2000年に亡くなったエドワード・ゴーリー。没後、アメリカで巡回開催された回顧展「Elegant Enigmas」が、日本でも展覧会巡回開始、しかも関西から! とのことで、見に行ってまいりました。
初日に行ったのですが、ご縁があって2度行きました。2度目は自分が好きだった作品や、気になった作品を重点的にじっくり見られました。同じ展覧会に何度も行けると、こういう楽しみ方もできていいですね。(2度目は会期終了間際ということもあってか混雑していました~)
館内のあちこちにいる『うろんな客』のあのひと。
中庭を見るあのひと。旧石橋家住宅など、県の文化財に指定されている旧商家などが敷地内にあって、お庭も美しいです。外観も雰囲気があります。(阪神・淡路大震災のときに伊丹の駅周辺はたいへん大きな被害を受けたため、こちらの住宅などは復元されたもののようです)
元の絵。展示されていたぬいぐるみに「あ、うろん」「うろんちゃんや~❤かわいい~❤」「これあれやろ。うろん」と言っている人たちに、めっちゃツッコみたかった…「うろん」は名前とちゃう、と。(いっしょに来てる人、誰かつっこめ)
立ち入り禁止エリアの入り口を守るあのひと。
会場の入り口を守るあのひと。ここから展覧会が始まります。
ゴーリーを初めて知ったのはもうずいぶん前ですが、最初はてっきり19世紀末のイギリスの人だと思い込んでいました。ヴィクトリア朝の人なんだろうと。
そう思った人はわたくしだけではなかったようで、ディケンズの『信号手』なども含まれる『エドワード・ゴーリーが愛する12の怪談』(河出文庫)という作品も出ています。ヴィクトリア朝の怪談にゴーリーの世界観が似合うと思ってお仕事を依頼した人がいたのか、ゴーリー自身がもちかけたのか存じませんが、マッチしますよね。
ですので、同時代を生きているアメリカの人だと知ったときは、本当にびっくりしました(笑)。もう亡くなって16年も経つのですね。
今回の展覧会では、著作の展示から始まって、ファンが作った「うろんな客」のぬいぐるみ(すごいクオリティでした。グッズにしたら1万円くらまでなら買う人いますよ、あれ!)や、緻密な原画はもちろんのこと、Tシャツの展示、そして狭いながらも充実のグッズコーナーもあって、とても楽しい展覧会でした。2回見に行く価値は十分ありました。
ゴーリーは熱心なファンがたくさんいらっしゃるでしょうから、きっと2回3回当たり前、5回くらい行っちゃったという人もいるのでは?
ゴーリーさんにメッセージを贈れるのですが、さすが観に来ていた方も絵心のある方が多かったようで、クオリティがすごい。
伊丹市立美術館(2016年4月2日~5月15日)からスタートした本展覧会ですが、2年間をかけて全国を巡回する予定とのこと。
2016年7月16日(土)~8月28日(日)福島県立美術館
2016年9月8日(木)~10月23日(日)下関市立美術館
以上2カ所が、現在決まっているようです。
お近くに巡回がある場合、ぜひいらしてくださいませ。
全国巡回する予定だそうなので、きっとチャンスがあるかと思いますが、どうしても行けなかった、うっかり見はぐった! という方には、図録だけでもオススメです。ゴーリーの本をたくさん出している河出書房新社さんが、図録も手がけています。
今回の回顧展で展示された作品も網羅されていますし、装丁もすっきりとしていておしゃれです。読むところもなかなか充実しています。
↑ 図録、飛ぶように売れてましたよ(笑)。
左が図録。右はお土産に買ったポストカード。
ゴーリーの本は基本的に絵本ですので、だいたい読んだと思っていたのですが、とんでもなかったです。まだ邦訳されていない作品もたくさんあるのだと、今回の展覧会で初めて知りました。
中でも、ぱっと絵を見て気になったのが、『音叉』(The Tuning Fork)という作品です。同じ作品からは一枚きりしか展示されていなかったのですが、女の子とおばけみたいな生き物の絵なのですが、これがまた悲しくもハードな内容で…。ぜひ邦訳が出てほしいと思います。(原語版は"Amphigorey Also"に収録されているようです。ほしいなあ…ポチっちゃおうかなあ…)
ミュージアムショップでお土産を買ったらついてきたしおり(左上)。可愛い❤
ところで、猫が大好きだったゴーリーさんのお誕生日が「2月22日」でにゃんにゃんにゃんの「日本の猫の日」ってのは、できすぎじゃないかと思うのですが(笑)、いかがでしょうか。
日本にも来てみたかったと、生前おっしゃっていたそうですね。実現しなかったようで残念ですが、猫好きでゴーリーさん好きの人は、ぜったいにゴーリーさんのお誕生日を忘れませんよ。