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*さいはての西*

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『いやよいやよも旅のうち』北大路公子著(集英社文庫)集英社

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 ビールとテレビさえあればいい。そんなぐうたらエッセイストが、いやいや日本全国を巡る旅に。札幌(地元)から那覇(遠い)まで、一道五県を舞台に、死ぬまでしたくないことに挑戦してみました。生まれて初めての犬ぞりにジェットコースター、青木ヶ原樹海探検に、パツパツの水着でシュノーケリング……果たしてキミコさんは無事に旅を終えられるのか。ご当地ネタも満載の、爆笑必至の旅日記。
(ジャケット裏より、画像はAmazon.jpより)


 ゆで卵を粗みじんに刻むのが面倒くさく、エッグスライサーで十字に切ってすませていたのですが、先日みんな大好き土井善晴先生が同じ方法で切ってらっしゃるのを見て、生きる希望がわいたにせうみがめです。ごきげんよう。
 そんなわたくしが仰ぎ見ている、ものぐさ界の北極星・北大路公子さんの新刊です。

 『ロス猫日記』も読み終わったのですが、感想はこちらの本から。(『ロス猫日記』は猫への愛がとにかくどうかしており、犬派のわたしでもゲラゲラ笑えておもしろかったです! 愛しているからこそ飼えないその気持ち、とてもよくわかりますよ…うぐうぐ…)

 「ビールとテレビさえあればいい。」というのは大げさでもなんでもなく、起き抜けでもビールなら朝から飲める人なんだなと感心しきりだったのですが、Twitterでも毎日のように「風呂が遠い」「風呂が来い」とツイートされているので、きっとほんとうにテレビの前から動かない人なんでしょう。
 
 そんなキミコに旅行してもらうだけでなく、旅先でアクティヴに過ごしてもらおうという、考えた編集者さんたちのドSっぷりが光る企画、わくわくしながら読みました。(ドSは誰だ)
 期待を裏切らず、毎回始まる前から終わってほしいとグズグズ言ってるのがまずおかしいし、旅先でもほぼ同じテンションで、ビールを飲むとき以外はだいたい逃げ出したい感満々です。

 惜しむらくは、ぜひぜひ、富士急ハイランドのお化け屋敷にも挑戦してほしかったです。(鬼か。)富士急ハイランドのお化け屋敷と言えば、ホラー大好きないいトシの知人すら、あんなヤバイとこ絶対行かないと言っていた覚えがあり、ちょっとググっただけでも「本当に出る」「給料は悪くないのにバイトが次々とやめる」などといった不穏なあるある情報がばかすかとヒットし、そこまで言われたらとても行ってみたいです。
 源平合戦の古戦場には大興奮されてるんだから、あながちお嫌いではないのではと思うんですよね。どうですか。どうですか。(2回)
 でも知ってる義経がチンギス・ハーンになった人しか知らないのはどうかと思います。確か北海道から大陸へ渡ったんですよね。その人きっと義経じゃない人です。
 日本でも最大級だったという蝋人形館「高松平家物語歴史館」にも行ってみたかったです。(平成31年3月で閉館)蝋人形って怖いんですよね。ただの人形だとわかっているし、造形もよく見たらそんなに精巧にできているわけではないのに、それがかえって怖いと言いますか。

 企画は(お金もかかることでしょうし)この文庫本に収録されているものでおしまいになったようですが、機会があれば、またほかの場所へも、そしていつの日か海外編があったら読みたいなあと思います。

イラスト・挿絵担当の丹下京子さんのウェブサイトでも一部作品が見られます。

「高松平家物語歴史館」の在りし日の様子を紹介されているブログがありました。
■となりのかがわさん




# by n_umigame | 2020-05-06 23:00 |

年始のごあいさつ

新年あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。

さきほど、この年始のごあいさつ、去年はどうしたっけかなと過去記事を検索したら、

昨年は書いてないですね!! 

HAHAHA!!(殴。



最近、ちょっとしたことはTwitterの方に投稿してしまい、それで気が済むことか、長文をしたためたいことは逆にありすぎてまとまらないという状況が続いていますが、ブログはブログでやはり残しておきたいので、少しずつでも更新できれば…できれば……!(抱負だけは大きく!もないですが!)

今年もよろしくおねがいいたします。

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今年のごあいさつ画像は、Twitterでも話題になった ちゅうもっち さんです。
あまりのかわいさに一目惚れでございました。
郵便局で毎年このような干支にちなんだ縁起物ぬいぐるみを出しているようなのですが、今まで知りませんでした。
名前もいいですよね。ちゅうもっち。かわいい。鏡餅とかけてあるちゅうもっち。鈴がチリチリ鳴るのもかわいいちゅうもっち。かわいいよちゅうもっちさん。来年は何でしょうか。(鬼大笑い。

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ここ数年、毎年の念頭の抱負は「目指せオリンピックの年!」だったのですが、おかげさまで、2020年の日の目を拝むことができました。
なんとか5年目のお墨付きをいただいたら、またご報告できればと思います。

あと、こんな開店休業状態のブログにも拍手をぽちぽちといただいており、ありがとうございます。



# by n_umigame | 2020-01-05 23:24 | 日々。

『死が最後にやってくる』アガサ・クリスティー著/加島祥造訳(クリスティー文庫)早川書房

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傲慢で美貌の愛妾ノフレトを連れて族長が帰ってきた。その日から一族のなかには反目や憎しみが。そしてノフレトが崖の小径から謎の転落死を遂げた。これで平和が戻ってくるかに思われたが――紀元前二千年のナイル河畔で起こった恐るべき惨劇! エジプトの古代都市を舞台に華麗な世界が展開する異色ミステリ。(解説 深堀骨)
(出版者HP・画像も)


 BBC版「ABC殺人事件」を見終わったので、プチ・アガサ・クリスティー祭り。
 次回のドラマ化は『死が最後にやってくる』と『蒼ざめた馬』がアナウンスされており、一度読んだことがある『蒼ざめた馬』の方はあとにして、未読のこちらを読みました。(クリスティーは8割くらい読みましたが、ノンシリーズものはまだ未読が残っています)

 未読になっている作品は未読になっている理由がやはりそれぞれにありまして。
 この『死が最後にやってくる』の場合は、『アガサ・クリスティー完全攻略』(霜月蒼著、講談社)で☆が一つだったからです。
『死が最後にやってくる』アガサ・クリスティー著/加島祥造訳(クリスティー文庫)早川書房_d0075857_17575637.jpg
(画像は出版者HPより)
 
『アガサ・クリスティー完全攻略』は「翻訳ミステリー大賞シンジケート」にて3年半にわたって連載されていた書評が本になったものです。(現在は「完全版」が早川書房から文庫で刊行)タイトルどおり、クリスティーの全邦訳作品を読破して、1冊1冊に書評をつけ、星付けでランキングもされているという、たいへんな労作です。個人的に好みや評価が合う点が多く、信用している本だったので、「この本で☆一つって、ほかには『ビッグ4』か…てことは、相当アレなんだろうな…」と思っていました。
 しかし、百聞は一見にしかずというか、本の感想は本当に人それぞれと言うか、やはり本は自分で読んでみなければわからないですね。『死が最後にやってくる』が『ビッグ4』とタイというのは、いくらなんでも厳しすぎるのでは? クリスティ作品の中でも孤高の駄作…いやお茶目の極北に輝く『ビッグ4』にもちょっと申し訳ないのでは? と思いました。
 クリスティーの作品は平均点が高いので、立て続けに読むと味がわからなくなるきらいがあります。ですので、間を置いて読むと評価が変わるかもしれません。(『ビッグ4』が☆一つという点については異論はありません。ありませんとも。)(弘法も筆の誤り、クリスティーにも『ビッグ4』です)
 あと、巻末の深堀骨さんの爆笑解説がクリスティーの神髄を表していると言っても過言でなく(過言かも…)、この解説のためだけでも紙の本でこの本を買ってよかったと思いましたね。

 物語の舞台は、二千年前くらいのエジプトで、クリスティー唯一の歴史ものと言われています。ですが、率直に申し上げて、これは「歴史もの」ではないです。クリスティーが冒頭、自分で「場所も年代も物語自体にとっては付随的なもの」と宣言していて、登場人物はどう見ても現代人で、何ならエジプトの人にも見えません。「アガサは(中略)紀元前二千年のエジプトを、ポアロやミス・マープルや退役軍人や午後のお茶が跳梁跋扈する毎度のアガサ的大英殺人帝国と何ら変るところなく描いてしまう。」という解説の一文に凝縮されています。ですので、クリスティーと言ったら「大英帝国」にうっとりしたい向きにも、実はオススメです。

 また、次のBBC映像化作品に「今」選ばれた意味も、なんとなくわかる作品でもありました。


 以下、ネタバレですので未読の方はご注意ください。犯人も割っています。







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# by n_umigame | 2019-09-01 23:55 |

BBC版『ABC殺人事件』(2018)原作との相違点

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 サラ・フェルプス脚本、アガサ・クリスティ原作ドラマ化第4弾は『ABC殺人事件』。
 このドラマと原作の相違点について、「ラジオ・タイムズ」のウェブ記事があったのですが、日本語でまとめてあるものを見つけることができなかったので、この記事を参考にさせていただきつつ、自分のメモ代わりに記事にまとめました。

 ネタバレしかありませんので、OKの方のみお入りください。

 長いですよ……。

BBC版『ABC殺人事件』(2018)原作との相違点_d0075857_16154558.jpg








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# by n_umigame | 2019-09-01 23:44 | ミステリ

web拍手御礼

 たいへんご無沙汰しております。

 こんな開店休業状態のブログにも毎日お越しいただいている皆さま、
 そればかりか、なんだか懐かしいものが置いてあるわとうっかり拍手ボタンを押してくださっている方々、
 本当にありがとうございます。

 最近、昔流行ったこの手のウェブコンテンツは次々とサービスを廃業しており、web拍手ももしかしたら死んでるかもしらんわと思っていたら生きてましたね。(言いぐさ)
 これからも共に生きよう。(プロポーズ。

 長年お世話になっておりますとともに、こんなブログでも少しでもお楽しみいただけているようで、たいへんうれしいです。

 初めて海外一人旅で行ったニューヨークの話とか、やはり初めて訪れた東北地方で弘前楽しかった話とか、
 読んだ本や映画の話もしたくてたまらないのですが、取り急ぎお礼まで。

何かいい画像はないかと思ったのですが、弘前で食べたお弁当おいしかったです。(ほかにないのか)

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 ところで、東北地方に初めて行ったのでびっくりしたのですが、ホテルのキーを抜くとエアコンも冷蔵庫も止まる仕様だったのには往生しました。
 アップルパイを買い込んで冷蔵庫に入れておいて、ちびちび食べる計画が野望で終わりました。



# by n_umigame | 2019-09-01 22:23 | web拍手