭和11年の横浜に甦る!
相対するは、ABCと名乗る連続殺人犯!!
アガサ・クリスティーの名作「ABC殺人事件」を、
全くの新解釈で完全漫画化!!
昭和11年2月----226事件が勃発し、戒厳令が敷かれた
帝都・東京の浅草で、一人の惨殺死体が発見された。
その前日には、横浜で名探偵と名高い英玖保嘉門の元に
犯罪予告状が届いていた……!!(出版社HP) 


出版社のHPで試し読みができるようです。⇒


以下、ネタバレなのでもぐります。






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by n_umigame | 2016-06-22 00:20 | コミックス | Trackback | Comments(0)

ルイス警部S9(ファイナルシーズン)放送日決定(※訂正あり)


……してました!!

■オックスフォードミステリー ルイス警部 (AXNミステリー公式ページ)
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(↑上の画像も公式ページより)

シーズン9(エピソードガイド→
・第1話「悲しみの童歌/One for Sorrow」2016年6月8日(水)午後8時~
・第2話「錬金術殺人事件/Magnum Opus」2016年6月9日(木)午後8時~
・第3話「絡まった結び目/What Lies Tangled」2016年6月15日(水)午後8時~

⇒誤)6月1日の水曜日午後8時から毎週、3回放送です。
⇒正)6月8日(水)・9日(木)の午8時~2日連続+15日(水)の変則
いきなり大嘘つきました。おわびして訂正いたします。
AXNミステリーのHPも6月1日~となっていますが、1日に始まるのは「シーズン8」、「シーズン9」は8日~、です。


しかし、なんといううっかりっぷり。(;>д<)
TwitterでTLを見逃していたら番組も見逃していた可能性大です。あぶないあぶない。
(同じように『幼年期の終わり』も見はぐるところでした…)
ツイートしてくださった方、ありがとうございました。


「ルイス、やめるやめる詐欺」
「『ハサウェイ警部』に続く」
「『修道士ハサウェイ』っていう新スピンオフが始まる」
「「楽しみですね!!!」」

という一部のファンの熱い 妄想 思いもよそに、『ルイス警部』もついにシリーズ9で終了です。
泣いても笑ってもこれで最後なんですね。

IMDbを見ていると3エピソードを全6回に分けて放送されたようですが、AXNミステリーでは一気に(?)全3回で放送する模様です。もうそれくらいでいいかもしれませんね。

このあとルイス役のケヴィン・ウェイトリーさんのお仕事情報は特に聞いていませんが、TVシリーズの主役は体力的にとてもしんどい仕事とも伺っていますので、いったんお休みされてください…とも思います。

ハサウェイ役のローレンス・フォックスさんは、俳優をやめて音楽活動に専念するとかTwitterで言っていましたが、けっきょくどうなったのでしょうか。今までも『ミス・マープル』など、古典的なにおいのする英国ドラマにちょくちょく出ていましたので、これからもときには俳優としてお顔が見たいですね。まあ俳優一家なので、ご縁は切れないでしょうから、今後も「なーんちゃって★」みたいな感じでひょこっと出てきてくれるような気はしています。「やめるやめる詐欺はおまえだ」って言いたいからぜひ戻ってきてください。

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(Pinterestなどからの拾いもの…怒られたら下げますね…)
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もっと身長差があるように感じるのですが、こうやって並んでいるとそうでもない??
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ケヴィンさんのお人柄かローレンスのわんこか!的な人なつっこさの賜物か、いつ見ても素でも仲良し。






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by n_umigame | 2016-05-31 23:08 | 映画・海外ドラマ | Trackback | Comments(0)

<小ネタ>こんなところにエラリイ・クイーンが


『Comic S 早川書房創立70周年記念コミックアンソロジー』というコミックスが、今年の初めに出まして。

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早川書房らしく「SF篇」と「ミステリ篇」が出ていまして、こちらは「SF篇」になります。
「ミステリ篇」は坂田靖子さんにつられて、「SF篇」は題材につられて買ってはみたものの、感想はおおむねAmazonに掲載されている皆さまの感想と変わるところがありませんでした。(版元が版元なので、もう少し面白くできたんじゃないかと思うのですけれどもね…読者の期待もそれなりにあるでしょうし。いっそ、最近のイマドキ狙いのジャケットに合わせて、若手の漫画家さんや、これはと思われる新人さんで揃えても良かったんじゃないかなとか…って最近、ハヤカワさんの本はほぼノンフィクションしか買ってないのですが)
まあいいや、横山えいじさんのマンガ、好きだから。(何そのなぐさめ方)

そんなこんなでアンソロジー・コミックスとしては感想がこれといって出てこなかったのですが、あらま。という箇所を見つけまして。

ふくやまけいこさんの作品に、エラリイ・クイーンの本(原書名で)が並んでいて、ここでちょっとだけテンション上がったので(笑)、ご紹介させていただいておきます。

じゃん

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しかもけっこうマニアックなのが並んでいる。
クイーンでない本も並んでいますが。


…いや、だからどうしたと言われても困るのですけれどもね。

マンガを読んでてこんなところでひっかかる自分が気持ち悪いです(笑)。
ふくやまけいこさんはクイーン・ファンでいらっしゃるのですね、きっと。いや間違いなく。



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by n_umigame | 2016-05-26 00:13 | *ellery queen* | Trackback | Comments(0)

『貴婦人として死す』カーター・ディクスン著/高沢治訳(創元推理文庫)東京創元社



数学の教授だったアレックは六十、年の離れた妻リタと村はずれで平穏に暮らしていたが、バリーという若造の出現で状況は一変する。ある晩リタとバリーは突如姿を消し、海へ真っ逆さまの断崖まで足跡がついていた。二日後遺体は発見されたが、腑に落ちない点が多すぎる。二人の死は心中か殺人か、村に住む老医師が綴った手記から浮かび上がる真相とは? 張りめぐらした伏線を見事回収、目配りの利いたヘンリ・メリヴェール卿活躍譚。
(Amazon.jpより)


なんですかこれ。
めちゃくちゃ面白いんですけれども。

「カーはおもしろいに決まっとる今頃何を言っておるのかね、きみは?(キッ!)」
とおっしゃる向きに、ここでいっぱつ聞いてください。


~ポエムと小芝居~「カーとわたし」


初めての出会いは『火刑法廷』だった。
当時はもちろん旧訳…けれども壮絶に挫折したわ。
この訳と相性が悪いのかしら…ううん、わたしのリテラシーがなってないのね。そう思ったから新訳でもトライしてみたの。
だめだった…だめだったの…!!(ここで唐突に感極まって泣き出す)
(気を取り直す)
それで、バナナの皮ですべって転んだ名探偵がいるって聞いて。
最初は「本格ミステリ界の都市伝説ね…ふふふっ、おじさま方ったら。お・茶・目・さん★」って笑って流してたら、ほんとだったから、びっくりよ?
それがH・M卿だったの。
しかも、作品は、アレよ。
どうなの。
どうなのもこうなのも、トリック忘れるくらい笑ったわ。
そんな理由でミステリ読むってどうなのって? きっかけはなんだっていいじゃない?
それで、そのあとも読んだのだけど、H・M卿が出てこなかったせいかしら、あまりぐっとこなかったのよ…!わあああっ!(再び唐突に感極まって走り出す) 


などと思っていましたごめんなさい。

あんまり面白かったので、直後に、某書評サイトでオススメされた『墓場貸します』も読みました。一気読み。

H・M卿は、騒々しくてものぐさでいじわるそうだなんて描かれ方をしていますけれど、そんなことは全然なくて(騒々しいのは否定しませんが)、これほど社会人としての常識を備えた黄金期の「名探偵」は見たことがありません。
だって、自分は警察の捜査に口出しできる立場じゃないけど…と、ちゃんと警官に言うんですよ。一体何の権限があって捜査に首つっこんでんだこの人はしかも態度でかい、というのがもうお約束の黄金期の本格ミステリ世界にあって、何という謙虚さ&常識人さ。そしてそれがかえって呼び起こす清々しい新鮮さ。
しかも、とても心優しい人ですよね。
自分の好奇心を満たすためだけに、推理のための推理をしない。他人が触れて欲しくないところにちゃんと配慮してあげている。正義を振りかざさない。

こんないい人、黄金期の名探偵で初めて見たよ…!! と、何よりもそこに感動しました。
もちろん、本格ミステリ(パズルミステリ)としても面白くて、女性キャラクターも頭からっぽのお人形さんみたいではないし、なによりもユーモアが満載で、久しぶりにミステリ小説を読んで「あー楽しかった!」と思いながら本を閉じました。

とは言え、まだH・M卿ものは2冊+短編数編、カー全体で数えても10作も読んでいないので、これからいろいろ読もうと思います。

まずH・M卿が出ている作品がいいなと思い、『ユダの窓』と『黒死荘の殺人』を買ってきたのですけれど、「貴婦人」「墓場」が面白かったのなら、次はこれだろ? というおすすめがあればぜひご教示くださいませ。『白い僧院の殺人』も持っています。(※未読)
(某書評サイトで「墓場」をおすすめくださった方は、まったく見ず知らずの方なのですが、「貴婦人」がおもしろかったのならコレという実に的確なおすすめをしてくださったことがわかりました。なかなかこうはいかないものですよね、本のオススメって難しくて…。こちらでも改めて、ありがとうございました!)

BBCは次、H・M卿シリーズをドラマ化しませんかね? かね?


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by n_umigame | 2016-04-27 00:07 | | Trackback | Comments(0)