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『スターレッド』萩尾望都著(小学館文庫)小学館

2276年、ドーム都市・ニュー・トーキョー・シティに住む5世代目の火星人で火星に恋する少女、星(セイ)。 火星人ということを隠し地球で暮らしていたが、謎の異星人エルグに正体がばれてしまう。 セイはは火星人のことが知りたいというエルグに一緒に火星に行かないかと誘われ、火星に帰還することにする。そして、セイの運命は、周囲の人々と火星そのものを巻き込みながら大きく動きだすのだった。
(Wikipedia)



地球になりそこねた星、火星。
お隣の惑星のためか、古来、たくさんの物語の源泉になっている星ですよね。

最近何かと話題の火星。久しぶりに読みたくなって、文庫本を買いました。
初読は高校生の時に、友人が貸してくれた豪華版?みたいな版でした。当時はいまひとつ話がよくわかっていなくて、読み直したらわかるかと思いましたが、やっぱりいまひとつわかっていない気がします。

あえて説明するなら、火星人でありながら地球で育った星(セイ)が、恋い焦がれた火星に帰ったことから火星の最後が始まる…というお話。でしょうか。
ちょっと『百億の夜と千億の昼』を思い出す部分もあって、地球人より進んだ「文明社会」の宇宙人が、宇宙に発生する特定の条件の惑星を「平和を保つために」監視しているのです。ですが、この宇宙人たちが、まあエリート臭漂うヤな感じなやつらに描かれていまして(笑)。

読み返すと、セイという少女のアイデンティティの問題(大人になり、個を築くということ)、それからル=グウィンに影響を受けていると言われる萩尾さんらしいジェンダーの問題などが、壮大な設定の中でドラマとして繰り広げられます。

やっぱり何を読んだのかよくわかっていなし、絵柄や設定などはいかにも古典SFという感じなのですが、物語世界にうっとりしてしまいます。

エルグの最後のモノローグがとても好きで、初読のときも何度も読み返した覚えがあります。


「きみを独りじめし 数千年の孤独をすべてうめたかった」
「ぼくは美しい星に住む 美しい生命(いのち)でありたかった」



数千年の孤独の果てにでも、愛する人と出会えて、その思いでいっぱいになりながら死んでゆくエルグが、悲しいながらも幸せそうで、なんだか涙が出そうになるのでした。
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by n_umigame | 2012-09-02 21:36 | コミックス | Trackback | Comments(0)
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