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*さいはての西*

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『生存者たち』#1

1970年代に熱狂的人気を誇ったオリジナル「SURVIVORS」を2008年にBBCがリメイク!
衝撃のサスペンス「生存者たち」、AXNミステリーで日本独占初放送!!!

原作は、「ドクター・フー」の原案者でもあり、脚本家のテリー・ネイション(1930-1997)が書いた同名小説「SURVIVORS」。

熱狂的な人気を誇ったオリジナル版は、1975~77年にかけてイギリスBBCで制作、放送された。
本作は2008年にBBCがリメイク。製作総指揮であり、脚本も担当したエイドリアン・ホッジスは、オリジナル版に新しい解釈を加え、キャラクターにもひねりの利いた個性をプラスし、オリジナル版と肩を並べるほどのサスペンス・ストーリーを作り上げた。

SARSや新型インフルエンザなど、「パンデミック(感染症の世界的大流行)」という言葉をニュースで耳にすることも多い昨今、本作は強いメッセージと説得力を持つ衝撃作だ。またオリジナル版制作時から30年が過ぎ、携帯電話やインターネットなど、便利な生活が当たり前になった世の中で、その科学技術へ依存しきっている現代人に向けての警告とも言えるドラマだ。

生存者グループのリーダー的存在、アビー・グラントを演じるのはイギリスの女優ジュリー・グレアム。彼女は、映画「いつまでも二人で」で注目を集め、AXNミステリーで12月から放送が決定した「ボーンキッカーズ 考古学調査班」でも、考古学調査チームのリーダー、ジリアン博士を務める人気女優。

11月よりAXNミステリーで日本独占初放送!!(AXNミステリーHP)


AXNミステリーで第1話を無料配信していたので、見てみました。
BBC製作で、『ドクター・フー』の原案者が原作と知って、けっこう期待していたのですが、第1話を見る限りいたってふつうのパニックものが始まる予感です。

発症したらまず回復する見込みがなく、全人口の9割が死亡すると予測される新型ウィルス、という設定です。
ドラマは、だんだんと感染者が増え、病院に患者が殺到し、政府もパニックを抑えるために虚偽の明るいニュースを流す以外に為すすべもないという状況から語られ始めますが、後半(というよりほぼ最後の方になって)ある日とつぜん、夜が明けたら、研究者の予想どおり9割方死んでました、あらいやだどーしよー! というところで第1話完。
であります。

今年の5月に新型インフルエンザの感染者が発見されたとき、あんなに大騒ぎしていたのに、東京で感染者が見つかってから急に報道されなくなりましたから、どこの国でもこの手の情報統制はやるんだろうなというリアリティはありました。

まだ、「こういう事態になりました」というドラマ世界の状況説明と、「この登場人物はこういうキャラです」という人物紹介で終わってしまっているので、今後どういう展開になるのかわかりませんが、生存者たちのサバイバルの様子がいろいろと語られていくドラマになるのだと思います。タイトルのまんま。

全部録画しておいて、何かしながら横目で休日に全部見る、ということになるか、途中で投げるかどちらかになりそうなドラマです。
腐ってもBBCのドラマなので、今後大化けして「申し訳ありませんでした」とTVの前で心から謝りたいでき具合になっているかもしれませんが。

カメラの撮り方とかなんだかアメリカのドラマみたいだなあと思ったのですが、アメリカのドラマみたいに不自然な率で美男美女が占めることがないので(笑)、そこは見ていて疲れるということはなさそうで安心です。




ところで……(以下AXNミステリーについてのどーでもいい余談。)










久しぶりに掲示板を拝見したのですが、なんか、雰囲気すさみましたね…。


ミステリ・チャンネルがAXNの傘下に入ることについても皆さま一家言お持ちのようだったですが、わたくしはまあそこはどーでもよく(笑)、いい作品を放送してくれたら、親がどこでもいいと思っていました。
なつかしい作品、自分が生まれる前の作品を発掘してくれるも良し、新しい作品をどんどん紹介してくれるのも良し。
『生存者たち』のような2008年の作品を早速買い付けてくるスピードも、もしかしたらAXNのネームバリューの力もあるのではないかと思いました。

ミステリを意識して読み始めて感じていたのですが、どーしてもマニアックな雰囲気が強くて、一般の人に広く門を開けている雰囲気ではないということです。
これはジャンル小説には宿命かとは思います。
かすみを食って生きているわけではない人間として、どうしてもメディアとして生存していかなければならない、となった場合、視聴者の裾野を広げることが経営上の至上命令であるということもわかります。

もっさりしたマニアックな雰囲気から(ミステリチャンネルさん、すみません…それはそれで好きでしたが)、垢抜けた明るいデザインに刷新することもその戦略(というほど大きくないかもですが)のひとつでしょう。
コアなミステリファン向けの作品ばかり放送して固定の少数のファンはついたけど、その少数のあがりだけで維持できるレベルは知れていて、新しいドラマの買い付けもできない状態から脱却を図りたい、ということもあったと思います。
(ひところの再放送だらけのプログラムを思い起こすと、そういう状態だったのではないかと…)

AXNさんを弁護する気はありませんが、ミステリに主眼を置いて放送しようというチャンネルが曲がりなりにも生きていくために、ある程度の譲歩をすることは、わたくしはイヤだとは思いません。
ミステリは非常にニッチなニーズを生むジャンルだと思いますので、そのニッチを全部埋めるために番組を選ぶということは至難のわざでしょう。
自分の好みがメジャーではないつらさや苦悩は、よーーーくわかりますが(笑)、それならそれで、別の楽しみ方もありますよ。わたくしの場合は元々テレビにあまり過剰な期待をしていないので、気が楽だということもあるかもしれません。

ただまあ、以前のように、明らかに急激に売れた俳優さんの昔の歴史ドラマとか、視聴者の層がおそらく全然違う韓国ドラマを大量に投入するというやけっぱちは、おやめになった方がよろしいかと思いますが。
一時的に視聴者が増えても、チャンネルの視聴者を根こそぎ変えてしまっては意味がないでしょう。
地味ながらも良質のミステリを日本で見られるのは、そういう「地味な」ドラマでも「良いものは良い」という目利きの視聴者の支えがあったればこそだと思いますので、この視聴者を敵にまわしてどーするという気もします。
歴史物でも何かしらのミステリーがあって、「どうなるのかな」というわくわく感があれば、気にしませんが、コアなファンがある程度納得できる範囲内で番組を選択していってほしいなと思います。

まだAXNの傘下に入ったばかりなので、これからのお手並み拝見です。
by n_umigame | 2009-10-27 15:09 | 映画・海外ドラマ