(AXN公式ページより)
日本での放送も終わってしまったので、感想をまとめておこうと思います。ネタバレしています。
主演はホーンブロワーことヨアン・グリフィズ。(Gruffuddでグリフィズって読むんですかウェールズ語ってウェールズ語って…。)レギュラーには『インディペンデンス・デイ』の蝿男(おい)のお父さんことジャド・ハーシュ。
TVシリーズのキャストとしては本当に豪華だと思うのですが、そしてなかなか人気番組で、ファンによるシーズン2につなげよう!というキャンペーンまであったようなのに、あっさりシーズン1で打ち切りが決まってしまったというドラマです。
おおおん(号泣)。(ノД`)
NY市警で監察医を務めているヘンリー・モーガンは、ひょんなことから不老不死になってしまったイギリス人。当年とって200歳越えのお年頃です。
第二次大戦中、実の両親を強制収容所で亡くしたエイブ(エイブラハム・ワインラウブ)を引き取り、妻アビゲイルといっしょに養子として育てあげ、エイブはめでたく古稀を迎えました。
このヘンリーとエイブの関係がもうもう、もう、本当によくってですね。それ見てるだけで幸せなドラマでした。一見、エイブが年上の年の差コンビに見えるのですが、実は若く見えるヘンリーの方がうんと年上で…という設定もどつぼでした。ヘンリーの方が長生きしている分、知っていることも多いのだけれど、エイブはとても柔らかいものの考え方をする人で、(当たり前だけれど)大人として成熟していて、ヘンリーのことを育ての親としてだけでなく、一人の友人、人間として対等に見ているんですね。「君はまじめで心優しい人間だ。人殺しになったらだめだ」とか言ったりして。
こう、親子なんだけれども親友にもなれるという、西洋の個人主義が大好物なので、そういう点でも見ていて気持ちの良いドラマでした。
エイブのお料理がこれまた美味しそうで…「エイブのレシピ本」とか出たら買いますよ。出して。
(欧米のドラマを見ていると、ぱっと見おしゃれだけど、そんなに何品も皿数のある食事を、ふだんはしていないですよね。日本みたいに和洋中なんでも作るってことがないから、調理器具も限られていて、キッチンもすっきりしているし。何か、食事作るの面倒くさいときなんかは「今日は海ドラ料理」と自分に言い聞かせて、一品料理でちょっとオサレっぽく感じるものでいいやって、やってます。)
ヘンリーの2番目の奥さんアビゲイルは行方不明だったのですが、きっちり殺したところを見ると、シーズン2に続ける気満々だったのじゃないかと思いますよね。結局なぜ失踪したのかとか細かい背景はわからずじまいでしたが。ただ、ヘンリーはいい人なんですが、屈託がなさすぎてアビゲイルが失踪した気持ちもちょっとわからないでもないです。デートのシーンは、男性はやっぱりロマンティストだけど、それはアビゲイルの気持ちを考えると残酷だと思いました。自分だけ年を取っていくつらい気持ちを愚痴ろうにも、ヘンリーがいい人すぎて言い出せないよね…つらい。何を言っても伝わらないなら黙って去るしかないです。ヘンリーの方は「なんでだ!?」って思ってるようでしたが、ほんとあるあるです。
ジョーとの関係も、男女関係にならなくていいから、友情として進めるなら進めてほしかったのですが、そこも結局中途半端で終わってしまいました。けれども、最終回のあのあと、ヘンリーはジョーに自分の秘密(不老不死であること)をちゃんと話したのじゃないかなと思います。
途中、アダム(バーン・ゴーマン)という、ヘンリーと同じく不老不死の男が登場します。アダムは帝政ローマ時代から生きているらしく、2000歳越えの大御所ですが、長生きしたからって人間として成熟するわけじゃないんだねーということがよくわかるキャラです。(『銀河ヒッチハイク・ガイド』シリーズに出てくる無限引き延ばされワウバッカーを思い出しました。「なんか映画ないかな。まだ3万回見てないやつ。」)アダムはあの状態になっても死ねないなんて、とても残酷ですよね…。アメリカの病院は、内蔵を取り出すようなヘヴィな手術をしても数日で退院させられるらしいので(お金持ちは別)、あの状態で入院費とか誰がめんどう見るんだろうと思いました。ヘンリー?
そんなこんなで風呂敷広げっぱなしでトンズラこかれたわけですが、『ALCATRAZ/アルカトラズ』よりましだから!ましだからー!!
シーズン2では、ヘンリーの秘密に最初に気づくのは、ヘンリーの助手の監察医ルーカスだったという設定もあったそうです。ルーカスも基本路線はお笑い担当ですが、いい感じのキャラに育ってきていたのに残念です。ああもったいない。
キャラクターのやりとりとか面白いと思うのですが、続かなかったのは、やはり設定に無理があってたたみようがないからでしょうかね。不老不死の悲劇のエンタメと言えば『ハイランダー』シリーズなど先行作品もあるわけですし。
ほかの方の感想を拝見していると、どうやら昨今NYでのロケ費が高騰していて、その影響もあったんじゃないかなとおっしゃっていました。それで『パーソン・オブ・インタレスト』も打ち切りになったんじゃないかと。アメリカのドラマ製作は日本と違って、TV局ではなく製作者(スタッフ)たちが制作費を集めるそうなので、金策で首が回らなくなってしまったというのも説得力がありますね。視聴率も稼がなければいけませんし、たいへんだろうとは思います。
個人的にグロいのが苦手なので、食事しながら見られなかったのもつらかった。あの検視のシーンの開かれた死体とか、セットさんノリノリでしょう。
エンディングテーマ"New York"
エンディングテーマ"New York"歌詞(こちらから引用しました→
★)
"New York"
I don't believe the things I say
About us when I'm drunk
And distance leaves a bitter taste
When you're gone, when you're gone
In New York
I walk the line of great unknowns
But I never questioned us
And I'd go back to where we last met
And tell you so, tell you so
In New York
--------以下拙訳です--------
自分が言ったなんて信じられない
僕らについて言ったこと あのとき僕は酔っ払ってたんだ
そのせいでできた隔たりは とてもつらい思いを残していった
君が行ってしまったとき
君は行ってしまった
ニューヨークで
偉大なる未知という道を僕はなんとか歩いている
でも僕は僕らのことを疑ったことなんかなかった
最後に君と会った場所へ帰りたい
そしてその思いを君に話したい
君に話したい
ニューヨークで