こんなとてつもない人生がごろごろしてるなんて
……アメリカ、おそろしい子!
翻訳家・岸本佐知子さん、推薦!
廃屋の中で発見された、ジャクリーン・ケネディの従姉妹、死ぬまで男性を装い続けたジャズミュージシャン、『ティファニーで朝食を』の主人公のモデルとなった孤高のエッセイスト……etc.
20世紀のアメリカを中心に、時代の波や人間関係に翻弄されつつも、「人並みの幸福以上の何か」を追い求め、数奇な人生を送った20人の女性の生涯を紹介する評伝エッセイ。ときには孤独にさいなまれながらも、独自の生き方を貫いていく女性たちの姿から、生きるヒントと、大いなる勇気を得られる一冊です。(Amazon.jp)
岸本佐和子さんの帯につられて読んでみたのですが……アメリカ、おそろしい子!!
あまりにも悲劇が深いと、かえってありふれた、陳腐なことしか言えなくなってしまうものですが「事実は小説より奇なり」という言葉しか出てきません。
ここで語られるのは全員女性です。
本人にはどうしようもないこと(例えば女に生まれたこと)に起因することから、そらーアナタ自分も悪いよ、と思ってしまうことまで、ありとあらゆるパターンがてんこもりです。
とはいうものの、著者の方の前書きにもあるように、一見、他人事のように見えるとんでもない人生の中に、そこはかとなく自分を映す”鏡”になっている部分があるからこそ、読んでいて目をそらせないような何とも言えない吸引力があるのかなと思いました。
正直なところあんまりありがたくない吸引力なのですが、例えば母親との関係などは同性として「ああー、なんかわかるわー、わかりたくないんだけども」というような身につまされる部分もあります。(笑)
上の紹介文のように「大いなる勇気が得られる」かどうかは疑問で、「ごめん、しばらく見たくもない」となる可能性も大ですが(笑)。