人気ブログランキング | 話題のタグを見る

*さいはての西*

fwest.exblog.jp
ブログトップ

『マダガスカル2』(2009)コメンタリー感想めも

あらあら、またうっかり来ちゃったんですか。
先日アップした1作目の記事、長すぎて自分でもどん引きして読み返す気もおきなかったという始末ですよ?(そこは責任持って読め。)
おまけにだんだん病膏肓に入る感じですけど大丈夫ですか。もちろん今回も長いですよー。
(全然反省してない。)


そしてもちろん今回もネタバレ満載ですのでご注意ください。

『2』のコメンタリーは、エリック・ダーネル監督(脚本)、トム・マクグラス監督(脚本)、ミレイユ・ソリア(製作)、マーク・スウィフト(製作)の4名の方々によるものです。
「残りの12人は欠席してる」そうです(笑)。

あ、マクグラス監督とソリアさんだけ発言の前にちょこちょこお名前書かせていただいたのは、特に意味はなくて、はっきり声がわかるのがお二人だけだからです。
マクグラス監督の地声は、隊長が優しいときの声ですし(*^.^*)、ソリアさんは唯一の女性なので聞き分けられるというだけで。

ではどうぞ。












・風船を持った少年が三日月に座って釣りを始める、おなじみDWのロゴから。
ペンギンズが少年を後ろから(!)のしちゃって、自分たちで釣りを始める爆笑シーンからスタート。ペンギンズ、ひでえ(笑)。
「みんな、今夜はキンキンに冷えたスシだ!」と、スシに向くのかどうか怪しげな魚を釣り上げる隊長。20世紀フォックスのロゴもよく遊ばれている気がしますが、こういうのが洋画を見るとき楽しい一因かも。
・「少年は若き日のジェフリー・カッツェンバーグ(※DWAのCEO)だよ(笑)」
何か恨みでもあるんですか、監督たち。

・イントロ。幼いアレックスが父親のズーバに狩りの仕方を教わっているところ。
「ベン・スティラーの息子が幼いアレックスを演じている」←かわいいvvv
「最初はシマウマのおもちゃだった」
「おしりを噛んで怒られる」
続編はキャラクターの紹介が省略できることと、時間をかけて付き合ってきたのでより深みが出せるのがメリットだそうです。

・本作の敵役、マクンガ登場。
「(声の)アレック(・ボールドウィン)と同じ髪型をしてる」
髪型どころか顔も似てる気がします(笑)。

・アレックスの過去ってこうやって見るとかわいそうですよね…。小さい、まだ赤ちゃんと言ってもいいほど幼い子どもが誘拐されるシーンは例え動物でも見ていてツライです。
父親のズーバが密猟者のジープを追いかけるシーン。
「緊迫したシーンで子どもにはつらいようだ」
大人が見ててもつらいです。
「ズーバが無事な姿を見せるかどうか議論したけど、見せないと悲しすぎる」
悲しすぎます。
「映画の魔法でケニヤからNYに漂着する」
「ありえるわ」

・「この冒頭は70年代という設定なのでツインタワーを描くべきだと思った」
「しかし当時の風景のままだと動揺する人もいて、議論になった」
「私はない方がいやだった」「歴史の改ざんだよ」
ここだけではないのですが、ほんの数秒でも一つ一つのシーンを丁寧に、根気よく話し合いながら作っていることがよくわかります。
「70年代なのでキャラクターにもみあげを描いたんだ」
うお、ほんとだ。
・「グロリアの子ども時代はジェイダ(・ピンケット・スミス)の娘のウィロー」
キャストインタビューに母子そろって出ていましたが、ウィローちゃん、お父さんにそっくり。

・主役4人、"I like to move it"を歌いながら登場。
「親たちをうんざりさせた曲だ」
この曲がかかると子どもたちが立ち上がって踊り出すんだそうです。
バオバブの木を木製のエレベーターが昇っていくシーン、好きです。4人が登場するシーンはライティングの効果、編集が大変で1年かかったそうな。時間だけでなく資金も。
・「アメリア・イアハートの飛行機なんだ」
「マダガスカル・ツアーに使われていた飛行機という設定だったね」
・キング・ジュリアン登場。
サシャ・バロン・コーエンは『2』でも絶好調だったようです。
「アドリブや即興ばかりしてた」
「R指定になるので使えるのは1割だった」「(笑)」
ど ん だ け !(笑)
ぜひR指定バージョンも見たいです、監督!
ここのジュリアンの"Which of you is attracted to me?"は日本語吹き替えの「今わしにドキっとした者?」というセリフと言い方が絶妙で、どちらも大好きです。訳うまいですよねー。
吹き替えのタレントさんたちは前作より確実にうまくなってました。
・モート登場。荷造りしてついてくる気です。
ジュリアン「そいつははさみとかハンドクリーム持ってるぞ!」
「空港の警備が厳しい間はこのギャグも持つね」
ハンドクリームも機内持ち込みダメだったんだ。厳しい。

・ペンギンズ登場。
「世界最大のパチンコ(スリングショット)だ。”マダガスカル宇宙計画”というセリフはカット?」「そうよ」

「いい墜落音だ」「一匹落ちるのよね」
TM監督「ここで映画を終わりにできたね」「(笑)」
監督……。

「骸骨がいいね。片付けてないんだ」
「5年付き合ったキャラクターだからより豊かで深い感情を表現できた」
「アニメーターにも心の機微を映す微妙な表情を表現してほしいと要求したんだ」

・不時着シーン。名シーンだと思います。
「不時着の場面は最初に制作したシーンだね」
「3年前にトムが作った絵コンテどおりの仕上がりだ」
ここは設定画集にも収録されていましたが、本当にトム・マクグラス監督の絵コンテどおりでした。
「いいシーンだけど難しくて」
ソリアさん「隊長はあなたの分身? 人形が好きなの?」
「(笑)」
TM監督「そうだよ(笑)。ここが人形の初登場シーンだね。”コパカバーナ”にちなんでローラという名前にした」
プロデューサーのミレイユ・ソリアさんは『1』でも両監督に「上手に褒めながら場面をカットさせた」という凄腕の方のようで、マクグラス監督へのツッコミも容赦ねえ感じです。

「iPodのギャグも豊富だった」「”10015曲入ってたんだ”」「”ニール・ダイアモンドの曲はそんなに多くない”」「”彼を侮辱する気か?”」「(笑)」

「”優しくチュッて感じで”は違う言い方もあったね」
TM監督「”教皇の指輪にキスを”」←隊長の声で
「結局カットしたけど大好きなセリフだった。カトリックだからね」「(笑)」
「教皇の指輪にキス」はアイデアとして『マダ3』に引き継がれたわけですね。余さず隙あらばリサイクルです(笑)。
ペンギンズ語り編で詳しく書きたいですが、ここの隊長の一連のセリフ、特に英語で聞いていると聞きようによってはたいへんエロいです。こういう部分があるから、ほんとに子ども向きなのかと。

「随所に登場する”69ヶ月”のギャグはベン(・スティラー)のアドリブだ」
「飛び出しナイフは注意されたらナイフ型の櫛にするつもりだったが…このとおり」
リコの殺る気満々の目つきといい、だから、ほんとに子ども向きなのかと。

「ビル・ウィンターのサファリツアー」「アフリカを視察したときの現地ガイドね」
「カッツェンバーグの自家用機で10日間の旅を満喫したよ」「最高だったわね」
「9つの保護区を見たね」

「どのキャラクターも主役級だね。本筋を通すために多くのシーンを泣く泣くカットしてる」
「前回の12~13匹のキャラクターに加えて新しいキャラクターもいるから見せ場の配分がたいへんだった」
「ペンギンは本筋と無縁だから息抜きができる。遊べるのでとても楽しいんだ」
それがいい方に出たんですよねv
TM監督「ボストンの大ファンなのでこの曲にした」
ソリアさん「大ファン?(So much?)」「(笑)」
「(おばあちゃんが)窓を突き破るのは誰のアイデアだっけ」
「戦わせる案もあったね」
「このギャグはジェフリーが考えた。”死んだ?””まだだ”で引き返すんだ」
黒いですね、CEO。
「ビーチボールのような衝突音にしたのよね」
「そのとおり」「痛そうな音はやめたの」「おばあちゃんがかわいそうだからね」
そういう問題じゃないんじゃないでしょーか…。
「はじめは敵役に密猟者などを登場させるつもりだった」「ドイツの女王様も」「結局おばあちゃんを使うことにした」「彼女は悪人ではないわ」
でも怖いです。ライオン食おうとするし。「鶏肉といっしょだよ!」とか言ってますし…肉系のゲテモノ食べたときの一般的な感想ですよね、それ……。

・モートがアフリカの海岸に命からがらたどり着いたシーン。
♪ランラララーララー→鮫がどばー!のところ。
「モート役のアンディはこの歌を即興で歌ってる」「裏声でもいやがられないのは彼くらいだね」

・ペンギンズの飛行機修理広場のシーン
「サルだけが話せないというのもおもしろいね」「フラミンゴも」「ディクティクも」
「サルのフィルが手話で話すシーンは実際の手話を参考にして動きを合わせてる」

・隊長の「これは素晴らしい。…が、飛ぶのか?」のシーン
「”ここを折れば”はエリックのジョークだよ」
ここは笑いました。
ほんとにツッコミ不在だなペンギンズ。

「今回は3Dにする案も出てたけど運良く逃げられた。ドリームワークス最後の2D映画だ。3D時代が始まる前に今のうちに楽しんで」

「ジュリアンは乗る動物がフラミンゴからダチョウに格上げした。この世界で徐々にのし上がっていって乗る動物の格も上がっていくんだ」
「この口笛のシーンもサシャのアドリブ。脚本にないのに口笛を吹いたんだ。ホール&オーツの曲を10曲ほど」
「一曲丸ごと吹いてた」
「メルマンの頭を抱く場面は好きだな。話は聞いていない(笑)」
「どのキャラクターも主役級と言ったけど、モーリスも…」
「ジュリアンの最高の相棒だよ。頭がいいのにジュリアンの計画につきあうんだ」
「セドリック(・ザ・エンターテイナー)」は”歌って”と言うとすぐ応じてくれる」
すてき。

・グロリアとモトモトのシーン。
「このシーンのモトモトはかなり調整したね」「下品だった」「『フレンズ』のジョーイみたい。初めはもっとマッチョで優しさもなかった」「グロリアがかわいそうだったね」
「前回もメルマンの恋を入れるつもりでいろいろ試したけどうまく取り込めなかった」
「”周りは気にせず自分らしく”というのはこの映画のテーマでもあった」
「メルマンの告白はロマンチックだね。彼女への愛が感じられる」

「ここから物語が急展開して水場の干ばつの話になる。視察の時も干ばつが起きていて動物たちには深刻な問題だとわかった」
「さっき悪役の話が出たけどアレック・ボールドウィンはアフリカに滞在する彼自身を演じる予定だった」
「結局その役はなくなりはまり役のマクンガを演じてもらうことに」
このあたりの没になった設定は設定画集の最後にまとめられています。スケッチなどを見ているだけでコレいったいどんな超展開になったんだろうという感じで、『マダ3』のデュボワ警部とたいまん張れるようなキャラが出たんじゃないかと。

「ジュリアンは格が上がってゾウに乗ってる」「杖が飛ぶのはアニメーターのアイデアだ」
「神との言い争いはサシャが思いつき、10分ほど即興で演じた。残念ながら進行上大幅にカットした」
だからノーカット版を!!
「この場面の印象は考え抜いたわね。生け贄を提案してもひどい印象を与えないように」
「テーマ音楽もいろいろ試してジュリアンの場合は"I loke to move it"のオーケストラ版があったの」
き、聞きたいですそれ…!
飛行機が不時着するシーンの音楽とかもサントラに入ってなかったし、サントラもコンプリート盤とか出てほしい。

・アレックスとマーティがNanaおばあちゃんのせき止め湖のキャンプにやってくるシーン。
「最初はおばあちゃんの狩りの予定だった。ハンドバッグで何度もシマウマを叩くんだ。でも優しい姿を見て驚く方が笑えるよね」
「彼女は売られたケンカしか買わないわ」
「そうだね」
そうか?

・メルマンが火山口に飛び込もうとするシーン。
音楽について。
「初め候補に入れていたのはポインター・シスターズの”ジャンプ”」「オハイオ・プレイヤーズの”ファイヤー”も」「ヴァン・ヘイレンは…(笑)」「ハンス(・ジマー)が断固反対したの」「(笑)」
「録音の時はマイクしか用意してないけど俳優陣は想像力でシーンを演じてくれる。(メルマン役の)シュウィンマーは角を握られている状況を理解しそれに合う自然な反応をしてくれた」
メルマンの「最初に言うと、痛いよ!」はアドリブだったんだそうです。すごいなー。

・チンプス代表のチンパンジーたちと、ペンギンズの労使交渉のシーン。
「ここはハリウッドの脚本家や俳優組合のストが起きる前にすでに作られていたシーンだ」
おお、そう言えばそんなことがありましたね。
「このシーンが使えるかどうか不安だったね」
「大丈夫だった」「ストにはまいったわね」
「隊長がローラ人形の顔をなめている写真もあって、さすがに過激なのでボツにした」
「控えめに」「(笑)」
隊長はどんだけ変態設定なんですか。しかも控えてコレですか。愛ですね、愛。

・ペンギンズのスーパープレイン(『2』ではまだこの名前はなかったですが)がアレックス親子を救出に来て、ダムを破壊するシーン。
音楽について。
「ハンスたちはたくさんの音楽を試して”コパカバーナ”にした」「最高よ」「ローラの由来だしね」「そうだね」
「あの人形を出したことでおかしさに拍車がかかったね」
↑優しい。
ダムの決壊シーンだけで専用の資金繰りが必要だったそうです。水しぶきが火山のマグマに重なって場面転換するところ、すごくいいですよね。
おばあちゃんの眼鏡のテープはソリアさんのアイデアだそうです。

「本作で死ぬのは鮫だけだ」
「アニメではよく親が死ぬが本作では鮫だ」
ですね。

「おばあちゃんの帰国シーンも入れる予定だった。JFK空港にみんなが着くとマクンガもいるんだ」「猫用のケージに」
「カトリック学校のシスターのお仕置きをイメージしてる」
ええー…ひどいお仕置きだなあ。

・ひっかけ結婚式のシーン。
「ひっかけだな」
「”良いときだけ”というセリフが好きだな」
隊長、女好きですからねー。
「フラ人形と結婚するのがトムの夢だった」TM監督「(笑)そうだ」
最後の最後まで言われてるマクグラス監督。

「ペンギンズがモンテカルロに行く設定がいいね」
そして『マダガスカル3』に続きます!

制作に3年半。「”やる気ー、つば吐きー”」でがんばって作ったよ。
「あと涙と血と」
楽しんでくださいねー。
by n_umigame | 2012-10-22 00:04 | 映画・海外ドラマ