*さいはての西*

fwest.exblog.jp
ブログトップ

「“怖い絵”で人間を読む」@NHK BShi 後編

恐怖の後編です。

前編と比べると即物的に恐ろしい絵の紹介だったのですが、中野京子さんの解説が秀逸で、やはり「絵を見る」ということはその時代背景やその人物を知っている方が数倍深まること、いわゆる芸術的な価値とはまったく違う次元で、鬼気迫る絵の持つ力ということを、改めて考えさせられました。
わたくしは絵を見るのが好きですが、言語を越える人間の力という意味では、やはり音楽には勝てないのかなあと思うこともしばしばでした。
しかしこの番組を見て、いやいや絵はすごい、やっぱりすごいよ! とふるふると打ち震えてしまいました。

今回は特にそういう主眼であったということもありますが、人物の絵は、やはり「目」ですね。

ゴヤ「我が子を食らうサトゥルヌス」の、サトゥルヌスの”目”。
レーピン「イワン雷帝とその息子」の、イワン雷帝の”目”。
ドラクロワ「怒れるメディア(激怒のメディア)」の、王女メディアの”目”。

3作品とも、「我が子を殺す親の”目”」というのが、偶然のチョイスだったのかもしれませんが、これだけ画題となり、それが見た者をして忘れられない強烈な印象を残すということに、人間という生き物の深い深い業を思わずにいられません。
番組ではそれぞれ、「狂気」「後悔」「憤怒」の”目”として解説されますが、何らかの共感(それは”嫌悪”という形での共感も含まれますが)がなければ、この絵が印象に残るということはないのではないでしょうか。
今現在「我が子を食らう」ような親があとを絶たないことを思えば、これらの絵が過去の一芸術作品で終わらないことがわかります。

大塚国際美術館では「怖い絵ツアー」をしているそうで(行きたいなあ~。しかし入場料高いよ)、番組中でもお客さんに感想を聞くシーンがありましたが、ドラクロワ「怒れるメディア」を見て「母親が子を守ろうとしている絵」だと答える方が多くてびっくりしました。わたくしはこの絵を、見たことはあるもののよく知らなかったのですが(恥ずかしながら…)今まさに子どもを殺そうとしている女の絵にしか見えませんでした。ひねくれててすみません(笑)。

最後に、イーゼンハイムの祭壇画の「キリスト磔刑図」で終わったのが良かったですね。

…しかし、メインになる絵のほかの絵も怖かったです…。特にゴヤ。ゴヤさん……( ̄ロ ̄lll)。
録画したものを見ながらプリンを食べようとしていたのですが、途中で食べられなくなってしまいました…。
(あ、一度冷蔵庫に戻してあとでいただきましたが、もちろん(^^)。)
「我が子を食らうサトゥルヌス」が食堂に飾られていたというのが信じられません。どういう趣味だよ! これ見ながらごはん食べられないよ! しかも元の絵はもっといろいろ描かれていたというではありませんか。
[PR]
by n_umigame | 2010-06-27 15:58 | ドキュメンタリー | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : https://fwest.exblog.jp/tb/11412761
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。