坂田靖子さんのファンのワタクシがフレドリック・ブラウンという作家に興味を持ったのは、
『フレドリック・ブラウンは二度死ぬ』を読んでからでした。
坂田靖子さんのものの見方は非常にユニークでシャープ、しかも共感できる部分が多くて楽しいのですが、、『フレドリック・ブラウンは二度死ぬ』の巻末に描かれた坂田靖子さんのコメントマンガ、「○○○○はやっぱりブラウンですね?」という一言で、ブラウンのSF系の作品は集約されてしまうのではないかと思うほど、これは的確にしてパンチの効いたコメントだと思います。
もう、
『さあ、気ちがいになりなさい』なんてタイトルからしてそのまんまで大丈夫かオイと早川君が心配になったくらいでしたが、この『火星人ゴーホーム』、
こ れ も か …!(笑)
中盤、ゲラゲラ笑ってしまいました。そう来たかー! …と。
あらすじは、ある日何の前触れもなく地球にやってきた火星人たち。全地球に瞬時に現れ、ドアでも壁でも服でも何でも見通し、瞬時に移動し、しかも大のおしゃべり、地球は政治も軍事も経済もなあーんにも成り立たなくなってしまいます。(機密というものが守れないので。)寝室で実況中継されてはかなわんということで世界的に出生率が急降下し、世界中に失業者があふれ、繁盛しているのは、精神科医、葬儀屋、薬局、そして酒場だけ。
さて火星人は書けなくなってしまったSF作家、ルークの創造なのか、はたまた…?
…というフィクション、メタ・フィクション、メタ・メタ・フィクションと層を成していってもうどこまで行っても「身」というタマネギ状態のお話です。
どう解釈するかは読者次第。ケッサク。
フレドリック・ブラウンは『シカゴ・ブルース』など、ミスドで読みたいようなミステリ(?)も書いています。こちらは「ふつう」でした(笑)。